△ 「迷い子なカミサマ」エピローグ4


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上手明かり。上手から納谷、あきら、石倉が出て来る。

納谷 「今日は本当にありがとうございました。」
あきら 「こちらこそ。師匠、師匠にインタビューしてもらえて、ほんとに嬉しかったです。」
石倉 「あ…ああ。」
あきら 「ん?どうしました?」
石倉 「うん…ここは正直に言おう。」
あきら 「え?」
石倉 「神田君すまん。僕が君の作品のファンであることは間違いないが、その反面、実はずっと君の才能に嫉妬していたんだ…」
あきら 「師匠?またそんな…」
石倉 「いやほんと…まじめな話だ。ずっと書けなくてな…昔は次から次へとアイディアがわいて来たのに。必死に考えれば考えるほど、どんどんアイディアが出なくなってしまった。」
あきら 「師匠…」写真
石倉 「そんな時に君の作品に出合い、興奮しつつも、もう悔しくて悔しくてな…。だが、こうして久しぶりに君と話しているうちに、急に沸いて来たんだよ、アイディアが。」
あきら 「え?ほんとですか?」
石倉 「ああ、今すぐ家に帰って書きたくなってきたんだ。君のお陰かもな。」
納谷 「すごい!スクープだ!それ是非うちの雑誌で!」
石倉 「ああ、ちゃんと書けたらな。」
あきら 「めちゃくちゃ楽しみです!」

あきらの携帯に着信。

あきら 「ちょっと失礼。…あ、はい僕です。…え?そうなんだ…今から寄るよ。はい、じゃのち程。(携帯を切り)すみません、ちょっと警察署に行くんで僕はここで。」
納谷 「警察署?」
あきら 「あ、いや、叔母が僕の財布預かってて取りに行くんで。ではまた。今度飲みにでも。」
石倉 「財布あるときにな。」
あきら 「はい、失礼します!」

あきら、下ハケ。

納谷 「ところで、新作のアイディアってどんな感じなんです?」
石倉 「あのね、悪魔に体を乗っ取られてしまう人たちが出て来るんだ。」
納谷 「え?そっち系ですか?」
石倉 「そっち系。」
納谷 「それ早く読みたいです!」

上手明かりが消える。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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