△ 「迷い子なカミサマ」シーン13


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中央ハケからみんなぞろぞろと出て来る。その中にいつの間にか新任神様と閻魔もいる。
舞台中央にみんな集まる。

田中 「とりあえずこの辺で。」
幸恵 「ここは?」
佐藤 「霊界です。」
幸恵 「なんだか殺風景な場所ね。」
ミルキー 「ここって天国?地獄?」
新任神様 「その中間です。」
ミルキー 「中間ね…って誰?!!」

ナユタ刀を構える

ナユタ 「魔族か?!」
あきら 「もういいそれ!」
閻魔 「我々も霊界の者です。」写真
熊耳 「うわ、この人も!」
田中 「すみませんね。とりあえず霊界まで来れば我々も動きやすいので。」
幸恵 「ちょっと待ってあなた!」
新任神様 「はい?」
幸恵 「…あ、いえ、人違いでした。」
あきら 「そうだ、皆さんはもしかして…神様なのでは?」

霊界の4人、目を合わせうなずく。

閻魔 「申し訳ありませんが、我々の正体はまだお話しできません。」
新任神様 「とにかく、わかっている範囲で現状の説明を致しましょう。宜しいですか?」
あきら 「お願いします。」
田中 「この世には様々な異世界が存在します。」
佐藤 「この霊界。皆さんのいる下界。」
新任神様 「魔族のいる魔界。」
閻魔 「皆さんのいる下界は、双子の様にそっくりな世界がいくつもあります。」
あきら 「パラレルワールド?」
田中 「俗に言うそれです。」
佐藤 「その世界同士が、たまにぶつかって穴が開くことがあり、たまたまそこにいた人が異世界に迷い込むこともあります。」
幸恵 「神隠し?…」
田中 「俗に言うそれです。」
新任神様 「しかし、ごくまれに、その穴を開けられる力を持った人間が現れます。」
閻魔 「我々はその人間を「コア」と呼んでいます。」
佐藤 「今は開いてもすぐ閉じたり、穴ではなくひびだったりしますが、穴が大きくなれば…」
ナユタ 「魔界から魔族が出入り自由になる。」
田中 「その通り。たくさんの世界が魔の手に落ちてしまいます。」
ナユタ 「そんなことは絶対させない!」
新任神様 「でももっと最悪なのは…」
熊耳 「魔族の支配より悪い事が?」
閻魔 「穴が大きくなり過ぎれば、その世界は消えてしまいます。」
朝倉 「世界が…消える?」
閻魔 「ええ。シャボン玉が弾けるように。」
ランゼ 「確かに最悪…」
平泉 「早くそのコアってやつを見つけに行かなきゃ!」
新任神様 「大丈夫、そのコアは…」
あきら 「この中にいる?」
幸恵 「え?」
田中 「やはりあなたは他の人と違いますね。」
熊耳 「でもみんな元の世界に帰りたがってるんですよ。コアなら自分の力で帰れるんじゃ…」
佐藤 「自分がコアだと気付かない場合もあります。」
幸恵 「この中にコアが…」写真
平泉 「亜子ならいますが。」
ランゼ 「コアが亜子?」
亜子 「あの、名前ですから。逆ですし。」
ミルキー 「ですよね。」
あきら 「僕なんですね。」
幸恵 「あきら?」
あきら 「僕がコアなんですね?」
閻魔 「わかりませんが、この世界の原作者と名乗り、実際に色々知っているところを見ると。」
新任神様 「コアの可能性は高いと思います。」
あきら 「僕は何をすれば…」
新任神様 「ここでお教えしたいのは山々なのですが、実は皆さんの中に、魔族に体を乗っ取られている方がいる可能性があるんです。」

みんな動揺。

幸恵 「この中に魔族が?」
ミルキー 「さっき調べた時はそれらしい奴はいなかったけど。」
閻魔 「その機械でわかるのは魔族自身が人間のふりをしている場合だけです。」
田中 「魔族の魂が皆さんの体を乗っ取っている場合はわかりません。」
ナユタ 「魔族に乗っ取られている?体は人間?」
あきら 「斬るに斬れませんよ、ナユタさん。」
ナユタ 「いえ、斬る時は斬ります。」
あきら 「あ〜、確かにそんなキャラでしたねあなたは。」
新任神様 「この中で乗っ取られていないとわかっているのはアンドロイドのナユタさんだけ。」
ナユタ 「有機ドロイドです。」
新任神様 「あ、失礼。」
田中 「というわけで他のみなさんの武器は預からせて頂きました。」

霊界の4人、みんなの武器を掲げる。

ランゼ 「うそ?!」
ミルキー 「いつの間に?!」
朝倉 「まさに神業だ。」
平泉 「いや集団スリじゃん。」
田中 「ではここで二手に分かれます。」

田中、佐藤は下手、新任神様、閻魔は上手に移動する。

新任神様 「こちらがあきらさん調査チーム。」
佐藤 「こちらが待機チーム。」
あきら 「え?これどうやってチームを分けるんです?」
田中 「こうです。」写真

霊界の4人、右手を上げて指をパチンとならすと。みんなひょこひょこ上手下手に分かれて行く。

全員 「おおおおおお!」
閻魔 「チーム分け終了。」

ミルキー、ランゼ、スーザン(アモン)、朝倉の4人が上手の調査チーム。
あきら、幸恵、熊耳、平泉、鈴木(リヴァ)、石倉(タウロス)、納谷(メア)、ナユタ、亜子の9人は下手の待機チーム。

ランゼ 「こっちのチーム少なくない?」
新任神様 「少し狭い所に行くので。」
あきら 「狭いところ?」
幸恵 「なんであきらを調査するチームにあきらが入ってないの?」
田中 「一緒にいたらできない調査なんです。」
あきら 「あ!もしかして潜水…」
佐藤 「それ以上言わない方が。」
閻魔 「情報は命。情報漏れは命取りです。」
あきら 「すみません…」
新任神様 「ではまいりましょう。」

それぞれのチーム、下手と上手にハケて行きながらゆっくり照明が変わる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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