△ 「迷い子なカミサマ」シーン12


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明転するとみんな等間隔でゴロゴロ横たわっている。スーザン(中身はアモン)が目覚めるが。

スーザン 「チッ、女か。しかもコアじゃないな。だが、戦闘スキルは高そうだ。」

石倉(中身はタウロス)、鈴木(中身はリヴァ)が目覚める。

スーザン 「タウロスはどうだ?」
石倉 「こいつもコアじゃねえ。クソッ、戦闘スキルも低いぜ。」
スーザン 「リヴァは?」写真
鈴木 「こいつもハズレでやんす。」
スーザン 「メアはどこだ?」

納谷(中身はメア)が目覚める。自分の姿をキョロキョロ見る。

納谷 「え?うそ?なんで?男じゃん!」

隣に横たわるナユタを指さし

納谷 「私この子を乗っ取ったはずなのに!」
石倉 「よく見ろメア。そいつは人間じゃねえ。」
納谷 「え?あ、ほんとだ、変なアンドロイドだ!」
鈴木 「弾(はじ)かれて隣の人間に入っちまったでやんすね。」
納谷 「やだ〜!アモン、体取り換えてよ!そっち女じゃん!」
スーザン 「今更不可能だ。我慢しろ。」
スーザン 「それよりそいつはコアなのか?」
納谷 「違う〜。コアでもない〜。」
石倉 「全員ハズレかよ。」
スーザン 「まあいい。ここにいる誰かには違いない。慎重にみつけよう。方法はわかるな?」
石倉 「情報はそれぞれの体の脳みそを使う。」
鈴木 「ばれないようにうまくなりすますでやんす。」
スーザン 「コアを発見したら。」
納谷 「私の術でコントロール。」
石倉 「俺たちの正体がばれたらその時は、術は使いたい放題だよな。」
スーザン 「ああ、だが調子に乗るな。魔界以外では俺たちの能力は落ちているからな。」

ヒュウという風の音。

スーザン 「誰か来る。戻れ。」

4人、元の場所に寝転がる。台の上に霊界の田中と佐藤が現れる。
全員きれいに並んで横たわっているのを見つけ

佐藤 「…築地?」
田中 「違うでしょ。」
佐藤 「あ、すまんすまん。…豊洲?。」
田中 「そうじゃなくて…」
佐藤 「わかってますって。とにかくやっと見つけられたな。あまり時間がない。連れて行こう。」写真

田中、佐藤が右手をあげ、指をパチンと鳴らすと。みんな目を覚ます。

あきら 「うううっ…ここは?」
ランゼ 「エウロパ?」
ミルキー 「じゃないわね…」
幸恵 「っていうかここさっきの場所じゃ?」
平泉 「亜子さん大丈夫?」
亜子 「はい…でも変な違和感が…」
ミルキー 「違和感?」
亜子 「なんだか私であって私じゃないような…」
ランゼ 「あれ?それってミルキーと同じじゃん。」
ナユタ 「ジョーンズ博士も言ってました。」
ミルキー 「今回の事と関係があるのかも。」
平泉 「くまさん、しびれは?」
熊耳 「まだあるな。」
平泉 「私もです。鈴木は?」
鈴木 「え?しびれ?あ、あるでやんす。」
平泉 「は?」
鈴木 「あ、あるであります、です。」
平泉 「大丈夫?」
ミルキー 「しびれ?」
あきら 「僕はありませんが、ぼくと一緒に来た人たちはみんな。ね、師匠。納谷さん。」
石倉 「お、おう。」
納谷 「し、しびれてるわよ〜。」
あきら 「え?」
スーザン 「(咳払いをしてから田中佐藤を指さし)あ、あそこに誰かいるぞ!」

ミルキー、ランゼ銃を構える。

ナユタ 「魔族か?!」
あきら 「だからナユタさん!」

ナユタが刀を構える。

納谷 「キャ〜ッ!!」
石倉 「な〜!やくん驚き過ぎ〜!」
納谷 「だってあの刀…」

石倉が手で納谷の口を塞ぐ。

田中 「皆さん落ち着いて下さい。」
ランゼ 「ミルキー、スキャンは?」
ミルキー 「あれ?」
ランゼ 「なに?」
ミルキー 「スキャンできない。」
ランゼ 「故障?」
佐藤 「ちょっと話を聞いて下さ…」
ミルキー 「違う、物体として感知しないの。」
ランゼ 「え?じゃ今度こそ魔族?」
ナユタ 「おのれ魔族め!」
あきら 「ナユタさん待って!」

ナユタ、佐藤を斬る。

佐藤 「ぐあああ!」

みんな息を飲む。

佐藤 「…っていうのは嘘でして。」

みんな驚愕。

ナユタ 「え?どうして?」
田中 「だから聞いてもらえます?話?も、全部話しますから。」
あきら 「…聞きましょう、皆さん。」写真

みんな落ち着く。

田中 「まず、この場所ね。ここは高尾山。」
幸恵 「やっぱりさっきと同じ場所?」
田中 「場所はね。でもここは2028年。」
朝倉 「えっ?!さっきの千年前?!」
亜子 「せ、千年前?」
平泉 「って事は私たちの時代に戻った?!」
佐藤 「時代はね。でもあなた方の世界とは別の世界。」
幸恵 「もう訳わからん…」
あきら 「やっぱり僕の作った世界?」
佐藤 「それを今から調べます。」
あきら 「調べる?」
ミルキー 「っていうか誰なのよあんたたち?」
朝倉 「それな。」
田中 「霊界の者です。」
あきら 「霊界って…」
田中 「死んだら行く場所ね。」
佐藤 「天国と地獄があるところ。You see?」
全員 「I see…」
幸恵 「ん?なに?この人たちの言葉?」
熊耳 「なぜか説得されてしまいますね。」
ランゼ 「じゃ、あなたたち幽霊?」
佐藤 「ま、それに近いかな?」
ミルキー 「だからスキャナーに反応しない?」
田中 「ま、とにかくこの事態を修復するために、まずは我々の世界に来て頂きます。」
佐藤 「You see?」
全員 「I see…」

みんなひょこひょこついて行こうとするがナユタの言葉で止まる。

ナユタ 「ちょ、ちょっと待って下さい!霊界に行くって事は、死んでしまうって事じゃ?」
全員 「あ…」
田中 「この人、人間じゃなかった。」
佐藤 「死にはしませんよ。」
田中 「早く解決して元の場所に戻りたいでしょ?」
全員 「うん。」
佐藤 「あなたも、ここは信用して下さい。」
ナユタ 「…わかりました。」
田中 「では、こちらへ。」写真

みんなぞろぞろとついて行きハケる。最後にスーザン(アモン)、石倉(タウロス)、鈴木(リヴァ)、納谷(メア)が残り。

石倉 「こいつは渡りに船だぜ。」
鈴木 「楽して霊界に入れるでやんす。」
納谷 「超ラッキ〜!」

3人、後を追いハケる。

スーザン 「奴らよりお前らが心配だ…」

スーザンハケる。びゅうううと風の音がして照明が変わる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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