△ 「迷い子なカミサマ」シーン6


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(このシーンはすべて映像。)
≪宇宙空間≫
シャトルが正面から迫る。

ハル 「あれ?ランゼちゃん?もしも〜し。」写真

≪船内客室≫

樋口 「どうした?」
ハル 「通信キレた。」

樋口も自分のモバイルをいじる。

樋口 「あれ?俺のも駄目だ。」
ハル 「師匠、エンジニアだろ、なんとかしろ。」
樋口 「いや、これはちょっとわからないな。」
ハル 「なんとかしろ。」
樋口 「だからわからないって。」
樋口 「宜しく。」

≪操縦室≫
機長の朝倉時夫(あさくらときお)、副操縦士の鬼塚矢的(おにつかやまと)、通信士のパウラ・アバカシがいる。

パウラ 「機長。通信システムに異常が見られます。どこにもつながりません。」
朝倉 「通信システム?」
鬼塚 「レーダーは?」
パウラ 「異常はないようです。」
朝倉 「パウラ、調べられるか?」
パウラ 「やってみます。…あれ?」
鬼塚 「どうした?」
パウラ 「進路に空間異常です!」
鬼塚 「何?」

鬼塚、レーダーを見に行く。

パウラ 「空間にひずみが。いや、裂け目が?」
鬼塚 「裂け目から何か出て来たぞ。」
パウラ 「隕石です!」
鬼塚 「まずい!」
朝倉 「緊急回避!」

≪宇宙空間≫
シャトル、正面から飛んで来た隕石二つのうち一つは避けるが一つが当たる。
≪操縦室≫
クルーと鬼塚、衝撃に悲鳴。

全員 「うわあああ!」写真

≪船内客室≫
ハルと樋口も悲鳴。

ハル・樋口 「うわあああ!」

≪操縦室≫

朝倉 「みんな大丈夫か?!」
パウラ 「鬼塚さんが!」

鬼塚、倒れている。パウラが駆け寄る。

朝倉 「どうした?」
パウラ 「恐らく脳震盪(のうしんとう)です。」
朝倉 「船の損傷は?」
パウラ 「調べます!」

ハルと樋口が入って来る。

樋口 「何があったんですか?」
朝倉 「隕石が当たったんです!」
ハル 「え〜っ?あ、副操縦士が死んでるぞ!」
パウラ 「脳震盪です。」
朝倉 「まずいな、ゲージか消えちまった。」
パウラ 「電気系統の3分の2がダウン。」
朝倉 「酸素は?」
パウラ 「後部損傷、漏れています。」
朝倉 「駄目だ!推進装置がやられている!」
ハル 「え?動かないの?」
樋口 「まじで?…」
パウラ 「通信装置も機能しません…」
樋口 「かなりやばいよねこれ…」
朝倉 「とにかく、落ち着こう。冷静に考えねば。」

キーンという音がして、朝倉に頭痛が

朝倉 「いたたたっ…」
パウラ 「機長?」
樋口 「大丈夫ですか?」

照明が揺れだす。

樋口 「なんだ?」

落雷の様な音と共に映像暗転。少し間があり明転すると朝倉が消えている。

樋口 「な、なんだ今の?」
パウラ 「あれ?」
ハル 「どした?」
パウラ 「機長が…いない?」
樋口 「消えた?」
ハル 「え〜っ?」
パウラ 「機長?!機長?」
ハル 「どこにもいないぞ。」
樋口 「いったい…どうなってるんだ?…」写真

≪宇宙空間≫
破損して漂うシャトル

樋口 「そして僕らは…どうなってしまうんだ?…」
ハル 「それはさておき〜!」
樋口 「さておけない!」

映像暗転。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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