△ 「迷い子なカミサマ」シーン7


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明転すると談話室の外の廊下。あきらと石倉は腰かけ、納谷は傍らに立っている。
あきらはペットボトルの水を飲んでいる。

石倉 「どお?落ち着いた?」
あきら 「はい。すみません。多分寝不足です。」写真
石倉 「売れっ子の性(さが)だね。でもあんまり無理しないでよ。」
あきら 「はい。」

突然ド〜ンという音がして照明が揺れる。

石倉 「ん?なんだ?」
あきら 「地震じゃないですよね?」
納谷 「ちょっと見て来ますね。」

納谷、部屋から出ようとした時、頭を抱えたナユタが飛び出して来る。納谷驚いて戻る。

納谷 「うわああ!びっくりした!」

ナユタ、刀を構える。

ナユタ 「誰ですか?あなた方は?!」

反対側からドロップスの3人の声。

ランゼ 「なによも〜!」
ミルキー 「何がどうなってるの?」

3人出て来る。スーザンがあきらたちに気づき

スーザン 「みんな!」

3人銃を構える。

納谷 「うわ!こっちからも!」
ランゼ 「誰この人たち?」
ミルキー 「さあ?」
あきら 「あ、ハロウィンイベントのコスプレーイヤーさんたちか。」
石倉 「なんだサプライズ?言ってよ納谷ちゃん。」
納谷 「違います。」
石倉 「え?あ、(小声で)わかった、あれだよ、これ部屋にカメラ隠れてるやつ。」
あきら 「あ、モニタリング?」
納谷 「いや、聞いてないです。」
石倉 「気づいてないふり気づいてないふり。」
あきら 「あ、はいはい。(気づいてない芝居)びっくりした〜!凄い出来がいいねナユタ。」
ナユタ 「え?」
石倉 「こっちはドロップスのランゼ、スーザン、ミルキーちゃんだよ。」
ランゼ 「え、ウソ?」
ナユタ 「なぜ私の名前を知っている?」
あきら 「いやいや、知ってるに決まってるでしょ。有機ドロイドのナユタ。クオリティー高いな〜。」
石倉 「こっちの3人も。カワイイし特殊チームっぽさもバッチリだね。」
スーザン 「こいつらうちらの名前も正体も知ってるよ。」
ランゼ 「殺(や)っちゃう?」
ミルキー 「待って。(あきらたちに)あんたたち誰?」
ナユタ 「何が目的ですか?」
あきら 「すごい!完全になりきってる!嬉しいな〜。あ、インスタ用に撮らせてもらってもいいかな?」
石倉 「じゃ、僕も。」
ミルキー 「動くな!」

あきら、石倉、納谷、ポケットからスマホを出すが、ドロップスに撃たれスマホが弾かれる。
思わず悲鳴しゃがみ込む。同時に。流れ弾をナユタが弾く。

ナユタ 「何をするんですか!」
スーザン 「あの子、流れ弾(だま)を刀で弾(はじ)いたよ。」
ランゼ 「うそお!プラズマ弾(だん)弾(はじ)くってドユコト?」
ミルキー 「有機ドロイドって言ってたけど確かそれって…」
あきら 「ちょっと待って…その銃…本物?」写真
石倉 「いくらどっきりでもそこまでは…」
ミルキー 「本物に決まってるでしょ。それより何者なのか答えなさい。」
あきら 「ちょっと待って降参!え?何なんですかこれ?」
ナユタ 「私を撃ったって事は、あなたたちも魔族ですね?」
ランゼ 「魔族?」
ナユタ 「覚悟!」

ナユタ、あきら達に迫る。

あきら・石倉・納谷 「うわあああ!」

ゴゴゴゴという地鳴りで照明が揺れる。ナユタの足が止まる。みんな動揺。

ナユタ 「なんだ?」
ミルキー 「またか?」
ランゼ 「やだも〜!」

落雷の様な音と共に暗転。全員の悲鳴。明転すると、あきら、石倉、納谷以外消えている。

あきら 「…消えた?」
石倉 「…これ…どっきりなら…大成功ですよ〜。」

納谷、スマホを拾う。

納谷 「あ〜!スマホ壊れてる!。」

あきらと石倉も拾う。

石倉 「どっきりでここまでしないよな。」
あきら 「じゃ…今のって…」

音楽がかかり暗転。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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