△ 「迷い子なカミサマ」シーン4


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字幕「200年後 2228年 アラスカ ジョーンズ研究所」
字幕が消え、明転すると中央にナユタが目をつぶって座っている。ハッと目が覚め、素早く刀を抜く。

ナユタ 「あれ?ここは…研究所…私いつの間に…」

ジョーンズ博士が現れる。

ジョーンズ 「ようやくお目覚めですか。」
ナユタ 「ジョーンズ博士。…私どうやって…」写真
ジョーンズ 「自分で帰って来たよ。無意識のまま帰宅なんてまるで酔っ払いだな。」
ナユタ 「つけられては…」
ジョーンズ 「いないよ。でも気を付けてよ〜、この場所が奴らにばれたら一巻の終わりだからね〜…」

ナユタ、立ち上がり出て行こうとする。

ジョーンズ 「ちょっと待て、どこに行く?」
ナユタ 「まだ魔族が…」
ジョーンズ 「大丈夫。今は魔界の入り口は閉じている。それに君はまだメンテナンス中だ。」
ナユタ 「もう動けます。」
ジョーンズ 「落ち着け。…ナユタ俺もお前と同じだ。奴らに家族を殺された。だから気持ちはわかるが…」
ナユタ 「同じではありません。私は…私自身も殺されたんです。」
ジョーンズ 「違う。君は生きている。体は別物でも魂はそのままだ。データじゃない。ちゃんと君の命だ。」
ナユタ 「…敵(かたき)を討たなければ…」
ジョーンズ 「そう思うのなら。…尚更メンテナンスが大事だよな。」

ナユタ、落ち着き座る。

ジョーンズ 「しかし今回はかなり無茶をしたな。いつもより傷が多かったぞ。も少し体を労わってくれよ。」
ナユタ 「博士の方は?」
ジョーンズ 「俺?ああ、変な違和感ってやつ?一応検査したけど原因不明。」
ナユタ 「も少し体を労わって下さい。」
ジョーンズ 「え?…はい。」

突然キーンという音がして、ナユタの頭に痛みが走る。

ナユタ 「うっ!」
ジョーンズ 「どうした?」
ナユタ 「頭痛が…ううっ!」
ジョーンズ 「頭痛?ちょっと待ってろ!」

照明が揺れだす。

ジョーンズ 「なんだ?」

落雷の様な音と共に暗転。2人悲鳴。照明が戻るとナユタの姿がない。

ジョーンズ 「いててて…なんだ今のは…。大丈夫かナユタ。あれ?ナユタ?どこだ?…ナユタ?」

再び落雷の音と共に暗転。照明が戻るとナユタが刀を抜いて立っている。

ジョーンズ 「な、ナユタ?!」
ナユタ 「博士!どこに行ってたんですか?!」
ジョーンズ 「どこにって、それは君の方だろ。」
ナユタ 「今の奴らは?!」
ジョーンズ 「奴らって?」
ナユタ 「あれはきっと新手の魔族です!」
ジョーンズ 「落ち着け!とにかくメンテナンスを…」

再びキーンという音がして、ナユタの頭に痛みが走る。

ナユタ 「うっ!」
ジョーンズ 「またか?!」

落雷の様な音と共に暗転。2人の悲鳴。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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