△ 「スパイシー・エージェンツ」シーン29


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照明 オスプレイ。左右の階段に瀬名とミー。真ん中に服部が立っている。

ミー 「まさかこれが飛ぶとは思わなかった。」写真
服部 「スクラップにしか見えなかったからな。」
瀬名 「とにかく。支部施設まで逃げ込めればこっちのものです。」
服部 「施設の場所は多摩市の…」
瀬名 「関戸です。聖蹟桜ヶ丘駅前のビルの地下です。」
ミー 「昔ヴィータホールって所でよくお芝居観た。」
瀬名 「まさにその真下です。」
服部 「このオスプレイを着陸させる場所はあるのか?」
瀬名 「ヘリポート付きのマンションが隣接しています。施設内に奴らを誘い込めればミートちゃんの能力で退治できます。ゴキブリホイホイみたいに。」
ミー 「責任重大ですね…」
服部 「絶対零度。瞬間冷凍できる能力か…」
ミー 「でも本当に私にできるんでしょうか?そんなエルサみたいな事?まだちゃんと使った事ないし…」
瀬名 「確かに力は弱い。でも施設にはそのパワーを増幅する装置がある。僕の自信作です。」
服部 「奴を凍らせて魂を抜く。」
瀬名 「そのために服部さんに鬼塚の能力をコピーしてもらうんです。」
ミー 「瀬名先生は本当にすごいです。こんな飛行機まで操縦できるし。」
瀬名 「いや、できませんよ。」
ミー・服部 「え?」
瀬名 「これ、しろさんがプログラミングした自動操縦です。」
ミー 「そうなんですか…」

瀬名、ショットガンを用意する

服部 「気になってたんだが、その白衣邪魔じゃないのか?」
瀬名 「白衣は我々の戦闘服です。」
服部 「お、カッコいい。」

ゴ〜ンという音で機体が揺れる。左右の翼(上下台の上)に愛(下台)と鬼塚(上台)。

瀬名 「来ました。」
ミー 「お父さん、いい?」
服部 「ああ!いいぞ!」
鬼塚 「おお!風つよっ!」
「やっぱりガッチリ結界で固められてるね。」
鬼塚 「一度地上に瞬間移動させる?」
「待って!」

上台に服部、下台にミーが現れる。ミー、銃を構える。

鬼塚 「わ、びっくりした!」
服部 「うあ、やっぱ怖いここ!」
鬼塚 「あ、服部先生!お久しぶりです!」
服部 「おお、矢的!久しぶりだな!」
「気を付けて!」

鬼塚、握手をしようとした服部から離れる。

鬼塚 「危なっ!」写真
「いいの?この子の体を傷つけても?」
ミー 「どうせ治癒能力で治すんでしょ?」

この隙に瀬名が上側の窓から身を乗り出し、ショットガンを撃つ。鬼塚の腕に当たる。

鬼塚 「いてっ!」

鬼塚、避けて下側の翼へ。入れ替わりにミーも上側の翼へ。服部滑って落ちそうになる。

服部 「おわっ!」
ミー 「お父さん!」

ミーと瀬名が服部を助けようとする。

「大丈夫?」
鬼塚 「かすっただけ見たい。傷もないし。」
「こいつら厄介ね。まとめて瞬間移動させちゃって。」
鬼塚 「どこがいい?」
「可能な限り遠くへ。」
鬼塚 「は〜い。」

鬼塚、手かざし。

ミー 「あ!」
ミー・服部・瀬名 「うわあああ!」

風の音がしてミー、服部、瀬名が消える。

鬼塚 「あれ?」
「なに?」
鬼塚 「ちょっと手が痺れた。でも大丈夫!」

鬼塚、下に降りて確認。

鬼塚 「あ〜まただ…。」
「はずれ?」
鬼塚 「荷台空っぽ。」
「じゃ、あっちね。」
鬼塚 「この飛行機どうする?」
「多摩川にでも落としちゃいな。」
鬼塚 「はーい」

二人、下手台からハケる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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