△ 「スパイシー・エージェンツ」シーン28


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屋敷前明かり。上手台から鬼塚と愛。鬼塚マックシェイクのカップを持っている。

鬼塚 「やっぱり頑丈だね結界って。妖怪ってすごいな〜。」写真

下手からしろが出て来る。頭に白狐のお面を乗せている。

しろ 「お客様。ノックはもっと上品にお願い致します。」
鬼塚 「出た!妖怪だ!」
しろ 「中にお通ししましょうか?」
「見え透いた罠のお誘いありがとう。」
しろ 「では外で出待ちを?」
鬼塚 「出待ちはつまんないな。」
しろ 「なんなら私が外でお相手しましょうか?」
鬼塚 「君を倒せば結界消える?」
しろ 「半分だけは。」
「充分ね。」
鬼塚 「じゃ、それで。」
しろ 「わかりました。」

しろ、狐のお面を顔にかぶり、数歩前に出る。鬼塚、すかさず手かざし。

鬼塚 「とお!」

ド〜ン!という音。しろ、まったくダメージがない。

鬼塚 「あれ?全然効かないの?」
しろ 「いえいえ、ちゃんと当てれば結構効きますよ。ちゃんと当てればですが。コ〜ン!」
「もしかして実体じゃない?」
しろ 「ご名答。」

上手台から白狐のお面をかぶった人影がのぞく。

狐1 「コ〜ン!」
鬼塚 「そこか!」

狐1が引っ込むと、下手台から狐2がのぞく。

狐2 「コ〜ン!」
鬼塚 「お?」

狐2が引っ込むと、上手台の下から狐3が。すぐに下手台の下から狐4が。

狐3 「コ〜ン!」
狐4 「コ〜ン!」

次々に狐が「コ〜ン!」と出ては引っ込む。鬼塚楽しそうに

鬼塚 「うわぁ〜!もぐらたたきみたいだぁ〜!」

最後にあらゆるところから狐のお面が出る。

全狐 「コ〜ン!!」

愛、鬼塚大喜び。

「すごいすご〜い!92て〜ん!」
鬼塚 「ひゅ〜ひゅ〜!」
しろ 「さて、どれが本物でしょう?」
鬼塚 「ははは!全然わからないや!」

トラックのエンジンの音。

鬼塚 「あ!車出て来たよ!」
「ははは、車で逃げる気?」
しろ 「自衛隊の高機動車をチューンナップしたものです。」
鬼塚 「かっこいい!」
「追いましょう。」

プロペラの音がする。

鬼塚 「お?今度は何だ?」
「あ、変な飛行機。」
しろ 「オスプレイです。」
鬼塚 「あれ飛ぶんだ!」写真
しろ 「あれもチューンナップしてあります。」
「二手に分かれたって事ね?」
しろ 「どちらを追います?」
「どちらも。」
しろ 「でしょうね。お気をつけて。」
鬼塚 「あれ?阻止しないの?」
しろ 「したくてもできません。」
鬼塚 「なんで?」
しろ 「だって私は、ここにいませんから。」
全狐 「コ〜ン!」

しろ、全狐と共にハケる。一つだけ狐の面が落ちている。鬼塚それを拾う。

鬼塚 「あ!これ!式神だよ式神!すっげ〜!!」
「ははは、楽しませてくれるわ〜。95て〜ん。」
鬼塚 「どっち先に追う?」
「速い方。」
鬼塚 「オッケ〜」

2人、下手にハケる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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