△ 「スパイシー・エージェンツ」シーン22


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明転。全体明かり、中央からミーが出て来る。

ミー 「(通信しながら)ミートです!今そっちに向かって…ると思います!多分!」写真

下手から鬼塚と愛が入って来る。

ミー 「誰?」
鬼塚 「ありゃー、またはずれだ。」
「ほんとに逃げ足早いわ。」
ミー 「え?…うそ、愛ちゃん?どうしてこんな所に?」
「この子は?」
鬼塚 「え?麻美ちゃん?」
ミー 「え?」
鬼塚 「やっぱり!服部麻美ちゃんだ!僕だよ僕!鬼塚矢的!」
ミー 「え?…矢的?」
鬼塚 「びっくりだよこんなところで!同級生3人揃うなんて!」
ミー 「え?どういう事これ?全然わかんない…」
「そうか、この子がサソリの娘!」
鬼塚 「そうそう!」
ミー 「愛ちゃん?…違う…あなた…」

上手から上底が出て来る。

上底 「待て、彼女は操られてる。」
ミー 「先生!」
「操られてる?あ〜、ある意味そうかも。」
上底 「(通信)カーコ、ミーは見つけた。先に行っててくれ。」
鬼塚 「上底先生?!うわ懐かし〜!」
上底 「おお久しぶり〜!誰だっけ?」
鬼塚 「5年生の時お世話になった鬼塚大和です!」
上底 「え?あの秀才の?」
鬼塚 「はい。」
上底 「病弱の?」
鬼塚 「はい」
上底 「ニンジン嫌いの?」
鬼塚 「嬉しいな〜!そこまで覚えてるなんて!」
上底 「いや、大きくなったな〜!」
鬼塚 「いや、あんまり。」
上底 「そうだね、あんまり伸びなかったね。」
「この娘がいれば、あの女も父親も釣れそうじゃない。」
鬼塚 「あ〜でも、この先生がちょっと強過ぎかも。」
「あ、ほんとだ。こりゃめんどくさい。」
上底 「そう、俺相当めんどくさいよ〜。」
鬼塚 「あ、あっちだ!今度こそ間違いない!」
「ん〜、もったいないけど、やっぱりあっちが優先ね。」
鬼塚 「行こう!」

愛、鬼塚、中央にハケる。

ミー 「待って!」写真

下手から、スマート、サンダー、ムーン、ローズが唸りながらフラフラと出て来る。全員意識朦朧。

ミー 「スマート教官!」
上底 「だけじゃない。」
ミー 「ローズ主任まで!」
上底 「おいおい、みんなどうにかされちまってるぞ。」
ミー 「愛ちゃんたちに?」

みんな夢遊病の様に中央に集まる。

上底 「みんなしっかりしてくれ!」
ミー 「どうしよう。」
上底 「ミー、ここのみんなをエレベーターまで瞬間移動させてくれ!」
ミー 「え?でも知らない場所には無理です!」
上底 「大丈夫!俺の力でナビするから!」
ミー 「わかりました、やってみます!」

ミー、両手を上げ、上底、ミーに手かざし。

ミー・上底 「はあああっ!」

ブオッという風の音で暗転。上手台明かり。女が辺りを気にしながら出て来る。
下手台明かりもつく。鬼塚と愛が出て来る。

鬼塚 「今度こそビンゴ〜!」
「往生際悪過ぎ。」

女、自分の頭に銃を構える。

「動かないで!撃つわよ。」
「ははは、自分を人質って、面白い光景ね。」写真
鬼塚 「無駄無駄。引き金を引く瞬間に、僕がその銃を瞬間移動させちゃうから。」
「それにこの子は治癒能力者。万が一弾があたってもすぐに治せる。」
「この近距離で脳みそふっ飛ばしたら、治せるかしら?」
鬼塚 「どっちが早いかやってみる?」
「やってみましょう。」

3人、緊張の間。女が少し動いた瞬間、風の音がして上手台明かりが消える。同時に鬼塚

鬼塚 「そりゃ!」

手に女の銃を持っている。

鬼塚 「見ろ!僕の方が早かった!」
「あ〜やられた…」
鬼塚 「え?」

再び上手明かりがつくと誰もいない。

「撃つ方に集中させといてテレポーテーションした。」
鬼塚 「え〜、テレポーテーションもできたんだ。」
「切り札の使い方が憎いね〜。中々100点取らせてくれないよ。」
鬼塚 「うん、さすがだ。」
「追える?」
鬼塚 「追えるけど、お腹減った。」
「そうね。」
鬼塚 「マック寄ってかない?」
「そっしよっか?」

二人ハケる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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