△ 「スパイシー・エージェンツ」シーン7


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ミー 「まずは「ババ抜き」という訓練。(トランプのジョーカーを出し)渡されたこのジョーカーのカードを時間内に指示された相手に手渡すという単純なルール。」

早乙女がミーの横に立ち止まり

早乙女 「でも途中で教官につかまればゲームオーバー。しかも最初の一週間は超能力使用禁止…」
ミー・早乙女 「きっつい…。」

ミーと早乙女、上手にハケる。下手の台の上が明るくなり、松木が走り出て来て下に降り
物陰に隠れる。人影が通り過ぎるのを待ち

松木 「よっしゃ楽勝!目的地まで後50メートル!」写真

立ち上がった瞬間に後ろからスマートが銃を構える。。

スマート 「バーン!」

松木驚いて振り向く。

スマート 「はい死んだ。」

手を出してカードを催促。

松木 「マイガーッ…」

松木、カードをスマートに渡す。二人上手にハケる。照明変わり、中央から納谷が出て来る。
周りを確かめ下手に向かうが、正面からサンダーが杖を突きながらヨチヨチ出て来る。
気づいた納谷は踵を返すが、突然サンダーがダッシュで追ってくる。

納谷 「うわ!速い速い速い!!」

二人ともダッシュで上手にハケる。下手サス。下手からミーが出て来る。

ミー 「研修三日目。みんな少しづつ上達が見えては来たけど…」

ミー、下手にハケる。中央明かり。早乙女、中央から出て来て立ち止まる。

早乙女 「「中華飯店イェーイェー」この店ね。」

ガラガラと戸を開ける。全体明かり(店内)。上手奥からアジア系訛りの店員の声。

店員 「いらっしゃませ〜!おしゅきな席とぞお!」

早乙女、椅子に座る。メニューを見て

早乙女 「あ、お願いします。」

下手から店員姿の上底が出て来る。

上底 「はい、ごちゅもんとぞー。」
早乙女 「えー、みそバターラーメン餃子セットとわかめスープ。」
上底 「はい、いじょてすか?」
早乙女 「以上です。」
上底 「(下手に)チャーハン一つて〜す!」
早乙女 「ちょっと待って。」
上底 「はいー。ちゅいか?ちゅいか?」
早乙女 「いや追加じゃなくて、今の全然違うから。」
上底 「え?」
早乙女 「チャーハンなんて一言も言ってないから。」
上底 「ちがたか?ごめなさい。」
早乙女 「(少しゆっくりめに)みそバターラーメン餃子セットとわかめスープ。」
上底 「あ〜はい、いじょてすか?」
早乙女 「以上です。」
上底 「(下手に)半チャーハン二つて〜す!」
早乙女 「ちょっと待てって!」
上底 「はいー。ちゅいか?ちゅいか?」
早乙女 「追加じゃない。注文全然違うだろ?」
上底 「またちがたか?ごめなさい。」写真
早乙女 「しかもなんだよ半チャーハン二つって?それなら最初からチャーハン一つ頼むだろ?」
上底 「(下手に)チャーハン一つて〜す!」
早乙女 「違う違う違う!」
上底 「またちがたか?」
早乙女 「もお!(メニューを指さし)これだよこれ!」
上底 「あ〜これね?」
早乙女 「そうこれ!わかった?」
上底 「わかたわかた。」
早乙女 「頼むよ。」
上底 「(下手に)ウォッカマティーニ、ステアせずシェイクで〜!」
早乙女 「なんじゃそりゃあ!!」

照明、少し明るくなる。上底、動きが止まり沈黙。

上底 「惜しい…ゲームオーバー。アジトの地図ゲットならず。」
早乙女 「え?うそ?」
上底 「最後の言葉、「なんじゃそりゃあ」じゃなくて「だめだこりゃあ」が正解。」
早乙女 「なにそれ超ショック〜!っつかこの合言葉超長くない?っつかこれもうコントじゃない? も、こんなの覚えるの無理過ぎ〜!」
上底 「いや、2人通過したよ。」
早乙女 「え?誰?」
上底 「女子2人。」
早乙女 「マジ?」
上底 「マジあるね〜。」

照明上手奥。上底、早乙女中央へハケる。上手台から金沢が辺りを気にして出て来る。
下へ降りるとドアの前。同時にローズが下手から出てきて椅子に座り、下手明かりも。

金沢 「(地図を見て)うん、多分ここ。よし…」

慎重にドアを少し開け、隙間からのぞき、ローズの姿を発見。

金沢 「いた!」

ドアを開け中に入る。ローズが振り向く。

ローズ 「予想外ね。あなたが一番先にたどり着くなんて。」
金沢 「わ、私が一番なんですか?」
ローズ 「ええ。」写真
金沢 「あ、カード、カード。(ポケットからカードを出しローズに差し出す。)どうぞ。」
ローズ 「(金沢に銃を向ける)はいゲームオーバー。」
金沢 「え?…どうして…」
ローズ 「カード、良く見なさい。」
金沢 「(カードを見ると)なにこれ?ハートのエースになってる?」

ローズ手にはジョーカー。

ローズ 「あなたのジョーカーはここ。」
金沢 「え?いつの間に?」
ローズ 「バーン。」

金沢、肩を落として上手にハケる。ローズは下手にハケる。中央明かり。中央から息を切らした
納谷が出てきて上手にハケようとするが、悲鳴をあげて下手へダッシュ。

納谷 「うわあああああ!!!」

上手からサンダーが杖を振り回しながらダッシュで追う。

サンダー 「きええええええ!!!」

サンダーがハケ、照明上手奥。上手台からミーが辺りを気にして出て来る。
下へ降りるとドアの前。同時にローズが下手から出てきて椅子に座り、下手明かりも灯る。

ミー 「(地図を見て)うん、多分ここ。よし…」

慎重にドアを少し開け、隙間からのぞき、ローズの姿を発見。

ミー 「いた!」

ドアを開け、そーっとローズに近づく。ローズの後ろで止まり、カードを取り出し確認。うなずき
カードを差し出す。

ミー 「ローズ教官。」

ローズ受け取るが、その瞬間全体照明。下手奥から声。

ローズ 「ゲームオーバー。」
ミー 「え?」

立ち上がったローズが帽子とサングラスをとると、瀬名周二の変装だった。

瀬名 「ミートちゃん残念。」
ミー 「瀬名先生?!」

下手から銃を構えた本物のローズが出て来る。

ローズ 「詰めが甘い。」
ミー 「く〜や〜し〜っ!」
ローズ 「バーン」

上手奥明かりになり、ローズ、瀬名がハケる。上手台から納谷が飛び出て来るがコケる。

納谷 「うわあっ!」写真

サンダーも出てきて納谷に杖を振りかざす。

サンダー 「きええええ!!」
納谷 「ひええええ!!」

そこでサンダーの動きが止まる。

納谷 「…え?…」
サンダー 「タイムオーバー。」

サンダー踵を返して去る。

納谷 「あああ〜!」

納谷、気が抜けて大の字に倒れる。下手サスにミー。

ミー 「研修七日目!」

下手の台の上が明るくなり、ミーがハケると松木が走り出て来て下に降り物陰に隠れる。
人影が通り過ぎるのを待ち

松木 「よっしゃ楽勝!目的地まで後10メートル!」

立ち上がった瞬間に後ろからスマートが銃を構える。

スマート 「あーあー。これじゃデジャヴだ。もう少し成長…」

スマートの後ろに銃を構えた早乙女が

早乙女 「動かないで。」

早乙女の後ろに銃を構えた上底が

上底 「君も動くな。」

上底の後ろに銃を構えた納谷が

納谷 「あんたもだ。」

納谷の後ろに杖を構えたサンダーが

サンダー 「お前もじゃ。」

サンダーの後ろに金沢が

金沢 「おじいさんも。」

納谷の後ろにショットガンを構えた瀬名が。

瀬名 「残念でした。みんな中々上達したけど。」

ローズが出てきて。

ローズ 「相変わらず詰めが甘い。」

ローズの横にミーが出て来る。

ミー 「それはどうでしょう?」

松木、金沢、早乙女、納谷が同時に後ろの相手に銃を向ける。ミー、5枚のジョーカーを差し出し

ミー 「5人分です。」

ローズ、受け取る。

ローズ 「…全員クリアー。」写真

新人たちはそれぞれホッとしたりハイタッチをして喜んだり

ローズ 「明日から超能力が解禁になるが、格闘訓練も始まり危険度も増す。覚悟して取り組め。」
スマート 「解散!」
全員 「ありがとうございました!」

みんな上手にハケ始めるが、ローズは残り、新人たちが去った上手を睨む。それに気づくスマート。
ローズ、下手にハケようと振り向きスマートと目が合い一瞬止まる。すぐにスマートの前を通って下手にハケる。スマート、軽く首を振り中央にハケる。暗転。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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