△ 「コスモ・ノアへようこそ!」シーン31


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ロッキーとオレンジが出て来る。

オレンジ 「おかしいな。いつもならここに医者がいるのに。」
ロッキー 「あ〜ママもう手遅れだったらどうしよう!」
オレンジ 「待て!誰か来た!隠れろ?」
ロッキー 「え?」写真

オレンジ、ロッキー隠れる。瀬名とベレー帽の少女が出て来る。

瀬名 「何があったのかしら?檻がめちゃくちゃ。」
ロッキー 「瀬名先生だ!」

オレンジ、飛び出そうとしたロッキーを引き戻す。

オレンジ 「待て!また誰か来る。」
ロッキー 「え?」

コーネリーが、やってくる。

コーネリー 「お!あれは瀬名先生!よし!対戦を挑んでみるか。ヨウホウ!瀬名先生〜!」
瀬名 「コーネリー!あんたも脱走してたの?!」
コーネリー 「脱走じゃなくて見聞しに来たのさ!あれ、君〜…」
少女 「さっきはどうも。」
コーネリー 「やっぱり、君、俺たちと話せるのか。」
少女 「ええ?」
瀬名 「この子の言葉も?」
少女 「わかります。」
コーネリー 「ちょうどいい、通訳頼むよ。瀬名先生とあっち向いてホイがしたいって。」
少女 「あっち向いてホイがしたいって。」
瀬名 「は?あんたそんなのできるの?」
コーネリー 「ああ!天才になったからな。」
少女 「できるって。」
コーネリー 「そのうちもっと賢くなって、地球を猿の惑星にしてやる!」
少女 「地球を猿の惑星にするって。」
瀬名 「なんですって?!」
コーネリー 「ジョークよジョーク。」
少女 「ジョークですって。」
瀬名 「ジョークまで言えるの?」
オレンジ 「悪い奴じゃなさそうだ。」
ロッキー 「じゃあ行こう。」
オレンジ 「まて!また誰か来た。」

クラ―ケンとハウザーが出て来る。

クラ―ケン 「そろそろ起動するんじゃないか?」
ハウザー 「そうですね、一度スイッチを切りましょう。」

ハウザー、手かざししようとするが、瀬名たちに気付き、クラ―ケンと陰に隠れる。

クラ―ケン 「なんだ?」
ハウザー 「あれは…間違いない、長官の娘です。」
クラ―ケン 「なに?こんな所にいたか。」
ハウザー 「どうします?」
クラ―ケン 「連れて行こう。」

ハウザー、頷きクラ―ケンと出て行く。

コーネリー 「じゃいくぞ!じゃんけん…」
クラ―ケン 「シェーラさん!」
コーネリー 「おいなんだよ!」
瀬名 「あ。」
クラ―ケン 「国務長官の娘さんのシェーラさんですよね?」
瀬名 「こ、国務長官の娘?!」
クラーケン 「国務次官のクラーケンです。探しましたよ。さ、我々と行きましょう!ここは今危険です!」
シェーラ 「嫌です。」
クラ―ケン 「時間がありません。コロニーがテロに襲われるかもしれないんです。」
瀬名 「テロ?」
シェーラ 「嘘です。」
コーネリー 「俺もそう思う。こいつらウソつきの匂いプンプンするぜ。」
シェーラ 「あなた方が何をしようとしているのか、私全部知ってます。」
クラーケン 「ほう。」写真
ハウザー 「お父様に頼まれてるんです。嫌でも来てもらいます。」

ハウザー、少女の腕をつかむ。

シェーラ 「離してよ!」
瀬名 「ちょっと止めなさいよ!」

ハウザー、瀬名を銃で叩く。瀬名、膝間付く。

瀬名 「うっ!」
シェーラ 「瀬名先生!」
コーネリー 「なにするんだ!僕の対戦相手に!」

ハウザー、コーネリーに銃を向ける。コーネリー両手を上げる。

コーネリー 「おっと、飛び道具は反則だぜ。」
オレンジ 「あいつらは悪いやつらっぽいな。」
ロッキー 「よくも…よくも瀬名先生を…」
オレンジ 「ロッキー?」
ロッキー 「僕はもう逃げない。敵がいるなら立ち向かう。ママを助けるために!うわああああ!」

ロッキー飛び出てファイティングポーズ。

オレンジ 「バカよせ!」
クラーケン 「お?なんだ?」

ハウザー、ロッキーの方に銃を向ける。

ハウザー 「なんだ、カンガルーか。」
コーネリー 「すき有り!」写真

コーネリー、ハウザーに襲いかかり銃を奪う。

コーネリー 「悪いがおっさん。俺、銃の使い方もしってるんだ〜。」
ハウザー 「おい、止めろ、いい子だから返せ。」
コーネリー 「試してみる?あっち向いてドキューン。」

クラーケンも銃を向けるが、ロッキーに襲われる。

ロッキー 「コノヤロー!コノコノコノコノ!!」
クラーケン 「いてっ!いていて!やめろ!うっ!」
ハウザー 「国務次官!先に行って下さい!」
クラーケン 「ああ、頼んだぞ。」

クラーケン、ハケる。ハウザー、ナイフを出す。

ハウザー 「このクソ動物野郎。かかって来やがれ。」
コーネリー 「またまたそんなもん出しちゃって。無駄無駄。お嬢さんこれ持ってて。」
シェーラ 「え?」

コーネリー、シェーラに銃を渡す。

コーネリー 「邪魔だから。さあ、やっちまいますよ!」

コーネリー、ハウザーに襲いかかる。同時にロッキーも襲いかかる。ハウザー、二匹相手に戦うがロッキーの猛烈なジャブを受けナイフを落とす。コーネリーはナイフを拾い、またシェーラに渡す。

コーネリー 「これも宜しく。」

ロッキーがノックダウン。

オレンジ 「ロッキー!」

コーネリーもピンチ。

オレンジ 「立て!立つんだロッキー!」写真

ロッキー、フラフラと立ち上がるとスローモーションになり、最後はロッキーのアッパーカットでハウザーをノックダウンする。喜び讃え合うコーネリーとロッキー。

瀬名 「あんたたち、やるじゃない!」

コーネリーとロッキーにオレンジが加わり一緒に喜ぶ。

瀬名 「あれ?ペンギンもいたの?」
オレンジ 「感動した!感動したぜロッキー!」
コーネリー 「誰君?」
オレンジ 「俺は自分が恥ずかしくなったよ。俺ももう逃げない!」
ロッキー 「オレンジ。」
コーネリー 「ああ!お散歩に来るペンギンか!」
オレンジ 「戻って正々堂々、殴られて来る!じゃあな!」
ロッキー 「オレンジ!」

オレンジ、去る

瀬名 「あ〜行っちゃった。」

ロッキー、瀬名に近づいて行く。

ロッキー 「瀬名先生!」
シェーラ 「この子が話しがあるそうです。」
瀬名 「え?」
ロッキー 「ママが!お腹を痛そうにしてるんです!」
シェーラ 「この子のママの具合が悪いって。」
ロッキー 「助けて下さい!」
瀬名 「え?この子のママって、ジャスミンよね?」
ロッキー 「そうです!」
シェーラ 「そうです。」
瀬名 「ジャスミンならさっき見たけど元気だったわよ。」
ロッキー 「え?…ホント?」
シェーラ 「ホントよ。」
ロッキー 「あぁ…良かった〜。」

ロッキー、ホッとして倒れる。

コーネリー 「おいおい大丈夫か?」
ロッキー 「早く…ママの所に帰らなきゃ…」
シェーラ 「ママの所に帰りたいって。」
コーネリー 「俺が送ってやるよ。」
シェーラ 「コーネリーが送って行くって。」
瀬名 「そうしてくれる?」
コーネリー 「そのかわり、後であっち向いてホイの対戦してくれよ。」
シェーラ 「後であっち向いてホイの対戦してくれって。」
瀬名 「わかった。」
コーネリー 「よし!行くぞロッキー。」
ロッキー 「ありがとう。」

コーネリー、ロッキーに肩をかして去る。

瀬名 「あなた凄いわね。」写真
シェーラ 「いいえ、凄いのは動物達です。」
瀬名 「どっちも凄いわ。」

二人、微笑む。瀬名が何かに気づく。

瀬名 「あれ?何だろう?」
シェーラ 「え?」
瀬名 「コントロールタワーのランプが赤になってる。」
シェーラ 「あ、あれ見て下さい。大きな足跡が。」
瀬名 「象の足跡だ。コントロールセンターの方角に続いてる。ちょっと見て来るね。」
シェーラ 「私も行きます。」
瀬名 「え?…わかった、気を付けて着いて来て。」

照明が変わる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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