△ 「コスモ・ノアへようこそ!」シーン23


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タナカ出て来る。

タナカ 「いや〜やっぱり外は気持ちいいね〜。自由ってのはこんなにいいもんかね〜。」写真

スズキが出て来る。

スズキ 「あ、いた!タナカ課長!」
タナカ 「やば!」
スズキ 「やっと見つけましたよぉ。」
タナカ 「おお、スズキくん。元気ハツラツかい?」
スズキ 「元気でもハツラツでもありませんよ。さ、帰りましょう。」
タナカ 「硬い事言うなよスズキく〜ん。こんな機会滅多にないんだからさぁ。」
スズキ 「危険な動物が脱走中って聞きましたし…」
タナカ 「なあに、危険な動物が来たら私がちょちょいとやっつけてやるよ。」
スズキ 「それじゃここでお話しさせて頂きます。課長。」
タナカ 「なんだい話って?」
スズキ 「サトウさんと仲良くして下さい。」
タナカ 「は?仲良いじゃないか。」
スズキ 「いえ、少なくともサトウさんは課長を嫌っています。もう一緒に組むのは嫌だって言ってます。」
タナカ 「嫌だ嫌だも好きのうちって…」
スズキ 「あれはガチなヤツです。」
タナカ 「え?そなの?」
スズキ 「まずは、直接サトウさんとお話しして頂けませんか?」
タナカ 「え?嫌だよ、サトウさん、なんか妙な負のオーラみたいの出してて怖いんだもん。スズキ君頼むよ〜。」
スズキ 「このままじゃショーができなくなってしまうんです!お願いします!」
タナカ 「参ったな〜…じゃこうしよう。もうちょっとこの辺ぐるっとまわってから戻るってのはどうだ?」
スズキ 「え?…わかりました。ちょこっとですよ。」
タナカ 「ちょこっとちょこっと。」

タナカ、スズキ、ハケる。そこへ、ライアンとフォックスが出て来る。

フォックス 「まるで迷路ですね。」
ライアン 「まったくだ。」

タナカ、スズキ戻って来る。

タナカ 「そっち行き止まりじゃない、スズキく〜ん。」
スズキ 「いや、面目ない。」

ライアン達とスズキ達が対面し

全員 「うおあっ!!」写真

暫し睨み合う2人と2頭。

フォックス 「…これ、あざらしでしたっけ?」
ライアン 「いや、アシカだ。さっき放送で言ってた奴だ。」
スズキ 「銃を持ってるって事は…ハンターですかね?」
タナカ 「まさか…これが…おやじ狩りってやつか?」
フォックス 「そんなに凶暴じゃないですよね?」
ライアン 「ああ、だが興奮させない方がいいな。」

タナカ、いきなりスズキを盾にする。

タナカ 「おやじはこいつです!」
スズキ 「えっ?!」
タナカ 「こう見えてこいつの方がずっと歳上なんです!」
スズキ 「いや、どう見ても僕が下でしょ!」
フォックス 「興奮し始めましたよ!」
ライアン 「待て!銃を下げろ。(アシカに)落ち着け。我々は敵じゃない。」
スズキ 「え?そうなの?」
タナカ 「油断するな、罠かもしれん。」

そこへトランプが歌を唄いながら現れる

トランプ 「♪今日も〜涙の日が落ちる、日が〜あ、おおちいるぅ〜、かぁ?♪」

みんな、トランプを発見。

フォックス 「うわあああ!」
トランプ 「うわあ!なんだ?なんだ?」
ライアン 「ライオン?!まずいな…」
トランプ 「何?ちょっと待って!銃はやめてよ銃は!」
スズキ 「…ライオンだ…」
タナカ 「ホントにホントにホントにホントにライオンだスズキ君!」
スズキ 「ヤバイ、これは流石にヤバい。」
タナカ 「近すぎちゃってどうしようスズキ君!」
スズキ 「ちょと黙ってて下さい!」

ライオン、人間、アシカの三つ巴状態。タナカ、またスズキを盾にする。

タナカ 「ライオン様!!こいつの肉の方が絶対うまいです!」
スズキ 「課長?!」
タナカ 「なんせ若くて脂がのってますから!私は見ての通りじじいですから!」
スズキ 「さっきと逆の事言ってますよ!」
フォックス 「隊長、どうします?」
ライアン 「(くしゃみ)ヘアックシ!!」
フォックス 「…大丈夫ですか?」
ライアン 「くそう…実はその…ヘアックシ!!猫、アレルギーでなヘアックシ!!」
フォックス 「え〜っ?!火星のライオンが、猫アレルギー?!」
ライアン 「ライオンなら平気かと思ったが、甘かったなヘアックシ!!ヘアックシ!!」
タナカ 「助けてくれスズキ君!何でも言う事聞くからさ!」
スズキ 「課長、ホントですね?!」
タナカ 「ああ!私は嘘をついた事がない!」
スズキ 「ホントですか?」
タナカ 「すまん、今のは嘘だ。だかこれはマジだ!」
スズキ 「わかりました!約束ですよ!」写真

スズキ、自ら前へ飛び出す。

タナカ 「ちょっと、何するんだスズキ君!」
スズキ 「課長、アシカを英語で何て言うかご存知ですか?」
タナカ 「えっと…」
スズキ 「シーライオン!海のライオンです!」
タナカ 「そうそう、シーライオンね。知ってた知ってた。」
スズキ 「僕は今、僕の中の「眠れる獅子」をたたき起こします!」
タナカ 「え?それはちょっとどうかな?」
スズキ 「やいライオン!タナカ課長はアシカショーに欠かせない大事なスターなんだ!喰うなら僕を喰え!」
タナカ 「スズキ君…」
トランプ 「なんだろうこの凄い殺気。あのね、皆さん、誤解ですよ誤解。俺はなんもしませんよ。平和を愛するライオンなんですから。でもそのせいで娘達にはバカにされてるし…」
ライアン 「ヘアックシ!!」
トランプ 「妻からは「でっかい飼い猫」とか言われるし…」
ライアン 「ヘアックシ!!」
トランプ 「百獣の王の威厳なんか少しも…」
ライアン 「ヘアックシ!!」
トランプ 「おっさんうるせ〜!」
フォックス 「うわ、吠えた!」
ライアン 「すまん。少しずつ距離を離そう。」

そこに銃声。みんなしゃがみ込む。

全員 「うわあああ!」
ライアン 「銃声?」

後ろをノースロップが駆け抜ける。

フォックス 「ノースロップ!今のノースロップ少佐です!」
ライアン 「危ない!」

再び銃声、タナカを庇ってスズキが撃たれる。

スズキ 「うっ!!」
タナカ 「スズキ君!」
スズキ 「大丈夫…かすり傷です…」
兵隊(声) 「向こうだ!逃がすな!!」
フォックス 「なんてことしやがる!」
ライアン 「奴らは動物の事など障害物にしか思っていない。ヘアックシ!!」
フォックス 「脱走したっていう他の3頭のライオン、無事ですかね…」
トランプ 「え?」
ライアン 「我々もノースロップを追うぞ!ヘアックシ!!」
フォックス 「はい!」

ライアン、フォックス、ハケる。

トランプ 「他の3頭のライオンってまさか…やばい!ダイヤ!シャンプー!リンス!」

トランプ、ハケる。

タナカ 「すまなかった、スズキ君。私はひどい上司だ。」写真
スズキ 「いいえ、課長はスターです。僕らのあこがれなんです。」
タナカ 「いいや、わかってる。私はもう老いぼれだ。」
スズキ 「まだまだです!もっと色々教えてもらいたいです!」
タナカ 「スズキ君…」
スズキ 「さ!戻って練習しましょう!」

タナカ、起き上がるスズキに肩をかす。

タナカ 「そうだな!練習しよう!その前に、サトウ君とも話さんとな。」
スズキ 「はい!」

スズキ、タナカ、ハケる。照明がかわる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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