△ 「ガールズ・イン・ザ・クライシス」シーン25


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保健室、氷室はスマホをいじっている。

マイ 「とにかく、ペリルが力を出さないように、私らが頑張るしかないよ。」写真
ミー 「愛ちゃんはペリルと話せるの?」
「話せるわけじゃなく、わかるの。」
ミー 「わかるって?」
「別々の人格じゃなく、私の人格と一つになっている感じ。だから、今、私はペリルでもあるの。」
マイ 「うん、全然わからない。」
客間 「あれ?もう柊先生、点呼しろって言われたのに名簿忘れてるわ。」

客間名簿を持って中を見る。

客間 「ん?やっぱり違和感…え?この名簿?…」

ユウ、カーコ、コト、ユア、部屋に入ってくる。

カーコ 「みんないる?」
ミー 「どうしたの?」
ユウ 「やっぱり何か変。」
マイ 「何が?」
客間 「まさか…」

急にコトが首を抑えて苦しみ出す!

コト 「ううっ!!」
カーコ 「コト?」
客間 「みんな下がって!!!」

みんな、とっさにコトの周りから離れると、コトの隣で氷室が手かざしをしている。

氷室 「案外早く術が解けちゃったな。結界の中だとこんなもんなんだ。」
客間 「あなた誰?」
氷室 「1年A組の氷室芽愛で〜す。」
客間 「(名簿をかざし)そんな生徒この学校にはいないわ。」
マイ 「え?」
ユウ 「記憶の操作?」
カーコ 「違和感はこれだったか。」
客間 「あなたまさか…もう一体の魔族?」
氷室 「ピンポ〜ン!メアちゃんで〜す!」
カーコ 「まずい…」
氷室 「ペリルさん。お願いがあるんだけど〜。そこら中に穴、開けてくれないかな?」
「そっ、そんな事…」
氷室 「でなきゃ、お友だちの首、取れちゃうよ〜。」
コト 「ううううっ!」
カーコ 「コト!」
「やめて!!」写真
氷室 「な〜んてね。この子は使えるから生かしておくわ。みんなの心が読めるようになったし。」
ミー 「え?あなた、コトの力を?」
氷室 「その通り!私、術をかけた相手の能力を使えちゃうんだぁ。おっと!なるほど、全員で一斉に攻撃を仕掛けて来る気ね。案外みんな結束力高いじゃん。でも壊すのも簡単そう。」
マイ 「やれるもんならやってみろ!」
氷室 「正義感の強いマイちゃん。でも抜け駆けして委員長にラブレターを書いてる。」
全員 「え?」
マイ 「い、いや、書いたけどまだ渡してない!」
氷室 「あれ?いまいち壊れないな。あ、そうか、ユウちゃんもラブレター書いてるもんね。」
全員 「え?」
ユア 「おばちゃんもが?!ラブレターってキャラじゃねのに!」
ユウ 「キャラ関係ねべ!」
氷室 「ユアちゃんはわざと一人だけセーラー服でアピール。一番仲間意識薄いし。」
ユウ 「だからブレザー着てねがったのが、裏切りもん!」
ユア 「おばちゃんだって、おなずよなもんでねか!」
氷室 「おお、壊れた壊れた。でもまだ決定打があるよ。ミーちゃん!」
ミー 「え?」
氷室 「ミーちゃんはなんと、委員長からラブレターもらっちゃってます!」
全員 「え〜〜っっ?!!!」

みんな大打撃を受け、へたり込む

マイ 「あんた…」
ミー 「も、もらったけど、返事はまだ…」
氷室 「はい、結束力粉々になりました〜!友情って一番壊すの簡単なのよね〜。」
「みんな…」
氷室 「さ、愛ちゃん。早く穴を…」
客間 「やあっ!」

客間が玉砕刀を振りかざすが、一瞬早く氷室はコトを盾にする。

氷室 「だから心が読めるんだって。じゃ、やっちゃおうかな?」

氷室、客間に手をかざす。客間、苦しみだす。

客間 「うっ!…やめて!やめて!」
「先生?」
ミー 「何をしたの?」
氷室 「実はこれぞ私の十八番。悪夢の中に閉じ込めちゃいました〜!」
「悪夢?」
氷室 「でもなんかやっぱり、パワーがいまいちだなぁ。」
客間 「消さないで!消さないで!…」
氷室 「これ、録画した韓流ドラマのディスクを消されまくってる夢ね。」
マイ 「なんて残酷な事を!」

氷室、マイに手をかざす。マイ、苦しみ出す。

マイ 「うっ!…どうして?私のどこが悪いの?…」
氷室 「こちらはイケメンに振られまくっている夢ね。」

氷室、ユウとユアにも手をかざす。2人とも苦しみ出す。

ユウ 「うっ!…つがうって!いづもはふづーにしゃべれんだって!…」
氷室 「こっちは訛がとれなくなってる夢。」
ユア 「あれ?与一さん?おかしいな?武蔵さん?なすて…」
氷室 「こっちは能力が使えなくなった夢。」

氷室、ミーとカーコに手をかざすが、カーコが払いのける。

カーコ 「やあ!」
氷室 「すごーい。術を払いのけた。やっぱりカーコちゃんは強いね。」写真

校長と上底と角田と火鎚が飛び込んで来る。

校長 「愛!」
氷室 「あ〜あ、もう帰って来ちゃった。タウリンやられるの早過ぎ〜。」
火鎚 「何の事だ?」
上底 「かあっ、この子がもう一体だったとは…」
角田 「不覚だ。」

瀬名が飛び込んで来る。

瀬名 「も、何がどうなってるのかちゃんと説明しろ!!」
上底 「瀬名ちゃん危ない!」

氷室、瀬名に手をかざす。瀬名、苦しみ出す。

瀬名 「ううっ!…入らない!…のばしても入らない!ひっくり返しても入らない!時間がないのに!ああ!後ろに柄の悪い奴らが並んでる!くそお!なんで入らないんだあ!」
氷室 「券売機になかなか千円札が入らない夢ね。」
校長 「やめなさい。私の結界の中では自由に力を使えないだろ。」
氷室 「それでもあんたたちより強いと思うけど。」
校長 「それはどうでしょう?」
氷室 「手ごわいとすればデビルマンだけど。」
角田 「デビルマン?」
氷室 「私のリサーチだと、一番臭いのはあの柊先生ね。」
ミー 「柊先生がデビルマン?」
カーコ 「何の話?」
氷室 「今はまだ、体育館で手品して盛り上がってる最中だから今のうちね。さ、誰から殺そうかな?だ れ に し よ う か な サ タ ン さ ま の…」
「やめて…」
氷室 「お!来た!その怒り!タウリンの時みたいに、穴、お願いしますよ!」
ミー 「愛ちゃん駄目!」
校長 「忠告です。やめなさい。」
氷室 「忠告?はははは!おもしろ〜い。い う と お り!はい、ミーちゃん死にま〜す!」

校長、氷室に手を伸ばす。ドン!と言う波動を氷室が片手で受ける。

氷室 「校長先生。心は読めなくても、動きは鈍くて読めちゃうよ。パワーも人間だとここが限界。」写真
校長 「確かに。人間にはこれ以上は無理。人間にはね。」
氷室 「え?」

校長、もう一撃、氷室に波動をくらわす。氷室倒れる。

氷室 「うそ…何これ?」

コトが、氷室から離れ、悪夢に囚われていた5人も術が解け、へたり込む。

ささがに 「うわ!もの凄い魔族の匂いなのね!」
「え?」
氷室 「まさか、あんたが…」

隙を見てカーコが玉砕刀を拾い、氷室を切る。

カーコ 「やあ!」
氷室 「しまった!結界が破れた!」

角田、氷室に駆け寄り手かざし。氷室、気を失う。

氷室 「ううっ!…」
角田 「記憶は書き換えた。こいつももうこっちの駒だ。」

氷室、目が覚める。

氷室 「あれ?私、どうしたんだっけ?」

柊が入って来る。

「すみません!名簿置いてっちゃって…あれ?なんだろうこの空気?」
マイ 「何が…どうなったの?」
「父さん…さっきの力って…」
氷室 「あ〜!デビルマンさんですよね?会いたかったです〜!」
校長 「氷室さん。お願いがあるんですけど。」
氷室 「なんですか?!」
校長 「みなさんお疲れです。眠らせてあげて下さい。悪夢ではなく。」
氷室 「はい!」
「お父さ…!」

氷室がてをかざすと全員眠りに落ちる。

校長 「すまんな、愛、全部お父さんのせいだ、決着つけて来る。氷室さん、後、宜しく!」
氷室 「ラジャー!」

校長、ハケる。すると、そこにまほろばが現れる。

氷室 「あ、お巡りさん。ご苦労様です。」
まほろば 「皆さん良く眠っていますね。」
氷室 「はい!」写真
まほろば 「あなたも疲れたでしょう?」
氷室 「はい、なんだか凄く疲れてます。」
まほろば 「それじゃお休みなさい。」

まほろばが手かざしすると、氷室も眠りに落ちる。

まほろば 「愛さんには少々ご足労を。」

まほろばが手かざしすると、愛は夢遊病にかかった様に起き上がり、まほろばについて行く。
2人が去った後、柊が起き上がり、追うようについて行く。柊がハケて暗転。風の音。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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