△ 「ガールズ・イン・ザ・クライシス」シーン22


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明転すると、町中。警官姿のまほろばと、青年(野間明)が別々のそでから出て来てすれ違う。

まほろば 「あ、ちょっと君いいかな?」写真
野間 「え?僕ですか?」
まほろば 「学生さん?」
野間 「いえ、フリーターです。」
まほろば 「身分証あるかな?」
野間 「免許証なら。」
まほろば 「見せてもらえる?」

野間、免許証を見せる。

まほろば 「野間明さん。」
野間 「はい。」
まほろば 「また巧妙に作りましたねこれ。」
野間 「は?」
まほろば 「はい、お返しします。」
野間 「あ、ども。」
まほろば 「で、本当のお名前は?」
野間 「え?何の話です?」
まほろば 「だってあなたの本当の名前…アモンですよね?」
アモン 「お、正解。やりますねお巡りさん。あなたは…あの時の霊界のエージェントか。」
まほろば 「二番目の穴から?」
アモン 「ええ、私程のクラスになれば、誰にも気付かれずに穴を出るなんぞ容易いんで。」
まほろば 「こんな所で何を?」
アモン 「実は直接下界に来るの初めてでね。せっかくだから人間の作った物を色々見てまわってます。もうすぐ無くなっちゃうし。」
まほろば 「やはりペリルを消しに?」
アモン 「出来れば消したいんですがね。」
まほろば 「では…発動させに…」
アモン 「霊界も同じですよね?」
まほろば 「魔界とは思考が違います。」
アモン 「でもやろうとしている事は同じだ。」
まほろば 「…」
アモン 「わかりますよ。あんたみたいな平社員じゃ、さぞ荷が重いでしょね。」
まほろば 「神様から力をお借りしています。」写真
アモン 「お、いきなり部長昇進ですね。あ、巡査部長かな?」
まほろば 「ここであなたを消す事もできますが。」
アモン 「私もあなたを消すくらいわけはない。」
まほろば 「やりますか?」
アモン 「血の気の多いお巡りさんだなぁ。でも、今はお互いパワーを温存しといた方が懸命では?」
まほろば 「…そうですね。任務が第一です。」
アモン 「お互い辛いですね。中間管理職は。じゃ、また。」

アモン去る。

まほろば 「中間管理職ね。悔しいですけど、その通りです。」

まほろば去る。照明変わる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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