△ 「ガールズ・イン・ザ・クライシス」シーン21


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明転すると、保健室。校長と愛を中心に、女生徒たちは愕然としている。職員も全員いるが、言葉はない。

「私の中に、ペリルという魔族の魂が…」写真
校長 「そうだ。優しい心で生まれたしまったペリルを、お前の魂の中で囲まっているんだ。」
マイ 「悪魔が優しいなんて何でわかるの?もしかしたら嘘をついて…」
「嘘じゃないわ。」
マイ 「え?」
「やっとわかった。私、退院してから何度も同じ夢を見たの。そこでは私は魔物の学校の生徒で、みんなからいじめを受けていた。あれは私ではなく、ペリルの記憶。ペリルは自分の居場所を見つけるためにそこから抜け出した。」
ささがに 「で、霊界に来た時、死んだ愛ちゃんの魂に逃げ込んだって事なのね。」
ユア 「ペリルに愛ちゃんから出て行ってもらう事さでぎねのか?」
校長 「できたとして、愛は元の体に戻ってしまう。良くて植物状態。悪ければ…」
ささがに 「また霊界行きなのね。」
マイ 「そんな…」
ミー 「守ろう。」
マイ 「え?」
ミー 「みんなで愛ちゃんを守ろう。ここにいるみんなの力があれば守れるよ!」
マイ 「でも、私たちの力なんてそんなに…」
客間 「この学校の中なら…」
角田 「客間くん…」
客間 「校長の結界の中、つまりこの学校の敷地内なら、敵の力を抑えられますよね。」
校長 「ああ、だが結界を着ているやつには難しい。」
客間 「結界は私が砕きます。」
角田 「勝手に話を進めるな。」
ミー 「上底先生、先生確か能力者のパワーを増幅させる力を持っていましたよね。」
上底 「おお、覚えていたか。人呼んで上底の底上げ能力。」
ミー 「その力で私たちを!」
上底 「ん〜気持ちはわかるけど、できれば君たちと悪魔を対決させたくはないなあ。」
マイ 「私たちも鍛えます!」
「どうやって?」
マイ 「カーコお願い!みんなに技を教えて!」
カーコ 「…無理よ。」
マイ 「今度は剣道じゃなく、敵を倒す力だから…」
カーコ 「さっき見ていたでしょ!私は本物の敵を目の前にするとビビって手が震えるの!」
ユウ 「カーコ…」
カーコ 「確かにおじいちゃんは無敵だった。でもホントは私、一族でも一番臆病者って馬鹿にされてるの。みんなを鍛える資格なんかない…」
角田 「借りにペリルが優しい魔族だとしても。現に空間に穴を開けた事は事実。」
ミー 「それは私たちを守るために!」写真
角田 「だとしても、これ以上穴が増えたら、魔族が入りたい放題だ。」
瀬名 「そうだ!危険極まりない!」
マイ 「誰このおっさん?」
瀬名 「おっさ…」
マイ 「何の能力者?」
瀬名 「能力者じゃない。」
ミー 「じゃ妖怪?」
瀬名 「違う!私は…」
コト 「この人、毎晩うなされて泣いてるよ。」
瀬名 「え?お、お前なんでその事…」
マイ 「わかった、妖怪夜泣きじじいだ!」
ユウ 「夜泣きじじいね。」
瀬名 「俺は人間だ!ばけもんと一緒にするな!」

全員に睨まれる。

瀬名 「…しまった、超アウェイだった…」

角田の携帯が鳴る

角田 「どうした?…何?わかった。(電話を切る)さっきの魔族の男が正門の前に来たようです。」
校長 「入って来られるわけはありませんが、とにかく様子を見に行きましょう。柊先生。」
「はい。」
校長 「体育館に避難した他の生徒たちの守りを。」
「わかりました。」
校長 「全員いるか点呼を忘れずに。」
「はい。…よ〜し、手品で和ましてやろう。」

柊、ハケる。

校長 「客間先生。」
客間 「はい。」
校長 「君はこの子達とここにいて下さい。」
客間 「わかりました。」

他の職員は出て行く。。

ミー 「愛ちゃん…」
「みんな私のせい…」
マイ 「やめようよそう言うの。」
「だって私さえいなければ…」

カーコが部屋を出ようとする。

客間 「どこに行くの?」
カーコ 「トイレです。」

カーコ、部屋を出る。

ユウ 「私も。」

ユウも部屋を出る。

コト 「ユアちゃんちょっとお願いがあるんだけど。」
ユア 「何だ?」写真

コト、ユア、隅っこでコソコソ話す。

客間 「あれ?何だろ?」
氷室 「え?」
客間 「なんだか、妙な違和感が…」
氷室 「違和感?」
ユア 「わがった。」
コト 「ありがとう。」
ユア 「私達もトイレ行って来ま〜す。」
コト 「来ま〜す。」
客間 「いってらっしゃ〜い。あ〜なんだこれ?もやもやする。」
氷室 「大丈夫ですか?」
客間 「多分。」

暗転。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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