△ 「ガールズ・イン・ザ・クライシス」シーン15


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ミーと愛が出て来て客席に説明。

ミー 「夏休みに入りひとまずクリスマス会の会議はお休み。ただ、変態能力者がまだつかまっておらず、我々はあまり遊びに出られない状態。」写真
「そんな中、マイは剣道の大会に向けて毎日稽古。でもいよいよ煮詰まって…」

ユウを追いかけマイが出て来る。

マイ 「お願い!少しでいいんだ!手合わせしてくれ!」
ユウ 「だから嫌だって。」
マイ 「頼む!この通りだ!」

マイ、頭を下げない。

ユウ 「どの通りだよ?普通頭さげるでしょ?」
マイ 「恥を忍んでこの通りだ。」

マイ、頭を下げない。

ユウ 「…下げないんだ。」
マイ 「もっと強くなりたいんだ!頼む協力して!」
ユウ 「あんた、勘違いしてない?」
マイ 「え?」
ユウ 「私の使う剣は洋刀よ。」
マイ 「ようとう?」
ユウ 「ソードよソード。」
マイ 「え?そうなの?でもカーコが師匠だって…」
ユウ 「あの子は和洋どっちも行けるの。」

カーコ、通りかかる。

マイ 「あ!カーコ師匠!」
カーコ 「断る。」
マイ 「なんでよ!」
カーコ 「いい?あなたがやっているのは剣道。型と精神を重んじるスポーツ。私の剣は実戦用の殺人剣。全く別物。わかる?」
マイ 「でも同じ剣の道なら…」
カーコ 「私が教えても剣道は強くならない。強くなるのは、人を殺す力だけ。じゃあ。」

カーコ、去る。ユウ、多少マイを気にしながらも去る。ミー、愛が駆け寄る。

ミー 「マイ…」
マイ 「あいつらが正しい。」
ミー 「え?」
マイ 「やっぱ人に頼るのは良くない。」
「マイ。」
マイ 「素振りして来る!」

マイ、ハケる。

ミー 「そして8月の終わりの交流試合。マイの相手は昨年の都大会で優勝した強者。」
「試合は互角。お互い一本ずつ取った最後の一本。しかし、ここで事件が起きてしまいました。」
ミー 「マイが突き飛ばした相手の竹刀が折れ、見ていた他の選手の顔に!」
「当たる寸前、マイはとっさにテレポーテーションをして、竹刀を叩き落としてしまったんです。大勢の人が見ている前で。」
ミー 「もちろん辺りは騒然となったのですが…」

照明が変わり、角田とマイが出て来る。

角田 「会場の皆さんの記憶は変えておきました。あなたが試合中に怪我をして運ばれたと。」
マイ 「はい。」写真
角田 「写真やビデオの記録も全て消しました。」
マイ 「お手数おかけしました。」
角田 「あなたが取った行動は人として正しい。しかし、明らかな校則違反だ。」
マイ 「はい。」
角田 「残念ですが、しばらく外での試合の出場は、禁止とさせて頂きます。」
マイ 「はい。」
角田 「以後、気を付けるように。」

角田、去る。マイ、深く頭をさげる。

マイ 「本当に申し訳ありませんでした!」

頭を上げるマイ。表情は暗い。ミー、愛、マイの元へ。途中すれ違った角田に一礼し、マイの元へ。

「マイ。」
ミー 「大丈夫?」
マイ 「おお!だいじょぶだいじょぶ!やっちまいましたわ。てへ。」
ミー 「でも、来月の都大会の出場が…」
マイ 「ま、しょうがないよ。」
「わたし、父さんにかけあってくる。」
マイ 「いいって。」
「だって、マイは何にも悪い事してないじゃない。」
マイ 「校則違反は校則違反!…自業自得だよ。」
「マイ…」

間。

ミー 「よし!アイスおごる!。」
マイ 「まじで?!」
「私も!」
マイ 「え?ダブルでおごり?!やった!!」
ミー 「いこいこ!」
マイ 「じゃ、荷物置いて来るから先行ってて!」
ミー 「わかった!」

ミー、愛、ハケる。マイは反対ハケに向かうが立ち止まり、悔しさに耐えきれず自分のももを叩く。そのまま足早にハケる。
コト、ユア、カーコが現れる。

コト 「心を読まずもがな。」
ユア 「痛々すいな〜…」

コト、ユア首を横に振りながらハケる。カーコはマイのハケた方向を見てため息を吐きハケる。照明変わる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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