トップページ > ページシアター > ガールズ・イン・ザ・クライシス > シーン13 【公演データ】
角田 「つまりあなた方は霊界からの使者で、花村君と上底君の体を借りていると。」
上底 「こっちはシェアね。」
客間 「で、魔族の侵入を阻止するために、神様が霊界の門を閉じたと。」
まほろば 「はい。」
柊 「で、死んだ魂たちが行き場を失い、みんな悪霊になってしまうと。」
まほろば 「はい。」
上底 「で、悪魔達が穴からドワッと攻めて来て。」
校長 「この世もあの世も全て、悪魔と悪霊の世界になってしまいます。」
角田 「やはり審判の日が近いという事か。」
まほろば 「はい。ご理解頂けましたでしょうか?」
瀬名 「はははははは!理解?できるわけないでしょ?!超能力者、悪魔、ヴァンパイア、妖怪ときて、次は霊界の使者?オカルトかぁ?!この世はオカルトかぁ?!」
まほろば 「オカルトが…この世なんです。」
ささがに 「知らぬは人間ばかりなのね。」
客間 「瀬名さん、冷静に…」
瀬名 「客間里子さん。警視庁公安部特務8課の刑事。正体は人間の血が入った妖怪「時止め童」。結界や魂を切り裂く刀「玉砕刀」の使い手。母親が座敷童だとか?」
角田 「瀬名くん。いい加減に…」
瀬名 「角田一郎さん。同じく特務8課の課長。正体は記憶を操る妖怪「どわすれ」。今までも妖怪関連の事件の記憶を人々から消して来た。…なんすかそれ?なら僕からもこんな記憶消しちゃって下さいよ!」
上底 「瀬名ちゃん、悪いけどそんなの序の口だよ。本題はこれから。ついて来れる?」
角田 「審判の日がいずれ来る事は、何百年も前から予想されていた。」
客間 「それを阻止するために、能力者や我々妖怪は各地で悪魔を迎え撃つ砦を作った。」
角田 「日本ではこの学校。世界一の結界能力者が作った砦です。」
客間 「普段は能力者や妖怪たちの学校ですが。」
柊 「ウルグアイの穴が開いた事でにわかに臨戦態勢となり、まずは力の弱い生徒や教師達を避難させた。」
上底 「そして力のある生徒や我々職員が集められた。」
まほろば 「なるほど。下界の皆さんもきちんと人事を尽くしていらっしゃる。」
瀬名 「政府は許可していない。」
上底 「ところが、ある事をきっかけに校長の心が変化した。」
角田 「それは、娘さんのことですね?」
校長 「ええ。あなた方が必死に調べようとしていた事は知っています。」
客間 「しかし、愛さんには私の力でも破る事が困難な結界が張られていて、全く調べられませんでした。」
上底 「それはなぜなのか?…校長の口からどうぞ。」
校長 「…娘と…娘の中のもう一人の魂を守る為です。」
客間 「もう一人の魂?」
角田 「ペリル…ですね?」
校長 「はい。」
柊 「ぺ、ペリルってまさか?!」
校長 「そう、ウルグアイの穴を開けた魔族です。」
瀬名 「な、なんだって?!!あんたの娘の中に悪魔がいるって言うのか?!」
上底 「異次元生命体じゃなかった?」
瀬名 「そうだ…異次元めえめえ、異次げんめっ、ああ!めんどくさい!悪魔を守っているとはどういう事だ?!」
校長 「確かにペリルは魔族ですが、優しい心を持って生まれて来てしまった魔族なんです。」
瀬名 「それがなんだ?!悪魔は悪魔じゃないか!これは大変な事だぞ!下手をすればこの国が悪魔を庇っていると世界中から攻撃が来ちまう!すぐに上に報告を…」
客間、瀬名に催眠をかける。瀬名眠りに落ちる。
客間 「続きをどうそ。」
校長 「魔界で苦しい思いをしたペリルは自分の居場所を探し続け、娘の愛の魂に辿り着いた。一方、一度心臓の止まった愛も、ペリルの力で息を吹き返した。」
まほろば 「愛さんの命の恩人でもあると。」
客間 「愛ちゃんはその事を?」
校長 「霊界での記憶は失っている。」
柊 「しかし、罠だったらどうするんです?現に穴から侵入した悪魔はペリルを探していると。」
校長 「奴らはペリルの持つ強大な力を利用しようとしているんです。それを阻止するためにも、娘とペリルを守らなければならないんです!」
角田 「ペリルが嘘をついていないという確証は?」
校長 「私にはわかるんです!」
角田 「なぜ?」
校長 「それは…そう言う能力があるからです!」
角田 「校長!…万が一、ペリルが嘘をついていたら…この世界は終わるんですよ!」
校長 「私を!…信用して頂きたい。」
角田と校長、睨み合う。
角田 「客間君。ウルグアイの様子は?」
客間 「動きはありません。2体の悪魔はまだ包囲網の中です。」
角田 「校長。これは簡単に判断できるレベルの問題じゃない。少々時間を頂きます。客間くん。」
客間 「はい。」
客間が手を振ると眠っている瀬名が立ち上がり、角田、客間と共にハケる。その後校長と柊もハケる。
まほろば 「時間はないんですがね。さて…神様に報告です。」
上底 「あんたたちはペリルをどうする気だ?」
まほろば 「さあ。神さまの判断に従います。」
上底 「神様が始末しろと言えば。」
まほろば 「もちろんそうします。できるかどうかは別ですが。」
まほろば去る。
上底 「こりゃ、誰が敵になるか味方になるか、わからなくなって来やがったな。」
上底ハケる。照明変わる。
(作:松本じんや/写真:はらでぃ)
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