△ 「ガールズ・イン・ザ・クライシス」シーン12


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校長が中央から出て来る。歩いていると、花村の姿のまほろばが現れ声をかける。

まほろば 「石倉錦之介さん、ですよね。」写真
校長 「え?…なんだ花村さんじゃないですか。どうしました?」
まほろば 「いえ、花村さんの体をお借りしている者です。」
校長 「は?何を…(花村でないことに気付く)君は…霊界の者か?」
まほろば 「おお、さすが能力者さんだ。しかしとんでもない威力の結界を作ったもんです。石倉愛と言う名前を頼りに日本中探しましたよ。この辺も来ましたが、結界のお陰で何度も素通り。」
校長 「娘を探しに?」
まほろば 「お会いできますか?」
校長 「お断りします。」
まほろば 「実は私、娘さんとは9ヶ月前にお会いしてるんです。あの世で。」

校長、行こうとするが立ち止まる。

校長 「娘をどうする気だ?」
まほろば 「どうするもこうするも何ができるかもわかりません。しかし今は一刻の猶予もないのです。下手をすると間もなく霊界もこの世界も…悪魔と悪霊の世界になってしまいます。」

上底の姿のささがにがやって来る。

ささがに 「まほろば〜!」
まほろば 「やっと来た。遅かったじゃないですか。また随分違和感のない体を見つけましたね。」
ささがに 「あんたもなのね!それより聞いてほしいのね!…」
校長 「上底さん?…いや違う、まさか彼も…」
まほろば 「はい、地獄のエージェントが体をお借りしてます。(ささがにに)この学校の教師に乗り移るとは、あんたにしてはでかしたもんです。」
ささがに 「その事についてなのね!実は…」
上底 「ああも〜うざいなこれ!あ、校長、上底です。」
まほろば 「え?」
校長 「上底さん?」
上底 「はい、このささがにとか言う奴、僕に乗り移るの失敗したよ。」
まほろば 「失敗した?!」
ささがに 「しっ…ぱ。しっ…ぱい…こいつ、見かけによらず、最強レベルの能力者だったのね。」
まほろば 「何やってんですかもう…」
上底 「んで、こいつとよく話し合った結果、シェアすることにした。」
校長 「シェア?」写真
上底 「ん〜なんつぅのこう言うの?」
ささがに 「言うなれば、ボディーシェアなのね。」
上底 「ボディーシェアか!いいネーミングセンスだ!」
ささがに 「ありがとなのね〜。」
校長 「落語やってる様に見えます。」
上底 「こいつから色々聞きましたよ校長。力になりますから。愛ちゃんの事、聞かせてもらえますか?」
まほろば 「これは少し…想定外の展開です…」

三人、移動しながら照明が変わりそのまま次の場面へ。客間、柊、瀬名がいる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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