トップページ > ページシアター > ガールズ・イン・ザ・クライシス > シーン11 【公演データ】
照明変わって風の音がすると少女たちと上底が落ちて来る。(ガタゴロっと言う自動販売機の音)
全員 「うわああ!」
ミー 「いたた…」
マイ 「みんな無事?」
ユウ 「みたいね。」
愛 「ここは?」
マイ 「寮の庭。」
カーコ 「よかった。ここなら結界の中だからとりあえず安全ね。」
コト 「テレポーテーション面白〜い!」
上底 「マイ!(腕を上げながら)腕を上げたな!なんつって!あいたた…」
マイ 「先生怪我してるんじゃ?」
上底 「腕やっちゃったみたい。いやあ、あの変態能力者、かなり強かったわ。」
愛 「私、治します。」
愛、上底の腕に手かざし。
上底 「おお、治癒能力か。サンキュー」
愛 「二カ所も折れてます。」
ミー 「先生…」
上底 「うわ、そりゃ痛いわけだ。」
ユア 「しっかし間一髪だったなぁ。」
ミー 「あ、あのあなたは…」
ユウ、ユアに近づき
ユウ 「ユア!」
ユア 「おばちゃん!」
マイ 「おばっ…」
一瞬、場が凍る。間。
マイ 「…おばちゃんって…良い度胸してんなこの子…」
ユウ 「姪っ子よ。」
マイ 「え?」
ユウ 「私の姉の娘。」
カーコ 「あ、それでおばちゃん。」
ユア 「はずめますてえ!ユウおばちゃんの姪っ子の仁志ユアともうすます〜。今朝このがっこさ転校すっために、青森から出て来ますた。」
ユウ 「はぁ?」
ユア 「え?がっこから聞いでねのか?」
ユウ 「はづ耳だぁ!つか、なすてれんらぐよごさねんだ?」
ユア 「来る途中にしよぉど思ったっけ、携帯さ落とすてすまったんだぁ。すかたねべ。」
ユウ 「すかたねくねべ!もっと前にれんらぐすればよがったべ!」
カーコ 「なんか新鮮。」
コト 「かわいい。」
ミー 「あなたもヴァンパイアなの?」
ユア 「半分だけ。父ちゃんはシャーマンだけど人間だから。」
ミー 「シャーマン?」
ユウ 「降霊術師よ。」
ミー 「ああ、死んだ魂を体に乗り移らせる人?」
上底 「じゃ、さっきの技も?」
ユア 「わだすの降霊術はすげ〜よ。降ろした霊の持ってる力さそのまま使えんだ。」
上底 「あの弓矢の力は?」
ユア 「那須与一(なすのよいち)さんだあ。」
マイ 「那須与一?!」
ミー 「知らないでしょ?」
マイ 「今度は知ってる!こないだ源義経調べた時に出てきた!あれでしょ?屋島の戦いで船の上の扇の的を射落とした源氏側の武士!」
ユア 「んだんだ!」
ミー 「マイ!」
マイ 「ん?」
ミー 「頑張ったね。」
マイ 「頑張った。」
愛 「どうです?」
上底 「お!全然痛くない!」
愛 「一応骨はつながったと思います。」
上底 「スッげーな愛!お礼に今度歌作ってやるな!」
愛 「ありがとうございます。」
上底 「みんなもう部屋に戻りなさい。あの変態能力者の事は警察と先生方に話しておくから。」
女子達 「はい。」
女子達ハケながら
マイ 「ねえユアちゃん、ブルース・リーとかは降ろせる?」
ユア 「多分だいじょぶだ。」
マイ 「スゲー!」
コト 「ダースベイダーは?」
ユア 「実在すてねがった人はむりだぁ」
コト 「え…実在してなかったの?…」
カーコだけ一人遅れ、自分の右手を見る。その手はガタガタと震えている。上底、それに気付く。
上底 「どうしたカーコ?」
カーコ 「いえ、何でもありません。」
カーコ、足早に去る。
上底 「「いえ、何でもありませんっ」てのは絶対何かあんだよね。さ、先生方に報告せねば…。あ、その前にコンビニ戻んなきゃ。」
上底が歩き出すと天からささがにの声。
ささがに 「あ、こいついいかもしんないのね。」
上底 「え?…何だ今の声?」
突然、落雷の様な閃光と轟音。上底、悲鳴を上げて倒れるが、また立ち上がると中身がささがにに。
ささがに 「うん、これなら今までと違和感ないのね。しかもこいつの能力。かなり使えそうなのね。」
ささがに歩こうとすると。うまくいかず。
ささがに 「あれ?あああ…」
上底とささがにが交互に入れ替わる。
上底 「うああ!何だこれ?誰かが体に入ってきやがった!ううう…」
ささがに 「な、なんなのね?こいつうまく操れないのね!あああ…」
上底 「操るってどう言う事だよ!つか誰だお前?ううう…」
ささがに 「うわ、出るに出られないのね!あああ…」
上底 「話を聞かせてもらおうじゃないの?ううう…」
ささがに 「たすけてなのね〜!!」
上底、ハケる。照明変わる。
(作:松本じんや/写真:はらでぃ)
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