△ 「ガールズ・イン・ザ・クライシス」シーン10


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少女達6人、少々緊張気味。

ミー 「あ〜緊張したあ!」
「男子校入るのなんて初めてだったし。」
ミー 「でも好感触だったね。」写真
「うん。うまく行きそう。」
マイ 「それにしても、委員長の岸野くん。イケてたわあ〜。」
愛、ミー 「確かにイケてた。」
コト 「じゃあみんなライバルだ。」
マイ 「え、まさかあんたたちも?」
ユウ 「まあ…」
カーコ 「あれは中々の男だ。」
「これって増々…」
全員 「テンション上がるわあ!」
カーコ 「ちょっと待って。」
マイ 「なに?」
カーコ 「なにか変な感じしない?」
マイ 「え?」
ミー 「ほんとだ何だこれ?」

そこにアーミールックの一人の男、火鎚が現れる。

火鎚 「ちょっといいかな君達。」
カーコ 「気をつけて、あの男からだ。」
火鎚 「君達、南浅草女子の子たちだよね?」
「はい。何か?」
火鎚 「実は人をさがしてるんだけど、ペリルって子知らない?」
「ペリル?」
マイ 「外人?」
火鎚 「っぽいかも。」
カーコ 「コト。」
コト 「駄目、読めない。」
ユウ 「でも妖気は感じない。」
マイ 「おじさん不審者?」
ミー 「マイ!」
火鎚 「ま、そんなもんかな?」
カーコ 「認めるんだ。」
火鎚 「でもただの不審者じゃない。」
マイ 「警察呼びますよ。」
火鎚 「直ぐには来れないだろ。」
マイ 「一瞬で来ます。はっ!」

マイが腕をスッと上げると警官の花村が落ちて来る。(ガタゴロっと言う自動販売機の音)

花村 「いてて!あれ?なんだ?なんでこんなとこに?」
火鎚 「ほう。テレポーテーションね。」
花村 「なんだ?どうしたんだ君達?」
マイ 「おまわりさん、この人不審者です。」
花村 「なに?(火鎚に)ちょっと君、何してる?」

火鎚が手をかざすと花村気を失う。

花村 「うっ…」
火鎚 「本気出せないってのはホント面倒だな。」
ミー 「逃げよう。」
マイ 「でも…」
カーコ 「こいつ…ヤバ過ぎる。」
ユウ 「行こう。」

みんなが逃げようとした瞬間、火鎚が手をかざす。みんな足が動かなくなる。

マイ 「何これ?」
「足が…」
火鎚 「ペリルを知らないなら、学校の先生の事教えてくれないかな?」
ミー 「マイ!テレポーテーションで逃げよう!」
マイ 「うん!」

マイ、スッと手を上げるが

マイ 「あれ?」
ミー 「マイ早く!」
マイ 「駄目だ!飛ばせない!」
ミー 「え?」
火鎚 「おれの術にかかった奴は飛ばせねえよ。さ、良い子だから先生の事を話しな。」
マイ 「飛ばせないなら飛んで来てもらうわ!はっ!」

マイ、またスッと手を上げると、上底が落ちて来る。(ガタゴロっと言う自動販売機の音)

上底 「いててて!なんだ〜おい!」
ミー 「上底先生!」
上底 「お?何やってんだお前達?あ、マイのテレポートかこれ。あれ、花村ちゃん?何寝てんの?」
「先生助けて!そいつに…」写真

火鎚、上底に手をかざすが、上底は素早くそれを腕で受けて火鎚に返す。火鎚、それを肩に受け多少ひるむ。

「先生!」
上底 「いててて。いきなり何すんだよ。」
火鎚 「さっそく先生のおでましか。ちょうどいい。」
上底 「うちの生徒に手を出そうってのかい変態能力者さん。確かにみんな可愛いから気持ちはわかるけどね。」
ユウ 「わかるな!」
火鎚 「じゃ、てめえに答えてもらおうか。」
上底 「あ、そうだ!」
火鎚 「なんだ?」
上底 「今ちょうどコンビニで弁当買ってあっためてもらってるとこだった!」
マイ 「ごめん先生。」
上底 「だいじょぶ。後で取りに行くから。」
火鎚 「なめてんのカッ!」

火鎚、また上底に手をかざすが、上底は受け流す。

上底 「だから痛いって!」
火鎚 「ん?何だこれは?…」
上底 「でも、テレポートのタイミング良かったよ。10分前だったら先生、風呂入ってたから大惨事だったぞ。」
マイ 「え?」
上底 「こいつより先生が変態になってたな。はははは!」

火鎚、また手かざし。上底、また受け流す。

上底 「か〜っ、今のはちょっときいたわ。」
火鎚 「なるほど。相手のパワーを奪って行く能力か。」
上底 「あ、ばれちゃった?おしいな〜、あとちょっとでこの子たちの術が解けるとこだったのに〜」写真
火鎚 「めんどくせえ…。ま、いい。腹立ち紛れにそこのお嬢ちゃんたちだけでもぶっ殺すとするか。」

火鎚、手をかざそうとした瞬間。火鎚の肩に矢が刺さる。

火鎚 「くっ!なんだこれは?」

そでからセーラー服の少女、仁志ユアが飛び出して来る。

ユア 「さっすが与一!ありがとな〜!」
ユウ 「あんた…」
ミー 「あ!足が動く!」
上底 「今だマイ!」
マイ 「はっ!」

照明目つぶし。風の音、照明が戻ると少女たちと上底消えている。火鎚、肩の矢を抜く。

火鎚 「あなどり過ぎたか…ホント、めんどくせえ。」

火鎚、ハケる。ずっと横たわっていた花村が目を覚ます。

花村 「ん?あいててて…あれ?これどうしたんだっけ?」

花村、ハッと気がついて立ち上がる

花村 「そうだ不審者!…あれ?いない…あ、女子たちもいない…どうなったんだろ?」写真

時計を見て。

花村 「わ、やばい。署に戻んなきゃ…ってどこだここ?」

舞台中央に歩いて来ると、天からまほろばの声。

まほろば 「お?ま、こいつにしときますか。」
花村 「ん?何だ今の声?」

突然、落雷の様な閃光と轟音。花村、悲鳴を上げて倒れるが、また立ち上がると中身がまほろばに。

まほろば 「ん〜、警察官ね。…しかも学校関係者とも繋がりあるみたいですし。とりあえずこれで行きましょう。」

まほろば、去る。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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