△ 「ガールズ・イン・ザ・クライシス」シーン9


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ユウ、コト出て来る。

ミー 「そして4月。みんな無事に2年生に進学。でも、我々にとって大きなショックが…」

照明が変わる。校長は高台に、他の先生は下に出て来て並ぶ。

角田 「気を付け。礼。休め。」写真
校長 「こんばんは。」
生徒達 「こんばんは。」
校長 「実は今年度の秋の文化祭なのですが、現在、大量の海外留学生を出していると言う事もあり、中止にする事になりました。」
愛マイミー&上底 「え〜〜っ!!!」

上底、他の先生達になだめられる。

ミー 「唯一学校以外の人達と公然と交流できる行事が…」
マイ 「あたし文化祭実行委員長やる気満々だったのに!!」
「私がなんとかする。」
ミー 「え?」

愛、カーコの前へ。教師達ハケる。

「羽阿弥さん。協力してくれませんか?」
カーコ 「文化祭の事なら、私ら関係ないから。」
ユウ 「元々夜間部は参加できないし。」
「いい案があるの。」
カーコ 「え?」
ミー 「愛が思いついたいい案と言うのは、なんと…」
全女子 「男子校合同クリスマス会?!」
「開催を夕方からにすれば夜間部も参加できる。」
マイ 「男子校合同!男子校合同!」
ミー 「それしか頭にないでしょ?」
マイ 「(頷いて)男子校合同。」
カーコ 「悪いけど…興味ないんで。」

愛、頭を下げる。

「お願いします!夜間部の皆さんの協力がないと、人数的に開催の許可が下りないんです。」写真
ユウ 「数合わせの道具ってわけ?」
「それだけじゃありません!今、夜間部との関係はみんなぎくしゃくしています。仲良くするには一つの目標を立ててみんなで力を合わせる事が必要なんです!お願いします!」

ミーも頭を下げる

ミー 「お願いします!」

マイ、焦る。

ミー 「ほら、マイも。」

マイ、唸りながら中々頭を下げられない。そのうち、ヒザに手をつき、足をガタガタさせる。(「半沢直樹」の大和田常務風)力を込めてヒザを床につけようと頑張るが

ミー 「土下座はしなくていいから。」

マイ、また起き上がり唸る。

ミー 「男子校合同。」

マイ、即頭を下げる。

マイ 「お願いします!」
ユウ 「あんた達ね…」
コト 「私やりたい!」
ユウ 「コト?」
コト 「だってクリスマス会なんて、生まれて108年間一度もやった事ないんだもん。」
ミー 「え?」
マイ 「108年?って…まさかあんた…108歳なの?」
コト 「うちら3人ともね。あ、ユウは誕生日来たから109歳か。」
ユウ 「うるさい。」
マイ 「それって超…ばばあじゃん。」
ユウ 「なんですって?!」
カーコ 「私らの種族じゃ108歳なんてまだガキよ。」
コト 「ねえカーコ〜。協力しようよ〜。」
カーコ 「だから私は興味ないって…」
コト 「思ってないよね?」
カーコ 「コト…」
コト 「本当はやりたいと思ってる。」
ユウ 「コト、よしなよ…」
コト 「ユウもね。」
ユウ 「あ〜もう…」
ミー 「あなた心が読めるの?」
コト 「うん。」
ユウ 「空気は読めないけどね。」
コト 「うん。」
ユウ 「うんって…」
コト 「夜間部のみんなも絶対やりたいって思うよ。だからいいよね?」
カーコ 「(ため息)あんたにはかなわないわ…」
「それじゃ…」
カーコ 「協力する。」
コト 「ユウは?」
ユウ 「協力する。」
コト 「やった!」
ユウ 「ただし!……十字架は飾らないでよ。」
「わかった。みんなありがとう!」

照明変わる。

ミー 「こうしてクリスマス会の企画案が生まれました。4月の終わりには愛ちゃんが生徒会長に立候補して見事当選。私も副会長に当選しました。」
マイ 「二人の頑張りで学校もクリスマス会を承認。男子校も合同企画をOKしてくれました!男子校合同〜。」写真
「クリスマス会実行委員長にはマイが。夜間部のあの3人も実行委員になってくれました。」
マイ 「男子校合同〜」
ミー 「そればっかりだけど、もしかしてまたコトちゃんの仕業?」
コト 「なんにもしてない。」
マイ 「男子校合同〜」
ミー 「浮かれ過ぎ。剣道部の部長になったのに大丈夫?」
マイ 「そうだった。頑張ります!」
「そこはプライドだね。」
ミー 「そんなこんなであっという間に7月。第一回クリスマス会実行委員会が男子校で行われ、その帰り道の事です。」

照明変わる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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