△ 「ガールズ・イン・ザ・クライシス」シーン3


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上側の明りが消え、下手に明り。また客席に説明。

マイ 「ま、愛が退院したとこまではまだ良かったけど、その後の展開がもう…」
ミー 「11月の文化祭が終わってすぐ、年度途中にもかかわらず、学校から選ばれた生徒半数が急に海外留学で世界各地へ。意味がわかりません。」
マイ 「海外留学…つか、なんで私らが選ばれないのか、意味がわかりません。」
ミー 「更にその後、校長以外の教師の殆どが入れ替わりました。理由は海外に分校を作る準備だとか?」
マイ 「あんたのお父さん、どう言うつもり?」
「私に言われても。」

角田が出て来る。

ミー 「新しい副校長の角田先生は英語の授業も担当。」
角田 「グッモーニンエヴィバァリ!」
ミー 「なんか怪しげな感じが…」
「え?わりとイケてない?」
マイ 「え〜?!うそ?!愛ってこんなのがいいの?ナイナイナイナイ!」写真

角田と入れ替わりに、客間が入って来る

ミー 「新しい養護の客間先生は、相談しやすくて人気があるけど…」
客間 「好きなだけ保健室に居ていいわよ〜。でもその替わりにちょっと教えてほしいことがあるんだけど…」
ミー 「やっぱり何か臭うのよね…」
マイ 「うん、ちょっと香水キツ目だよね。」
「うん、その臭うじゃないけどね。」

客間と入れ替わりに、柊が入って来る。

ミー 「新しい物理の柊先生は凄く物知り。穏やかな先生だけど、宇宙の話になると止まらなくなったり、最近懲り出したものがあって…」
「新しい手品覚えたんだ!ちょっと見て!(手品をみせる)どう?凄くな〜い?凄くな〜い?」
マイ 「これを授業中にやるのはどうかと思うわ。」
「それ以前に、私達本物の超能力者に手品見せて…」
「ハンドパワーです!」
「っていうのもどうかと…」

柊、ハケる。

ミー 「そしてもう一人、私とマイにとって懐かしい先生がやってきました。」

照明が上手のみに変わり、制服警官の花村と、ギターを背負った男、上底が現れる

花村 「いや〜、5〜6年振りですよね?!」
上底 「え、もうそんなになるかぁ。」
花村 「全然変わってないですね上底さん。」
上底 「花村ちゃんもね。」
花村 「僕、巡査部長になったんすよ!」
上底 「おお!凄いじゃん!よっ!部長!」
花村 「巡査部長ですって。」写真
上底 「いやしかし道を尋ねたおまわりさんが、まさか花村ちゃんだったとはびっくりだよ。」
花村 「僕もですよ!実は先日転勤してきたばかりで、最初に道聞かれたのが上底さんだったなんてすごい偶然ですよ!」
上底 「運命感じちゃうね。結婚する?」
花村 「御免被ります。」
上底 「僕も〜!」
花村 「あ、ここです、浅女。」
上底 「おお!ここか!」
花村 「じゃ、本官はここで失礼(敬礼)。」
上底 「ありがと!また、時間空いたら飲もう!」

花村、去る。

上底 「初めての女子高赴任!テンション上がるわあ〜!」

照明が全体に。愛、マイ、ミー、お喋りをしていると、上底、客席側に声をかける。

上底 「おはよう生徒諸君!愛し合ってるか〜い!あ、ここ女子高だった。変な意味じゃないからね。」
ミー 「ん?誰あれ?」
上底 「あ、ちょっと待って!怪しい者じゃないから!」
マイ 「不審者?」

マイ、上底に近づいて行く。

上底 「そんなダッシュで逃げなくても…」
マイ 「ちょっとあんた、そこでなにしてんの?」
上底 「へ?」
マイ 「校内は関係者以外立ち入り禁止ですけど。」
上底 「いやいや僕はこの学校に…」
ミー 「上底先生?」
マイ 「え?」
「上底?」
マイ 「マジ?!」
ミー 「上底先生ですよね?!」
上底 「おお!元気かあ〜?!誰だっけ?!」
ミー 「麻美です!服部麻美!」
上底 「え?麻美ちゃん?!ハッタリちゃんの娘の?!うわ、おっきくなったなあ!」
ミー 「その節はホントにありがとうございました!」
上底 「元気に育ってホントに良かった!」
マイ 「私、覚えてます?」
上底 「えっと…」
マイ 「テレポーテーションの…」
上底 「ああ!…えっと…」
マイ 「マ…」
上底 「マ…マ…マ…はっ!もしかして?!」
マイ 「はい!」
上底 「いや、見違えたぞ松岡修造!随分暑苦しさが抜けたなぁ〜」
全員 「…」
上底 「ジョークジョーク!スポーツ万能、将来の夢は警察官の平泉麻衣!」
マイ 「正解!」
上底 「あの頃はショートカットで背も低かったけど、髪も身長も伸びたなあ〜マイ!」
マイ 「先生は気持ち悪いくらい変わってないですね。相変わらずジョークも笑えないし。」
上底 「ありがとう!!ん?ありがとうか?」
「先生?」
ミー 「そっか、知らないよね。小学校でお世話になった先生。」
「初めまして。1年A組の石倉愛です。」
上底 「ああ!君がイッシーの娘か!」
「イッシー?」
上底 「君のお父さんとは前にちょこっと一緒に仕事してたんだ。」
「そうなんですか。それで父に呼ばれてこの学校に?」
上底 「ビンゴ!国語担当ですシクヨロ!」写真
「国語?(ギターを指差して)音楽とかじゃなくて?」
ミー 「あれはファッション。」
「ファッション?」
マイ 「まだ下手くそなんですか?」
上底 「失敬だな!じゃ新曲を披露してあげよう!聞いて下さい「酒と泪と男と女とワイシャツと私と愛しさと切なさと…」…」

チャイムが鳴る

上底 「やっベー遅刻だ。続きはまた!(走り去る)」
マイ 「チャイムに救われた。」
「聴きたかったな、今の歌。」
マイ 「え?」
ミー 「あたしらも遅刻!」
マイ 「やべっ!」

3人上手にハケつつ照明が変わる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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