△ 「悩める王子の惑星」シーン50


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照明変わって空中。ランセント現れる。ガシャンという音と共にクレセントも現れる。

クレセント 「よし!キャリアエッグの上部に着陸!今から乗り込む!自爆装置!」

光と音。クレセント、直ぐにキャリアエッグの中に。ランセントの元へ。

クレセント 「ランセント!」
ランセント 「うわあああ!」

ランセント、クレセントに襲いかかりもみあいになる。

クレセント 「ランセント!目を覚ませ!」写真

クレセント、らちがあかず、ランセントの腹を殴り気絶させる。

ランセント 「うっ!」
クレセント 「すまない。大人しくしててくれ。」

クレセント操縦席に着く。

クレセント 「よし、これで…ん?何だこれは?…まずい!固定されている!」

機銃音と爆発音。アーモンド出て来る。

アーモンド 「よっしゃあ4基目撃墜!」

機銃音と爆発音。コルセア出て来る。

コルセア 「凄いなアーモンド君!こっちはやっと1基だ!」
アーモンド 「あんたも中々だぜ!」
コルセア 「いったいどこで操縦ならったんだ?」

ジャスミン出て来る。

ジャスミン 「私は5基落としたわよ!おっとっと…」

ジャスミン機揺れる。

アーモンド 「大丈夫か?」
ジャスミン 「大丈夫!」
コルセア 「初めてにしちゃてえしたもんだ!」
ジャスミン 「王子!こっちはあと10基よ!そっちは?」
クレセント 「キャリアエッグに入ってランセントは気絶させたが、操縦桿が細工されていてコントロールが利かない!」
ジャスミン 「どうするの?!」
クレセント 「取りあえずランセントをパラシュートで脱出させる!後はこのエッグを自爆装置で煙にする!」
ジャスミン 「積んである核兵器は?」
クレセント 「格納庫に行ってパラシュートを取り付ける!車両用のでかいパラシュートがある!」
ジャスミン 「間に合う?!」
クレセント 「間に合わせる!」

クレセント、ランセントを抱えてハケる。ジャスミン達もハケる。ベルとメリールーが出て来る。

ベル 「お姉ちゃん大丈夫?!」
メリールー 「ベル、お願い!戻って!」
ベル 「どうしたの?!」
メリールー 「嫌な予感がするの!」
ベル 「え?そんな無理だよ!」
メリールー 「お願い!戻ってベル!お願い!」
ベル 「うー…わかった!捕まって!」

2人ハケる。ジャスミン,アーモンド、コルセア出て来る。クレセント、必死に核爆弾にパラシュートを取り付けている。

ジャスミン 「王子!もうすぐ町よ!」写真
クレセント 「後少しだ!」

銃撃音、爆発音。

ジャスミン 「19基目撃墜!後1基!」
クレセント 「よし終わった!」

クレセントハケる。

コルセア 「ジャスミン!大変だ!最後の1基はFタイプだ!人が乗ってる!」
ジャスミン 「何ですって?」
アーモンド 「複葉機じゃどうにもならん!」
ジャスミン 「私が捕まえて助ける!」
コルセア 「できるのか?!」
ジャスミン 「やるしかないでしょ!!うりゃああ!」

ジャスミン、ハケる。

アーモンド 「おい!あれ見ろ!」
コルセア 「ありゃベルの飛行機だ!」
アーモンド 「戻って行くぞ!」
コルセア 「何やってんだあいつ!あれ?」
アーモンド 「どうした?」
コルセア 「調子が悪いぞ。」
アーモンド 「エンジンか?」
コルセア 「やっぱりネジ一本足んなきゃだめかぁ。」
アーモンド 「ネジ?」
コルセア 「実は来週号で完成だったんだよな、こいつ。」
アーモンド 「馬鹿野郎!戻るぞ!」

コルセア、アーモンドハケる。クレセント、操縦席に戻る。

クレセント 「よし。パラシュートOK。行くぞ!自爆装置!」

光に包まれクレセント消える。

クレセント 「うああああ!」

ドカーン!という音の後、へろへろのジャスミンが出て来る。

ジャスミン 「やった!やったわよ!無事にFタイプを着地させたわよ!」

空を見上げ何かに気付く。

ジャスミン 「あのパラシュート…核爆弾の処理に成功したのね王子!…あれ?王子は?」写真

ジャスミンハケると下手が船の上。双眼鏡を覗くグラマンとダグラス。ミル、シュミット、ハヤブサ、ファルコ、ライム、国王、レーセン。

グラマン 「核爆弾にパラシュート?やった!これで助かる!王子がこの国を救ったぞ!」

みんな歓喜に沸く。

ダグラス 「待て、王子はどこだ?」
グラマン 「え?」

グラマン、ダグラス、双眼鏡で探す。

グラマン 「駄目だ、見つからない。まさか…」
国王 「船を戻せ!」
ダグラス 「はい!」

ダグラス、ハケる。

国王 「クレセント…」

下手の明り消え、上手にベルとメリールー。

メリールー 「王子は?」
ベル 「爆弾のパラシュートは見えるけど王子のパラシュートが…」

落下中の王子が現れる

ベル 「いた!あそこだ!あ…まずい!気を失ってる!」
メリールー 「それじゃ…」
ベル 「パラシュートを開けない!」
メリールー 「ベル!王子の元へ!」
ベル 「よし!急降下するからつかまって!うりゃあああ!」

ベル機急降下、王子に近づく。

ベル 「駄目だこれ以上近づけない!」
メリールー 「もう少し!もう少しよ!」
ベル 「無理よ!もう水面まで距離が無い!」写真

メリールー、身を乗り出す!

ベル 「何する気?!」
メリールー 「私がつかまえる!」
ベル 「やめて!お姉ちゃんの目じゃ…」

メリールー、ベル機から飛び出す。

ベル 「おねえちゃん!うあああ!」

ベル、操縦桿を上げ、離脱。メリールー、クレセントに近づく。なんとか腕を掴む。

メリールー 「王子!王子!」

クレセント気付かず、メリールー、ハーネスを繋げ、2人分のピンを持つ。

メリールー 「王子!絶対助けます!」

メリールー、ピンを抜く。

メリールー 「きゃああああ!」

2人、消える。暗転。明転するとジャスミン出て来る。コルセアとアーモンドも出て来る。

アーモンド 「どうなった?」
ジャスミン 「分からない。」
コルセア 「あ、ベルの飛行機だ!」

ベル機、3人の上空を通過。

コルセア 「あれ?メリールーがのっていない!」
アーモンド 「え?」

下手に、船のみんなが出て来る。

ライム 「まさか墜落したんじゃないよな?」
グラマン 「そんな!そんな事は!」
ダグラス 「おい!あそこ!」
船の全員 「え?」
ジャスミン 「あそこみて!」
コルセア 「あ!」

クレセント、メリールー出て来る。

全員 「無事だ!」写真

全員歓喜に沸く。

メリールー 「王子!王子!」

クレセント、やっと意識を取り戻す。

クレセント 「…メリールー?どうして君が…」
メリールー 「王子。良かった。あなたは国を救ったんです!」
クレセント 「そうか…良かった…でも…僕を救ったのは君だね?」
メリールー 「はい。」
クレセント 「ありがとう。」
メリールー 「こちらこそありがとう。」

二人、手を取る。ベルがジャスミン達と合流。

ベル 「お姉ちゃん達は?」
コルセア 「あそこだ。」
ベル 「よかったあ!」
アーモンド 「そろそろ時間だ、この子に体を返さないと。」
ジャスミン 「ウォルド。」
コルセア 「ウォルド?」
アーモンド 「みんなに宜しくな、ジャスミン。それと、こいつも宜しく。」
ジャスミン 「ええ。」
アーモンド 「じゃ。」
ジャスミン 「さよなら。」

アーモンド、倒れ込む。ハッと気付き立ち上がる。元のアーモンドに戻る。

アーモンド 「あれ?外だ。どうなってるの?」
ジャスミン 「お帰り、アーモンド。」写真

ジャスミン、アーモンドを抱きしめる。

アーモンド 「ん?はい。ただいまジャスミン。あ、そうだ王子達は?」
ジャスミン 「あそこ。」
アーモンド 「どこどこ?え?あのパラシュート?わ!ラブラブだあー!」
ベル 「パラシュート、まるででっかい相合い傘ね。」
ジャスミン 「しかも二つくっついたあの形…。」

クレセントとメリールー以外で声を揃えて

アーモンド・ベル・ジャスミン 「ハート形だ!」

和やかにゆっくり暗転。

(作:松本じんや/写真:関口空子・はらでぃ)

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