△ 「悩める王子の惑星」シーン35


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下手側の明りがつくと、グラマンが手錠をかけたハヤブサを引き連れて出て来る。

グラマン 「城の捕虜収容室はここより快適だぞ。」

ハヤブサ、黙り込んでいる。

グラマン 「どうした?大人しいな。この国の現状を知って、ショックでも受けてるのか?」
ハヤブサ 「あんたらの言う事を全部信じている訳じゃない。でも…」

ミルが出て来る。

ミル 「ハヤブサさん。退院おめでとうございます。」
ハヤブサ 「ああ…世話になったな。」
ミル 「お大事に。」写真
グラマン 「さ、行くぞ。」

メリールー、通りかかる。

ハヤブサ 「なあ、一ついいか?」
ミル 「はい。」
ハヤブサ 「メリールーの事だが…」

メリールー、立ち止まり隠れて聞く。

ハヤブサ 「あんたの本当の姉さんじゃないよな?」

メリールー、動揺する。

ミル 「…何の話です?」
ハヤブサ 「ジモラス人にはわかるのさ。仲間の匂いが。」
ミル 「…」
ハヤブサ 「どうして敵の星の人間を家族になんか…」
ミル 「ルー姉ちゃんは…本当のお姉ちゃんです。」
グラマン 「…行くぞ。」

グラマン、ハヤブサをつれてハケる。ミル。一人残って浮かない顔をしている。ハケようとした時メリールーが駆け寄る。

ミル 「ルー姉ちゃん!」
メリールー 「ミル。今のって…今の話って…」

ミル、うつむく。下手の照明が消える

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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