△ 「悩める王子の惑星」シーン34


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明転すると国王の部屋(上手)。国王、レーセン、クレセントがいる。

クレセント 「調査団の到着は早ければ数日後との事ですが、ジモラスの総攻撃は直ぐにでも始まるかもしれません。」写真
国王 「お前はどうすべきだと?」
クレセント 「この状況で総攻撃に対応する事は…不可能に近いかと…。国民を守るためには…降伏の決断も…」
国王 「ジモラスは降伏に応じぬ。この星には奴らの横暴の証拠がありすぎる。」
クレセント 「調査団の到着まで耐えながら戦うしか…」
国王 「星の声に救いを乞えれば…」
クレセント 「神頼みですか?」
国王 「いや、現実的になりつつあるのだ。」
クレセント 「え?」
レーセン 「鍵が現れたのです。」
クレセント 「鍵って…あれはこの星の遺跡に書かれた神話では?」
レーセン 「超科学文明に神話は存在しません。」
国王 「すまんな。これはの歴代の国王と側近だけの秘密だったのだ。」
クレセント 「星の声が救ってくれるのですか?」
国王 「鍵の影響で何が起こるかは全く分からん。救われるのか、あるいは滅びるのか…」
クレセント 「それじゃ結局、状況は同じって事ですね…」

外からダグラスの声。

ダグラス 「失礼致します!」
レーセン 「ダグラスです。」

ダグラス、入って来る。

ダグラス 「陛下、王子、友好国のチェアビットと連絡が取れました!」
クレセント 「本当ですか?!」
国王 「疎開の件は。」
ダグラス 「承諾してもらえました。しかし…」
レーセン 「なにか?」
ダグラス 「条件を出されました。」
クレセント 「条件?」
ダグラス 「はい。救助船の乗り入れは、一回だけだと。」
クレセント 「一回?それじゃ…」
ダグラス 「キャリアエッグの定員は二千人。残っている国民は三千人。」
クレセント 「千人も取り残されてしまう!」
国王 「クレセント。」
ダグラス 「王子。ご決断を…」

上手側の明りが消える。

(作:松本じんや/写真:関口空子)

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