△ 「悩める王子の惑星」シーン21


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飛行隊の休憩室。飛行隊員全員出て来る。

ランセント 「兄さん、またダグラスに呼び出されたけど何の話だろ?」
チヌーク 「また落ち込む様な事じゃないといいですが。」写真

クレセント、ダグラスに抱えられながら出て来る。

ランセント 「兄さん!」

ダグラスとランセントでクレセントを座らせる。

カーティス 「こりゃ、半端無く落ちてるぞ。」
チヌーク 「どうしたんですか?」
クレセント 「そんな…そんな…」
ランセント 「兄さん?」
ダグラス 「私からお話しましょう。…実は昨日のミサイルなのですが。」
ランセント 「Fタイプ?」
ニルス 「不発だったやつ?」
ダグラス 「中を調べたところ…」
カーティス 「どんな仕掛けだったんだ?」
ダグラス 「…人が乗ってたんです。」
ランセント 「なんだって?!」
チヌーク 「人間ミサイル?」
ニルス 「そんな…」
シャーロット 「いくらセンサーが使えないからって…」
チヌーク 「だから動きまわれたのか。」
カーティス 「何考えてやがんだ、ジモラスは!」
ランセント 「中の人間は?」
ダグラス 「まだ息があった。今朝病院に。」
クレセント 「殺したんだ…」
ランセント 「え?」
クレセント 「僕は人を殺したんだ…」
ランセント 「殺したって…」
ニルス 「前に王子が落としたFタイプのこと?」
ランセント 「でも…人が乗ってるなんて知らなかったし。」
クレセント 「殺した事には変わらない。」
カーティス 「殺して何が悪い。」
ニルス 「カーティスさん。」
カーティス 「敵を殺して何が悪いって言ってんだ。やらなきゃやられる!それが戦争だろうが!」
チヌーク 「カーティス、我々は守りの戦争を…」
カーティス 「チヌーク、お前なら分かるだろう?お前の星の仲間、何人殺された?俺の星の民はほとんど殺された。親も兄弟もみんな。」
ニルス 「カーティスさん。」
カーティス 「慕ってくれた国民もみんな…俺も一緒に死にたかった…」
ニルス 「やめましょう。」
カーティス 「でも無理矢理逃がされた!我々の血をお前が守ってくれと!ニルスだって…」
ニルス 「やめて下さい!!」写真

ニルス、カーティスを押さえつける。

チヌーク 「僕だって憎いですよ!…でも復讐心は連鎖するものです。それじゃ戦争は終わらないんです。今は耐えましょう。きっと銀河連合軍が来ます。」
カーティス 「ふっ…俺たちがくたばった後にか?」
ランセント 「正しきは結果なり。」
クレセント 「え?」
ランセント 「地球の古い言葉。兄さんがあのミサイル落とさなかったら、町の人達が沢山死んでいた。兄さんがみんなを助けたんだ。メリールーだって。」
クレセント 「…」
シャーロット 「とにかくすぐに対策を練りましょう。またいつ攻撃が来るかもしれないし。」
クレセント 「…ああ…」

全員ハケる。

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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