△ 「心海のサブマリナー」シーン29


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山田、川藤、光彦。荷物を持って元気無く現れる。

放送 「バッカス号、これより修理に入ります。28番ドック。ウラヌス号、33番ドック。ペルセウス号。出航準備に入って下さい。」写真
山田 「こんなにポイントを稼いだのに…こんなにやるせない気持ちって…」
川藤 「全くだ…」

有沢、現れる。

川藤 「有沢さん、お勤めご苦労様でした!」
有沢 「まだ手続きはしてない。」
川藤 「え?有沢さんまさか…」
山田 「神くんにポイントを?」
光彦 「やめてくれ。おれはちゃんと働いて…」
有沢 「大丈夫。そこまで親バカじゃないわ。ただ…あたしもこのまま天国に行くのは煮え切らないのよ。」

紀之、岡田、布施、現れる。

山田 「紀之さん、お勤めご苦労様でした!」
紀之 「まだ手続きはしてない。」
山田 「え、紀之さんまさか…僕にポイントを?」

紀之、山田の肩に手を置き、ニコリとして

紀之 「自分で稼げ。」
山田 「ですよね。」
岡田 「有沢、ちょっといいか?」
有沢 「え?はい。」

岡田、紀之、布施、有沢ハケる。入れ違いでほおずきとまほろばが入って来る。

ほおずき 「あれ?ささがにはんは?」
まほろば 「え?あれ?どこ行ったんでしょうね?」
光彦 「ほおずきさん、あんたの力でなんとかなんないのか?」
ほおずき 「う〜ん。ミッションは神様の管轄なんでありんす。わちらに権限はありやせん。」
光彦 「まほろばさん、倉内は一人で立ち向かう気なんだろ?」
まほろば 「ええ、それで犯人に撃たれて死ぬ予定です。」
光彦 「倉内を止められないんなら、犯人を止められないのか?」
まほろば 「犯人の守護霊の依頼があればですが(タブレットを出す)…ええっと犯人は…」
光彦 「小澤さんだよ!小澤かいじ!」
まほろば 「小澤…」

別の艦の乗組員が2人出て来る。

上官 「全くお前は使えない奴だなぁ!」
小澤 「すんませんす…」
光彦 「おざ…え?…小澤さん?」
まほろば 「わかってますよ、今検索してます。」
光彦 「小澤さんじゃないっすか!」写真
全員 「え?」
川藤 「小澤って、この小澤?!」
小澤 「いやあああ!これはこれは光彦さんじゃないっすかあ!!よかったですう!お元気そうで〜!」
光彦 「死んでますけど。」
小澤 「ですよね〜!」
光彦 「つか、なんでいるんすかここに?!」
小澤 「なんでもくそも、殺されちまったんで。」
光彦 「い、いつ?!」
小澤 「光彦さんが死んだ直後です。」
光彦 「直後って、あの日に?」
小澤 「はい。」
光彦 「誰に?誰に殺されたんです?!」
小澤 「追って来たあの刑事です。」
山田 「川口刑事に?!」
小澤 「いやあ、うちらの犯罪組織はお互い知らない者同士がつながってましてね。でもひょんな事からその一人があいつだって知って、脅して金取ろうとしたら、逆にやられちゃいました。」
川藤 「倉内はその事…」
まほろば 「知らない様ですね。」
光彦 「それじゃ、倉内は川口に殺される?」
まほろば 「はい。そのようです。」
小澤 「で、私は今、チームアポロンの機関員見習いとして、まじめに…」
光彦 「なんかないのか?!潜水艦以外に倉内を助ける方法は?」
まほろば 「潜水艦以外にですか?」
ほおずき 「夢枕は?」
光彦 「夢枕?」
ほおずき 「倉内の夢に入るんでありんす。」
光彦 「それだ!」
川藤 「今、明け方の4時だから、多分倉内は眠ってるぞ!」
まほろば 「無駄だと思いますよ。」
光彦 「なんで?」
まほろば 「ゆめの90パーセントは、目が覚めたら忘れてしまいますから。しかも、リミットは1分です。」
光彦 「なんでもいい!あいつの夢に連れってってくれ!」
まほろば 「しかし…」
ほおずき 「まほろばはん。」
まほろば 「…わかりました。ではこちらへ。」
光彦 「小澤さん、協力して下さい!」
小澤 「え?はい。」

上官以外みんなハケる。

上官 「ちょっと、小澤くん?」

上官もハケる

(作:松本じんや/写真:はらでぃ)

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