△ 「あげぞこ先生」シーン36


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字幕「午前11時30分 西校舎図書室」
見せ暗転明けると。霧原、校長、、服部、瀬名、内田、高見沢、直也、副校長がいる。

霧原 「調子はどうですか?」写真
直也 「もうすぐ開きます。」
霧原 「おお、順調ですね。服部先生準備はいいですか?」
服部 「はい。」

服部にサス。二元舞台で隅に御厨、福来、宇崎、浜崎,畑が出て来る。

御厨 「服部 聞こえるか?御厨だ。」
服部 「出て行け。忙しい。」
御厨 「俺が何を言っても無駄だろうが、今から福来がお前にビジョンを送る。」
服部 「ビジョン?余計な事をするな。」
御厨 「お前を思うみんなの気持ちだ。目を覚ませ。服部。」
福来 「それじゃ、送ります。」
浜崎 「そのビジョン。観れないですか?」
福来 「観たけりゃ僕に触って。」

みんな福来に触る。映像が始まる。瀬名トワが現れる。

浜崎 「お!観えた!」
宇崎 「瀬名先生の姪っ子です。」
「え?そうなの?」
(トワ) 「え?でもこれ、本当にカメラなんですか?…最新式の?」
服部 「瀬名…トワ?」写真
(トワ) 「もう、回ってるんですよね?はい。えっと…服部先生、ご無沙汰してます。南浅草中でお世話になった瀬名トワです。今は引っ越して千葉に住んでるんですが、私、看護士の免許取ったんですよ!あの時服部先生が、熱心に勧めて下さらなかったら、私きっと挫折してたと思います。本当に有難うございました。あ、愛ちゃん覚えてます?鷹野愛。愛ちゃんも先生の応援のお陰で、本気でF1レーサー目指す事になって今、イタリヤで勉強してるんですよ!先生、すっかり元気をなくして、小笠原で療養中だと聞きました。ちょっと遠いんで直ぐには行けませんが、何か私にできる事ないでしょうか?そうだ同窓会しましょう!そしたら是非来て下さい!」

映像変わる。瀬名典子がいる。

福来 「次は浅草。」
(典子) 「え?それカメラなの?ほんとに?」
宇崎 「瀬名先生の叔母さんです。」
「また親戚?」
服部 「瀬名…典子…」
(典子) 「え〜っ、服部先生!南浅草高校でお世話になった瀬名典子です!ホントお世話になりました!先生のお陰で不良から足を洗い、そのお陰で医者にもなれて今は実家の診療所継いでいます。学校卒業した後もちょくちょくうちに顔出してくれて、守護霊やヴァンパイアに会った話も信じてくれて…」

瀬名周助が割り込んで来る。

(周助) 「服部せんせ〜い!」
服部 「周助さん…」
(典子) 「ちょっと爺ちゃん!邪魔しないでよ!」
(周助) 「いいだろが!服部せんせとは仲良しなんじゃから。周助です〜ご無沙汰してます〜。」
(典子) 「今、あたしが喋ってんだから!」
(周助) 「元気ないんだって?わしゃまだピンピンしとるぞ〜!」
(典子) 「こらじじい!」
(周助) 「あ!じじいっつった!」
(典子) 「じじいはじじいだろ!」
(周助) 「じじいはじじいじゃが、じじいはじじいなりに…」

二人が争ってる間に、樋口時夫が画面に入る。

福来 「たまたま来てた患者さんです。」
服部 「樋口…時夫…」
(樋口) 「服部先生、ご無沙汰しております。樋口時夫ですよ。」

典子、樋口を止める。

(典子) 「ちょと、樋口さんまでなにやってんの?」
(樋口) 「僕も服部先生の教え子ですから。」
(典子) 「え?南高(なんこう)出身?」
(樋口) 「そっす。」写真
(周助) 「先生、またデズニーシー行きましょ、ディズニーシー!」
(典子) 「じじい!」
(周助) 「またじじいっつった!」
(樋口) 「先生に「漫才師になったら?」って勧めて頂いたお陰で、本当に漫才師になりましたよ!」
(周助) 「全然売れてないだろう。」
(樋口) 「あ、今売れてないっつた。」
(周助) 「売れてないじゃん。」
(樋口) 「下積み下積み!」
(周助) 「売れてないじゃん。」
(樋口) 「しつこいなじじい!」
(周助) 「あ、じじいっつった!」
(典子) 「先生、今度みんなで小笠原行きますよ!」
(周助) 「先生、シー行こ、シー!」
(典子) 「シーシーうるさいっつの!」
(樋口) 「以上浅草からでした。」
(典子) 「勝手に締めるな!刻むぞてめ!」
(樋口) 「あ、刻むっつった。医者が刻むっつった。」
(周助) 「先生、シー行こ!」

画面が変わる。元野球部員達がいる。

福来 「次は日野市。」
(水島) 「こんなカメラあるんですか?」
服部 「水島、浅井、桜木…」
(水島) 「服部先生!ご無沙汰してます!水島三奈代です!時間がないって言うんでこれしか集まれなかったんですが、ゆめが丘高校元野球部の皆です!」
(浅井) 「服部先生!ピッチャーやってた浅井慶一です!覚えてますか?うちらが甲子園に行ってからもう…何年?」
(みんな) 「11年。」写真
(浅井) 「11年立ちます。え〜、実はあの後野球を続けている奴はいないんですけど…」
(水島) 「星野君、リトルリーグで監督やってるって。」
(浅井) 「え?そうだっけ?」
(桜木) 「桜木祐助です。僕も野球関係の仕事やってます。」
(水島) 「え?そうだっけ?」
(桜木) 「ゲームソフトの会社で野球ゲーム作ってます。」
(浅井) 「それ野球関係じゃないだろ?」
(桜木) 「服部先生と言えば、あの横断幕っすよね!」
(水島) 「あれほんとすごかった!」
(桜木) 「あの強烈なデザインで敵を圧倒して、一回戦突破できたんだもんな。」
(浅井) 「突然ですが、わたくし、この度この水島三奈代と結婚する事になりました!」
(桜木) 「え〜っ?!うそ?!」
(水島) 「え?聞いてないの?」
(桜木) 「聞いてないっす!」
(浅井) 「あ、わりい、お前学年違うからまだメールして無いや。」
(桜木) 「ひどっ!あ、でもおめでとうございます!」
(水島) 「それはともかく、みんな元気にやってます!また先生にお会いしたいです!」
(浅井) 「あれじゃない?新婚旅行、小笠原ってのどうよ?」
(桜木) 「あ、俺行きたいっす!」
(桜井) 「なんでお前が来るんだよ!」
(水島) 「先生お元気で!。」
服部 「そうか…結婚するのか…」

映像変わる。吉山一樹と深町雅喜がうつる

福来 「次は八王子。」
(吉山) 「すごいカメラですね。」写真
(深町) 「カメラもすごいけど、服装もすごいっすね。」
服部 「吉山一樹…深町雅喜…」
(吉山) 「服部先生、ご無沙汰しております。堀之内中学でお世話になった吉山一樹です。」
(深町) 「深町雅喜です。」
(吉山) 「先生のあの事件の後、年賀状も来なくなっちゃって、ずっと心配していました。」
(深町) 「あの時は正直驚きましたか、あんなのウソだってみんなわかってましたよ。」
(吉山) 「僕らはみんな感謝してます。先生が勧めてくれたお陰で僕は歴史学者になれましたし。」
(深町) 「あ、僕も動物学者になりました!あれ?それは年賀状に書いたっけな?」
(吉山) 「そしてその学者の知識を生かして、ボクたちは今、あるプロジェクトに参加しています。」
(深町) 「まだちょっと先生にも言えないんですけどね。」
(吉山) 「本当に先生のお陰です。でもあの頃は本当に楽しかったな…あの頃に戻れたら…」
(深町) 「あ、一樹!時間!」
(吉山) 「え?もう?すみません服部先生!」
(深町) 「話したい事たくさんあるんですが、」
(吉山) 「直ぐに訓練に戻らなければならなくて!じゃ、また今度!失礼します!」
(深町) 「失礼します!行くぞ一樹!」
(吉山) 「ちょ、待ってって、深町!」

二人去り、画面が変わる。和田夏子、谷あずきがいる。

福来 「次は青森。この子達がまた…なんとも…」
宇崎 「30年前に先生がはじめて赴任した中学校の生徒だって言うんですけど…」
浜崎 「え?若過ぎないですか?」
(夏子) 「あんたから行きなさいよ。」
(あずき) 「え〜?ここはなっちゃんからだべ。」
服部 「和田夏子…谷あずき…」写真
(夏子) 「じゃ、ガリガリくんおごるから。」
(あずき) 「え?ガリガリくん?う〜ん…」
(夏子) 「たべっこどうぶつもつけるよ。」
(あずき) 「いぐ。」

あずき、前へ出ててれながらしゃべり出す。

(あずき) 「え〜っとぉ、服部先生覚えてます?あずきとなっちゃんです?えっとぉ、びっくりすたべ?うつら30年前と全然かわんねくて。」
(夏子) 「あの頃は、色々お世話になりました。」
(あずき) 「えっとぉ〜。あの頃はまだぁ、あたすたつを妖怪だってすんずてくれたのは、服部先生ぐらいだったんだぁ。」
浜崎 「よ、妖怪?」
(あずき) 「服部先生、まだ、すんずててくれてっかな?」
服部 「ああ…勿論…」
(夏子) 「先生今小笠原だそうですね。」
(あずき) 「小笠原といえば、海坊主、元気かねぇ?」
(夏子) 「海坊主はまだ秋葉通いしてるでしょ。」
(あずき) 「んだっけか?」
(夏子) 「私達、今妖怪戦士のトップクラスなんで忙しくしてますが、近々小笠原にも出向くんでその時は寄りますね。」
(あずき) 「楽しみだあ。わぐわぐ、わぐわぐ。」
(夏子) 「あんたは連れてかないよ。」
(あずき) 「え〜っ?もお、なっちゃんはほんと冷てえよなぁ。」
(夏子) 「雪女ですから。」
浜崎 「ゆきおんな?」
宇崎 「もう一人はあずき洗いだそうです。」

映像が変わる。根本恵子と光世姉妹が映る。

福来 「次は名古屋。服部先生が学校を首になってから開いていた絵画教室の生徒です。」
服部 「根本恵子…光世…。」
恵子・光世 「服部先生お元気ですか?」
(恵子) 「根本恵子です。」
(光世) 「根本光世です。」
(恵子) 「先生のおかげで絵を描くのが好きになりました。」
(光世) 「私もです。」

二人、絵を見せる。

(恵子) 「これはこないだ描いた絵です。絵画教室が途中でなくなってしまったので、また先生に教えて貰いたいです。」
(光世) 「油絵も教えて下さい。」
(恵子) 「よろしく願いします。」

二人、手を振る。

服部 「ああ、教えてあげるよ…(少し苦しみ出す)ううっ…」
御厨 「服部?」
宇崎 「どうしたんですか?」
御厨 「服部の心が動き出した様だ。」

映像が変わる。今度は霧原真矢がうつる。

福来 「最後は熊本なんですが…これがどうにも…」
宇崎 「実は、霧原晶の実家なんです。」
御厨 「霧原晶って、じゃ、これは母親か?」
宇崎 「そうなんですけど、ちょっと訳がわからないことが…」
(真矢) 「服部先生。ご無沙汰しています。霧原真矢です。実は…先生にお話しなければならない事があります…。私は先生にウソをついていました。先生が転勤にされた後差し上げたお手紙の件です。晶は癌を克服したと書いたのですが、本当はそうではなく…手紙を差し上げた一週間後に他界しました…」
御厨 「何だって?!」
浜崎 「霧原晶は死んでいた?!」
服部 「(苦しみ出す)ううっ!」
(真矢) 「晶が、どうしても服部先生には教えるなって…でも晶が亡くなったあと、やはり本当の事を伝えようとしたのですが、先生は音信不通になっていて…」
服部 「晶が…晶が…」
(真矢) 「晶は本当に先生が好きでした。だからどうか…どうか晶のウソを許してあげて下さい…」
浜崎 「じゃ、あそこにいる霧原晶は、誰なの?」
福来 「これを観て下さい。」写真

真矢、晶の写真を出す。

(真矢) 「どうか許してあげて下さい…」
浜崎 「霧原晶の写真?」
御厨 「…そんなバカな…全然違う…」
浜崎 「え?」
御厨 「俺があった霧原晶とは別人だ。しかもこれは…」
宇崎 「はい。霧原晶は女の子なんです。」
「何よそれ?!」
福来 「でも、服部先生にはこの子に見えている?」
御厨 「そうか!服部、お前は視覚操作されている!お前が見ている霧原晶は別人だ!」
服部 「うあああああっ!」

ガラスが割れる様な音とともに、服部のサスが消え、御厨達体育館組がハケ、明るくなる。

服部 「…お前一体…誰なんだ?」
霧原 「おっと、バレちゃいましたか。」
高見沢 「ごめんなさい…服部先生…」
服部 「高見沢さん…あなたが視覚操作を?ん?待てよ?お前どこかで?…そうだ病院…東先生担当の看護士の!…」
霧原 「ええ、彼の体をもらいました。僕の中身は…」
校長 「東先生ですよね?」
霧原 「さすが校長。」

上底登場。

上底 「更に言えば、あんたは、東先生でもない。」
服部 「上底先生?」
霧原 「お前…どうやって入った?瀬名先生!」
上底 「瀬名先生の能力でも僕はみつからないよ。」
霧原 「なに?お前…何者だ?」
校長 「上底先生は、世界高度能力者機構WHPOのエージェント。私が雇いました。」
霧原 「WHPO?聞いた事がない。」
校長 「あなたのレベルじゃ知らなくて当然。」
上底 「あんたの本当の正体は、5年前にテロリスト扱いされて射殺された、川藤建二だよな。」
服部 「川藤?」
上底 「あんたは射殺される瞬間に警官に乗り移り、更に能力者の東先生をみつけ乗り移った。そして密かにこの学校で今回の計画を立て、瀬名先生達を仲間にし、最初は子ども達の力を利用しようとした。ところが大誤算。高見沢龍之介が想定外のパワーで反撃して来た。それが瀬名先生のパワーとぶつかり、校舎を破壊した。」
高見沢 「慌てたあなたは、私の能力を使ってその場の人間の記憶を消した。」
上底 「そして病院の看護士に乗り移った。服部ちゃんに近づけなかったのは…」
服部 「私に能力を消される恐れがあるから。」
上底 「それだけじゃない。能力を消されると死んじまうんだよこいつは?」
服部 「死ぬ?」
上底 「こいつ、ジニアス・シンドロームなんだ。」
服部 「なんだって?!それじゃ。」
校長 「発病して一年で死んでしまう病気。この病気は他の人間の体に乗り移っても消えなかった。焦ったあなたはお腹一杯に、つまり自分の能力のパワーのほとんどをヒーリングに使い、一年以上生きる事に成功した。」
服部 「それじゃ私がこいつの能力を消せば。」
校長 「普通の人間になった瞬間死んでしまう。期限の一年はとっくに過ぎてますから。」
霧原 「…ええ、全ておっしゃる通り。でも僕は計画を止める気はありません。僕の能力を消そうとしたら同時に誰かを殺します。例えば…麻美ちゃんとか。」
服部 「お前…」
上底 「往生際がわり〜なぁ。」
霧原 「まだありますよ。瀬名先生。ちょっと早いですが、合図をしたら、船を潰して下さい。」
上底 「汚いやつたなぁ」

照明、テレパシーモード。

瀬名 「服部先生!助けて下さい!」
服部 「瀬名先生?」
瀬名 「私の能力を全部消して下さい!」
服部 「そんな事したら君は!…」写真
瀬名 「あいつに利用されるよりましです!早くしないと、私は人を殺してしまう」
服部 「瀬名先生。」

照明、テレパシーモードから戻る、

服部 「すまない…瀬名先生。」

服部、瀬名の方に触れると瀬名、気絶する。

霧原 「何をした?!」
服部 「瀬名先生の能力を全て消去した。」
霧原 「…なんて事を…」
直也 「カギが開きます。」
霧原 「よし!」
直也 「3、2、1、開きました。」

副校長が目覚め、勢い良く立ち上がり、副校長の頭に直也はアゴを打つ。直也苦しむ。

校長 「おはようございます。副校長先生。」
副校長 「あ〜良く寝ましたわ。」
霧原 「いいタイミングです。さあ、副校長、服部先生の能力を世界に送って下さい。」
副校長 「無理です。」
服部 「私も、協力する気はない。」
霧原 「どうしてわかってくれないんですか?これはは皆さんのための計画なんですよ?」
校長 「あなたこそ。考え直すべきです。私達は教育者です。間違った事はできまでん。」
霧原 「平行線ですね…しょうがない。もう実行する時間がなくなってしまった。とりあえず、僕は副校長を連れてどこかにテレポートします。そして服部先生と同じ能力者を探します。」

霧原、副校長を人質状態にする。、

副校長 「残念だけど無駄ですよ。」
霧原 「何?」
副校長 「私にはネットワーカーの力はありませんから。」
霧原 「ウソをつくな。御船親子の母親はネットワーカー。調べはついている。」
副校長 「それは当ってます。」
霧原 「視覚操作で誰かと入れ替わってもいない。」
副校長 「それも当っています。でも、決定的な事が間違っています。」
霧原 「決定的な事?」
副校長 「はい。そうよね、母さん。」
校長 「ええ。」
服部・直也・内田 「母さん?!!!」
霧原 「なにい?!」
服部 「それじゃ…副校長が娘だったんですか?!」
副校長 「言いたい事はわかります。母さんが歳の割りに若く見えるのか?それとも私が老け…」
服部 「言わなくていいです。」
副校長 「あら。」
霧原 「そんなの交換すればいいだけの話。校長こっちに来い。」
上底 「本当にそれでいいのか?」
霧原 「ああ、さあ早く!」
上底 「本当にいいんだな?」
霧原 「しつこい!早くしろ」

校長、副校長と交代する。

霧原 「そうそう。後数分で艦隊からの砲撃が始まります。皆さんご無事で。あ、でも折角だから一人だけ犠牲になって貰いましょう。服部先生残念ですよ。あなたさえ協力して下されば…自分の判断を恨んで下さいね。」
上底 「やめろ。」
霧原 「娘さんにこのボールを送ります。」
校長 「やめなさい!」
霧原 「はっ!」

霧原、力を込めるが何も起らない。

霧原 「あれ?」

霧原、もう一度力を入れるが何も起らない。

霧原 「これは…どう言う…うっ…」

霧原、倒れ込む。

校長 「ごめんなさい。今、服部先生から消去能力をもらったの。」
霧原 「それじゃまさか…僕の能力を全部消した?」
校長 「はい…」
副校長 「あなたの言う「やむを得ない犠牲が」、あなた自身の身に降り掛かったのです。」
上底 「だからやめろって言ったのに…」写真
霧島 「ううっ…こんな…ばかな…嫌だ…こんなの嫌だ…僕に能力を…僕に…のう…りょく…を…」

霧島、絶命。

校長 「本当に、ごめんなさい…」
上底 「差別のない世界。お前の夢見た世界は間違っていない。でもそれはもっと別な方法で作るべきなんだ。」
校長 「そしてそれは、私達の大きな義務。」

内田、直也、意識が戻る。息を切らしている。

副校長 「お目覚めですね。」
直也 「すみません皆さん!僕は…僕は…」
内田 「本当に、申し訳ありませんでした!」
副校長 「いいえ、仕方なかったんです。」
高見沢 「先生…ごめんなさい。」
校長 「子どもを人質に取られていたのは私も同じです。あなたが無事で良かった。」
高見沢 「先生…」
上底 「さ、直ぐに砲撃が始まるぞ!行こう!」
霧原 「わああああああっ!」

突然、霧原が起き上がり、その場の全員がつられて大声を出し、霧原をファイティングポーズで威嚇。

霧原 「…あの…僕…何でここに?…」
上底 「あ、君、もしかして看護士の?…」
霧原 「あ、はい。安部です。」

みんなホッとする。

上底 「説明は後でね。安部ちゃんも行くぞ!」
安部 「え?はい。」

みんなハケる。明りが変わる。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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