トップページ > ページシアター > あげぞこ先生 > シーン35 【公演データ】
字幕「午前10時50分 体育館」
見せ暗転明け二元舞台。御厨、あげ底、畑、浜崎が出て来る。
御厨 「これで時間的に最後だな。」
宇崎、福来、また変な衣装で、息を切らして出て来る。
福来 「遅くなりました。実は今行った家で、その…とんでもない事が…」
宇崎 「あれは…どう言う事?…」
御厨 「とにかくこれで最後だ。帰って来てもらうぞ。」
福来 「はい。」
宇崎、福来、ハケる。
上底 「短時間のわりには結構集まったんじゃない?」
浜崎 「北は青森、南は熊本までの7カ所16人。たった3時間半でこれはすごいです!」
畑 「あたしは死にそう…」
浜崎 「畑さんもマジすごいっす!」
畑 「もっと褒めていいわよ。」
上底 「ぴょん子ちゃんの言う通り、全員喜んで協力してくれたしな。しかも全部ホラ話じゃなかった。」
浜崎 「御厨さんも、初心者なのにやりますね。」
御厨 「まだあいつらの帰りの通信が残ってる。」
浜崎 「ほんと、どうしたんですか?いくら能力者になったからって、いきなりここまで協力的になるなんて。」
上底 「見せてもらったからですよね?真実を。」
浜崎 「え?」
上底 「テレパシーの能力をもらった時。一緒に黒岩の計画の真実も、霧原からもらっちゃった。」
御厨 「お前、なぜ知ってる?」
上底 「ま、真相を知っちゃったら、能力者に協力しちゃう気にもなっちまいますわな。」
浜崎 「真相って?」
御厨 「二人のスタンバイができた。」
畑 「よ〜っし!最後の一発!かますわよ!帰って来い!うりゃあ!」
風の様な音がして。畑が立ちくらみをおこし、上底が支える。
上底 「おっと!」
畑 「時間外手当て…ほしいわ。」
浜崎 「戻って来たんですか?」
畑 「トイレで着替え中。ちょと横になっていい?」
上底 「お疲れさんです。」
畑ハケる。
浜崎 「あの、さっきの真相って…」
上底 「殺された黒岩の正体さ。あいつは超能力者を兵器にしようなんて思ってはいなかった。」
浜崎 「え?じゃぁ…」
上底 「体よく抹殺しようとしてただけ。なぜだかわかる?」
浜崎 「超能力者を憎んでいたとか?」
上底 「ハズレ。怖かったのさ。極個人的な理由でね。」
浜崎 「個人的な理由?」
上底 「黒岩は数々の悪事に手を染めてた。超能力者の平和的利用が進めば、いずれ能力者に自分の悪事を全てばらされちまうって思ったのさ。」
浜崎 「そんな理由で能力者を皆殺しにしようと?」
上底 「しかし、それには大義名分が必要だった。それで5年前、川藤建二という能力者がテロリストに仕立て上げられ、射殺された。」
浜崎 「ひどい…」
上底 「でもね。川藤の事件には続きがあるんだ。」
御厨 「続き?」
上底 「…やっと全部繋がったよ…さてと、そろそろ行かなくちゃ。」
御厨 「どこへ行く?」
上底 「ちょっと人類を救いに?なんつって!」
御厨 「あんた。何もんなんだ?」
上底 「あ、もう一つ、黒岩の置き土産が。」
浜崎 「え?」
上底 「今この島は、海上自衛艦隊に包囲されっちゃってるよ。」
御厨 「なに?」
浜崎 「そこまでやるか?!」
上底 「ま、やばい秘密を持ったお偉いさんは、黒岩意外にもたくさんいるって事だね。じゃ!」
上底、去る。
御厨 「おい待て!」
入れ違いで宇崎が戻って来る。
宇崎 「只今戻りました!」
浜崎 「ご苦労様です!」
福来、戻って来る。
福来 「大変です!今、自衛隊の船が…」
御厨 「ああ。上底から聞いた。」
福来 「え?上底先生から?」
宇崎 「そう言えば上底先生は?」
浜崎 「行っちゃいました。」
宇崎 「どこに?」
浜崎 「人類を救いに?」
宇崎 「え?」
見せ暗転。4人ハケる。
(作:松本仁也/写真:はらでぃ)