△ 「あげぞこ先生」シーン37


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体育館。福来、畑、宇崎、浜崎が入って来る。

福来 「何だか展開が凄まじくて、整理しきれないです…」写真

宇崎が浮かない顔をしている。

「ぴょん子ちゃん大丈夫?まあ、教育実習にしちゃ、ショッキングな事多過ぎるよね…」
宇崎 「はい…副校長先生の方が娘だったなんて…」
「それかい。」
宇崎 「でも、服部先生が戻って良かった…」

御厨、出て来る。

御厨 「安心してる暇はない。これからが正念場だ。」

副校長、校長入って来る

副校長 「皆さんご心配かけました。」
宇崎 「副校長先生!」

副校長、みんなの様子を見て。

副校長 「言いたい事はわかります。母さんが歳の割りに若く見えるのか?それとも…」
福来 「あの…後でお聞きします。」
副校長 「あら。」

上底、服部、直也、内田、高見沢出て来る。

宇崎 「服部先生!」
服部 「すまなかった。ありがとうぴょん子、福来先生…御厨さん。」

服部、御厨に手を差し出し握手。落ち込み気味の内田の背中を、畑がポンとたたく。

直也 「兄さん…」
福来 「気にすんな。無事で良かった。」
浜崎 「瀬名先生は?」
服部 「気を失ってるが怪我はない。今、高見沢さんに見てもらってる。」
浜崎 「普通の人間になったってことは…もう耳が…」
服部 「ああ…」
校長 「皆さんに黙っていた事が多くてすみません。ですがとりあえず何とか切り抜けました。上底先生の計画通りです。」
副校長 「さすがYMCAのエージェント。」
上底 「WHPOです。」
副校長 「あら。」
浜崎 「すごい。1文字も合ってない。」
上底 「でも、霧原は助けられなかった…」
御厨 「哀れな奴だったな。」

安部が入って来る。

御厨 「うわっ!」
上底 「違う違う。看護士の安部君。」
御厨 「…そうだよな。でもいきなりだと驚く。」
安部 「あ、なんかすみません…」
上底 「おっと、まずいぞ、砲撃まで15分切った。作戦考えよう。」
浜崎 「艦隊との交信は?」
御厨 「何度やっても、テレパシーじゃ信用してもらえねぇ。元より、時間が来たら砲撃は始まっちまう。」
内田 「じゃ、これは無駄ですかね?」

内田、御厨にインカムを渡す。

御厨 「いや、これならあっちの交信の傍受はできる。」
上底 「福来兄弟は艦隊の動きを調べて。」
福来兄弟 「了解。」
上底 「チョーさん、僕が力を貸すから、護衛艦4隻の全ての弾を海にテレポートさせて。」
内田 「はい!」
上底 「後のみなさんは、子どもや島の人達を安心させて下さい。」
校長 「わかりました。」
副校長 「みなさん、参りマショウ。」

上底、御厨、内田、福来兄弟以外ハケる。

福来 「汎用護衛艦三隻のうち二隻が正面の海岸方面。一隻は島の裏です。イージス艦は…」
直也 「いた!正面の沖合3キロ。」写真
上底 「じゃ、行くぞチョーさん!」
内田 「オイッス!」
上底 「いいお返事!」

内田、上底手を正面にかざし、気張る。

(通信士) 「艦長大変です!」
(高村) 「どうした?」
(通信士) 「はたかぜ、むらさめ艦内の砲弾が全て消えました!」
(高村) 「何?どういう事だ?」
御厨 「よし!いいぞ!」

内田、相当疲れている。

上底 「大丈夫か?」
内田 「はい…」
上底 「お次ぎは島の裏!」

上底、内田、島の裏に向かって気合いを入れる。

(通信士) 「やまぎりもです!」
(高村) 「先制攻撃か?」
上底 「先生だけに。なんつって!さあラストワン!」

また正面に向くが、内田が倒れる。

上底 「チョーサン!」
内田 「…すみません…もうダメです…」
上底 「いや、よくやったよ!さすがチョーさん!安部ちゃ〜ん!」

安部が出て来る。

安部 「はい!」
上底 「チョーさん頼む。」
安部 「わかりました!」

安部、内田を連れて行く。

上底 「さてと、どうすっかな?」
直也 「大変だ!」
福来 「どうした?」
直也 「ミサイルはターゲッティンクされてます!」
上底 「なにに?」
直也 「我々のICチップです!」
福来 「何だって?それじゃ…」
直也 「逃げてもミサイルは追って来る…」
御厨 「ちくしょう、警察と同じもん自衛隊も持ってやがったか!」
上底 「先にみんなのICチップ抜いてもらうんだったな…よし、かくなる上は。えっちゃ〜ん!」

畑、出て来る。

「あいよ。」
上底 「全員をテレポートさせましょう。」
「どこに?ウッちゃん倒れちゃったから、みんなすっぽんぽんよ。」
上底 「男女に分けて、健康ランドの風呂場に送るんです。」
「あ、なるほど。ならすっぽんぽんでも…」

校長、副校長、高見沢が出て来る。

副校長 「それは無理かもしれません。」
「え?なぜ?」
校長 「見て下さい。」

みんな前を向く。

福来 「みんな、どうしたんですか?」
副校長 「生徒を始め、島の人達全員、一緒に残ると。」
直也 「え?!でも…」
校長 「皆さんの気持ちは。私達の能力でも変えられません。」
高見沢 「今度こそ、一緒に戦います!」
御厨 「恐れ入ったな。」
上底 「やりましょう!」
福来 「でもどうやって?」
上底 「校長、みんなをこっちへ!」
校長 「はい。」
上底 「あ、えっちゃんは時間稼ぎをしてて!」
「え?どうやって?」
上底 「何でもいいからイージス艦にテレポートさせて、混乱させておいて。シクヨロ!」

畑、御厨、福来兄弟をおいてみんな去る。

「何でもいいからって、何送りゃいいのよ!」
福来 「まずい!後10分切りました!」
御厨 「何でもいいだろ!その辺の魚とかで!」
「居場所が特定できないと!あ!そうだ!」
直也 「思いつきました?」写真
「もうなんか、今これしか思いつかない!」
福来 「わかんないけどそれ行きましょう!」
「行けえ〜っ!。」

畑、力を込める。そして目眩をおこす。

福来 「おお、大丈夫ですか?」
「送ったわよ…」
(通信士) 「艦長!」
(高村) 「どうした?」
(通信士) 「本艦内に、牛が!」
(高村) 「牛?」

通信からたくさんの牛の声が聞こえる。

直也 「すごい数の牛だ!」
(通信士) 「うわああ!」
(高村) 「なんとかしろお!うわあああ!」
福来 「やった!大混乱だ!」
「でも、勢い余って余計なものまで…御厨さん、知らせてあげて…」

畑、気絶し、福来兄弟が運んでハケる。

福来 「畑先生!」
直也 「しっかりして!」
御厨 「余計なもの?」

御厨もハケる。照明が変わるとイージス艦艦内。沢山の牛の声。奥から秀一郎が顔を出す。どうやら全裸。

秀一郎 「わがったわがった!そういう事ならまかせとけぇ!よおし行けえ!ぺ!ヨンジュン!牛の底力見せてやれ〜!」

照明かわって、校長、副校長、上底、服部、宇崎が出て来る。

校長 「この学校では、みなさんに能力を使わない事を教えて来ました。ですが今日は、思う存分使って下さいね。」
上底 「皆ちゅうも〜く!はいここテストに出るぞぉ。まず矢的、麻衣、久美子の三人は小さい物ならテレポートできる筈だ。全員のICチップを体から出してあげてくれ。それを龍之介が念動力で片っ端から粉々に壊す。真也、光、そしてぴょん子先生はパイロキネシスで校庭を火の海にしてくれ。」
宇崎 「はい!」
上底 「そこに、望、良子、みなみがアクアキネシスで水をぶっかける。そうだ、水蒸気で壁を作って隠れ蓑にするんだ。その隙に一平と幸の重力操作で、できるだけ頑丈なシェルターを裏山に作ってくれ。校長、副校長はそのシェルターにシールドを張って下さい。」
校長・副校長 「わかりました。」
宇崎 「すごい…クラス全員の子の能力を…」
上底 「それが担任ってもんだよぴょんこちゃん。」
宇崎 「はい。」
上底 「だが君達だけでは人手が足りない。そこで、服部ちゃん。」
服部 「はい。」
上底 「子ども達のパワーをできるだけ島民の皆さんにコピーしてちょ。」
服部 「了解。」
上底 「そして僕がミサイルの弾道を反らす!」
服部 「そんな事できるのか?」
上底 「だいじょぶだいじょぶ。やったことないけど。」
服部 「え?」
上底 「さ、作戦開始だ!レッツビギン!」

みんなハケる。照明、見せ暗転。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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