△ 「あげぞこ先生」シーン28


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霧原出て来る。手にトゲトゲのボールを持っている。

霧原 「トップを消されたとたん、あの慌てぶり。おこちゃまだなぁ。」写真

校長が現れる。

校長 「本当にやる気ですか?」
霧原 「校長、我々は長い間ひどい目にあって来ました。ここの学校の子達だって、半分以上が親に捨てられたり、見せ物にされたり、虐待されたり…」
校長 「我々職員は、そんな子達を社会で強く生きさせるためにここにいるんです。」
霧原 「僕が子どもの頃にはこんな学校、ありませんでしたからね。でもあなた方親子の事は知っていましたよ。ずっと戦って来た。だからきっと、我々の救世主になってくれる人達だって。探しましたよ。半ば都市伝説の様な存在の、あなた方親子の事を。」
校長 「私達とあなたの考え方は違います。」
霧原 「変な考えはやめて下さいね。できれば誰も殺したくない。でも妙なまねしたら…」

霧原、ボールを掲げる。

校長 「副校長は内側からカギをかけました。」
霧原 「カギ師は見つけました。」
校長 「だとしても、そう簡単には開きませんよ。」
霧原 「開けますよ。あの人の能力はどうしても必要ですから。」
校長 「開いたとしても、協力はしませんよ。」

ボールを校長の目の前に出す。

霧原 「その時は、あなたを人質にさせて貰います。このままだと我々能力者は根絶やしにされてしまいます。でも能力者以外の人間を排除しようだなんて思っていません。平等で平和的な手段だと思いませんか?」
校長 「うまく行くとは思えません。」
霧原 「うまく行かせます。そして、差別を無くします。」

二人、ハケる。照明が変わる。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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