△ 「あげぞこ先生」シーン19


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字幕「放課後 夜頭総合病院」
見せ暗転が明けると服部が出て来る。その後ろから白衣姿の霧原晶(きりはらあきら)が出て来る。

霧原 「服部先生?」写真

服部、振り返る。誰だかわからず首を傾げる。

霧原 「服部先生ですよね?」
服部 「…え?…晶?霧原晶?!」
霧原 「やっぱりそうだ!ご無沙汰してます!」
服部 「え?何で?何でお前がここに?って言うか、その格好…」
霧原 「今日からこの病院にインターンで。」
服部 「…いや驚いたなあ。」
霧原 「良かったぁ、覚えててもらえて。」
服部 「忘れるもんか、お前のお陰で俺は今でも教師を続けていられるんだからな。」
霧原 「先生大袈裟ですよ。」
服部 「いや、真面目な話だ。お前が末期がんを克服したあの奇跡が俺を…待てよ…お前がここに来たって事は…」
霧原 「ヒーラー。治癒能力者だったんです。」
服部 「そうか、それじゃあれは奇跡じゃなくて、お前自信の能力で病気を…」
霧原 「はい。」
服部 「そうか、そうだったんだな。」
霧原 「そうだ先生、205号室の服部麻美ちゃんって…」
服部 「娘だ。これから見舞いだ。」
霧原 「足が…」
服部 「先天性股関節障害。恐らく一生車椅子だ。」
霧原 「力になれるかもしれません。」
服部 「いや、いくらヒーラーの力でも、先天性の障害は治せない。」
霧原 「それが、治せるかもしれないんです。」
服部 「え?」
霧原 「今、その研究をしているんです。そのためには先生の能力も必要になるかもしれません。」
服部 「私の能力?…知っているのか?」
霧原 「はい。でも色々と妨害が…」
服部 「妨害?」
霧原 「この国でも、我々能力者を兵器にしようと考えている奴らがいるんです。そして役に立たない者は抹殺される。」
服部 「なんだそりゃ?」
霧原 「頭は政府内部の一派で、警察や自衛隊の中にも仲間がいるらしいんです。そしてこの島にも。奴らを止めなければ我々の研究もできなくなります。…先生、協力して頂けませんか?」
服部 「…少し、考えさせてくれ。ちょっと整理が必要だ…」
霧原 「そうですよね。すみませんいきなり。」
服部 「いや。」
霧原 「それじゃまた。」

霧原、去り際に振り向き

霧原 「先生。」
服部 「ん?」
霧原 「また会えて嬉しいです。」
服部 「ああ。」

霧原が去るのを見届けて服部もさる。見せ暗転。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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