トップページ > ページシアター > 時空の異邦人 > シーン26 part3 【公演データ】
そこに突然、大林が飛び込んで来る。
大林 「みなさん無事ですか?!」
吉山 「大林さん?!」
瀬名 「どうやってここまで?!」
大林 「そんなことより、直ぐに奴らはシステムデータを奪いに来ます!」
筒井 「え?」
大林 「急いでバックアップを隠して、データを消すんです!間宮さん!」
間宮 「はい!」
間宮、作業を始める。
吉山 「タイムマシンとボックスは?」
大林 「すまん、奪われた。」
瀬名 「クソっ!」
大林 「システムデーターまで奪われたら終わりです!急いで!」
間宮 「はい!」
眉村が大林に銃を向ける。
眉村 「ちょっと待て。」
深町 「隊長?」
眉村 「大林さん、品川からどうやってここまで?」
大林 「だから今はそんなこと…」
眉村 「重要な事です!答えて下さい。」
大林 「…車ですよ。悪いとは思いましたが、一般人の車を銃で脅して…」
眉村 「どのルートで?」
大林 「首都高から中央道です。じゃないと間に合うわけないでしょ。」
眉村 「中央道はこの時間、工事のため高井戸、八王子間は通行止めですよ。」
大林 「え?」
眉村 「間に合いませんよね?ヘリでも使わなければ。」
大林、呆然と立っているが、素早く間宮を押さえつけ、銃を突きつける。
間宮 「う、撃たないで下さい!」
吉山 「大林さん?!」
大林 「…おしいなぁ、あとちょっとだったんだけどなぁ。」
瀬名 「大林、まさかお前…」
大林 「その通り。スパイは俺です。」
吉山 「大林さん!!」
深町 「いつから?」
大林 「プロジェクトに参加する時からずっとです。いやぁ、この国の開発技術は、本当に世界一優れてます。でも、セキュリティーに関しては世界一甘い。」
吉山 「それじゃ、朝倉さんと津田さんを殺したのも…」
大林 「はい、我々の事をこそこそ嗅ぎ回っていたので。」
鏑木 「貴様ぁ!」
伊達 「どこの国のスパイだ!」
大林 「あなたがたが知る必要はありません。」
鏑木 「ふざけるな!」
大林 「ま、色々トラブルもありましたが、タイムマシンもボックスも無事に手に入れましたし、このシステムデータでミッション・コンプリート。すぐにこの部屋も制圧されます。それじゃ皆さんお元気で。いや、もうすぐあの世行きだから「お元気で」はないか。大変残念です。ははははは!」
(作:松本仁也/写真:はらでぃ)