△ 「時空の異邦人」シーン18


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シーン16の続き。

吉山 「あの世に行くなら道づれだ。この状態なら相撃ちになる。」
電光 「甘いな。忘れたか?我はきつねぞ。」
吉山 「それがどうした?」
電光 「知らぬのか?狐はうぬらの言う「サイコ数値」が最も高い動物じゃと。試しに撃ってみるか?」
吉山 「なにっ?」写真
電光 「おお、無抵抗の相手は撃てんか?」

電光、桃太郎の腕を撃つ。

桃太郎 「うあっ!」
吉山 「桃太郎さん!」
電光 「まだ撃たぬか?ならば…」

電光、また桃太郎に銃を向ける。吉山、電光を撃つ。弾はあたらない。

吉山 「どうして…」
電光 「幻覚じゃ。我はお前の見ている場所にはおらんのじゃ。」
吉山 「幻覚?」

電光が、離れた所から殴ったり蹴ったりするが、吉山はダメージをくらう。吉山も反撃するが、全て空を切る。
吉山の隣に電光が来る。吉山、逆側になぐりかかるが、やはり空を切り、隣の電光に殴られ、倒れる。

電光 「残念、今のは本物じゃ。」
吉山 「くっそぉ…」

電光、吉山の頭に銃を突きつける。

電光 「遊びは終いじゃ。」

電光、引き金を引こうとした瞬間、腕が勝手に動き出す。

電光 「な、なんじゃこれは?体が勝手に…」
深町 「かずき…」
電光 「くそお!」
深町 「かずき、今だ!」
吉山 「深町?」
深町 「こいつを殺せ!」
電光 「こんなバカなことが!」
吉山 「深町!」
深町 「もうチャンスがないぞ!」
電光 「させるものか!」
深町 「かずき!」

吉山銃を構えるが撃てない。

吉山 「うわああああああ!」写真
桃太郎 「御免!!」

桃太郎が電光を斬る。電光、断末魔。

電光 「ぎゃああああああああああ!!!」

電光倒れる。

吉山 「深町!」
深町 「かずき…すまない…助けに来たのにこんなことになっちまって…」
吉山 「深町…」
深町 「ボックスはこの奥に…。」
吉山 「でも、あれは…」
深町 「俺の最後の頼みだ…。」
吉山 「深町…」
深町 「じゃあな…かずき…」

深町、持っていた『次元エネルギー電池』を差し出し,吉山が受け取ると、息を引き取る。

吉山 「深町…深町!…」
桃太郎 「…吉山殿…すまぬ…じゃがこいつは…」
吉山 「わかってます…こうするしかなかった。それより早く戻りましょう。僕はボックスを。」
桃太郎 「ああ。」

2人、去る。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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