△ 「ヴァンパイア・ブリード」シーン17


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字幕『22時10分 東京メトロ浅草駅付近 地下鉄トンネル内』
明転。
薄暗い明かりの中、地下鉄の通過音。既に対峙しているヴァンパイア達と妖怪達。

たんぽぽ 「ひまわり。あなたなら生きてるって信じてた。」写真
ひまわり 「私は逆。ちゃんと殺せたと思ったのに。やっぱりお姉ちゃん凄い。」
ネム 「ちょっと話し聞いてくんない?」
ダーク 「おいおいまさか話し合いに来たとか言っちゃう?」
里子 「穏健派が聞いてあきれるね。」
ダーク 「ははは!あんなのウソに決まってんじゃん。」
たんぽぽ 「あなたたち、カーミラに騙されてるのよ。」

一瞬しーんとなるが、ヴァンパイア達吹き出して笑う。

ダーク 「プははははっ!何それもしかして作戦?!」
ドール 「超ウケる!」
鬼太朗 「ここで儀式を行うんだろ?」

また沈黙。

鬼太朗 「特効薬の血と千年以上生きたヴァンパイアの血、それと我々の持っている呪文。この三つで儀式を行い、病気のヴァンパイアを救うってか?」
ドール 「…良く調べてんじゃん。」
たんぽぽ 「ええ、その儀式が、実はカーミラがヴァンパイアの王になるための儀式だって事もね。」
ダーク 「は?何言ってんの?」
ネム 「その儀式は病気のヴァンパイアを救うどころか、みんな殺しちゃうよ。つまりあんた達もね。」
ダーク 「いい加減な事を!」
たんぽぽ 「証拠はここにある。」

たんぽぽ、記憶の石を出す。

ドール 「何それ?」
フランク 「記憶の石か。」
ドール 「え?あれが?見せて見せてぇ!」
鬼太朗 「見たけりゃこっち来な。大事な証拠を奪われちゃかなわないからな。」
フランク 「ふっ。妖怪にしちゃ良く考えたな。だが我々はそんな事で騙される程バカじゃない。」
ネム 「十分バカじゃん。カーミラに騙されてるのもわからないくせに。」
フランク 「時間の無駄だな。呪文を渡せば命だけは助けてやってもいいぞ。」
里子 「太陽と交換なら。」
フランク 「それじゃ儀式が行えない。」
鬼太朗 「儀式が成功したらお前達死ぬんだぞ。」
フランク 「…平行線だな。」
写真 写真 たんぽぽ 「どうしてもダメなの?ひまわり。」
ひまわり 「ダメに決まっている。」
ネム 「しかたない。やりますか。」

全員、臨戦態勢から一気に戦闘開始。 ネムはドールを追い、鬼太朗はフランクを追い、
たんぽぽはひまわりを追ってハケる。残った里子とダークが睨み合う。

里子 「まさかあんたがねぇ。」
ダーク 「なっちゃんは来てないのか?」
里子 「残念でした。」
ダーク 「あーあ。で?オレの事、色々わかっちゃてんだろ?」
里子 「ええ、全部聞いたわ。」
ダーク 「じゃ、そういう事。あんたらの作戦は?」
里子 「こういう事。」

里子、後方に去る。

ダーク 「おい!それ、どういう事?」

ダーク後を追って去る。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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