△ 「トワの宇宙」シーン4


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映像と字幕  木星 ガリレオ衛星『エウロパ宙域』 スター・フライト・ワン
ベッドに座るトワとルナ。

トワ 「凄い能力ですね!気配が消せるなんて!」
ルナ 「まあね、でも生き物にしか通用しないんだ。だからアンドロイド相手じゃ役に立たないのよね…。トワちゃんの能力は?」
トワ 「それが、はっきりはわからないんです。もしかしたらって言うのはあるんだけど…」
ルナ 「なになに?」
トワ 「喧嘩の仲裁。」
ルナ 「喧嘩の仲裁?面白いじゃん!それいいネタになりそう!」
トワ 「あ、リーさんだ。」
ルナ 「ちょっと見てて。」

ルナ、少し後ろに下がる。リーが入って来る。

トワ 「こんにちは。」
リー 「おお、随分調子良さそうだね。」
トワ 「はい。今もルナさんとお話してたんです。」写真
リー 「そう。で、ルナは?」
トワ 「え?」
リー 「ルナはどこ行った?」
トワ 「え?…あ…」

リー、ルナに気付かない。

トワ 「…さぁ〜?」
リー 「あいつの取材ってのも、嫌だったら断った方がいいよ。」
トワ 「いえ、楽しいですよ。」
リー 「好奇心強過ぎるってのもどうかと思うんだよね…」

ルナ、リーのまわりで変な顔等する。それを見てトワが笑う。

リー 「ん?なに?」
トワ 「いえ、何でもないです。」

レパード、焦っている様子で入って来る。

レパード 「大変よ!」
リー 「どうしました?」
レパード 「コード認証の結果が届いたの。」
リー 「どうだったんです?」

レパード、リーにカードを見せる。

リー 「コードネーム『メシア』…ってこれは?!!」
レパード 「最重要機密コード。彼女、救世主よ。」
ルナ 「救世主?!!!」
リー 「ルナ!お前いつからいたんだ?!」
ルナ 「いえ、あの…」
レパード 「ルナ。能力をむやみに使う事は禁止しているはずです。」
ルナ 「申し訳ありません!」
レパード 「…仕方ありませんね。この件は他言無用よ。いいわね。」
ルナ 「はっ!」
リー 「しかし、ホントにトワさんが?…」
レパード 「間違いないわ、彼女を戦艦に移す事になったの。」
リー 「戦艦?」
レパード 「トワさん。ごめんなさいね、火星は取りやめ。あなたを別の船に移します。」
トワ 「別の船に…?」写真
レパード 「アカツカ艦隊2番艦カラマツ。作戦から外して彼女を運ぶそうよ。」
リー 「え〜っ?!作戦直前の艦隊の戦艦を一隻削ってトワさんを?!」
レパード 「それだけ重要な人物って事ね。」
ルナ 「すご過ぎる…」
トワ 「私に何かできる事があるんでしょうか?」
レパード 「えっ?」
トワ 「あの、私、看護士の資格があるんです!何でも言って下さい!」
ルナ 「いや…看護士って…」
リー 「本人が一番わかって無い様ですね…。」
レパード 「あなたはね。人類が何十年も探して来た、救世主って呼ばれる伝説のジニアスなの。」
トワ 「伝説のジニアス?」
レパード 「看護どころか、地球を救えるかもしれないのよ。」
トワ 「地球を救う?…地球を…?」
レパード 「そうよね、いきなりそんなこと言われても…」
トワ 「なんだかよくわからないけど私頑張ります!頑張らせてください!」
レパード 「…さすが救世主ってとこかしら?さ、急ぎましょう。」

全員退出するが、ルナだけ残り。

ルナ 「地球を救う看護士…こりゃとんでもないスクープだ!」

ルナも去り、暗転。

(作:松本仁也/写真:はらでぃ)

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