△ 「1/4 breed」シーン29C


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大王、去ろうとするが突然足が止まる。

キタロウ 「あれ?ははははは。キタロウちゃん。ホント、往生際悪ですよ。抵抗したって無駄だですって!おい!こら!テコでも動かない気ですか?しょうがないですねぇ。いいですよ。別の体でも。じゃあ…このお嬢さんにでもしますか。」

大王、里子に近付くが、

キタロウ 「ん?あれ?どういう事?抜けだせません。…『ははは、かかったな大王』キッ、キタロウ、これは一体…『僕の最大の能力、囲みさ』かっ、囲み?!『僕の体は魂のゴキブリホイホイ。一度入ったらそう簡単には出られはしない』なんですって?!…『里子ちゃん』」

キタロウ、自分の持っている剣を差し出し

キタロウ 「『頼む』」
里子 「えっ。」
キタロウ 「『君がとどめを刺せ!』」
里子 「そんな…」
キタロウ 「ははは。クウォーターなんぞに、その剣が使いこなせるものですか!『やってみなけりゃ分からないさ!さあ、里子ちゃん、早く!』」
里子 「でも…」舞台写真
キタロウ 「『この剣は君のお父さんの形見だ。たとえ1/4の血でもきっと君なら出来る。』無理さ!『出来る!』せいぜい皮を斬るくらいですよ。『里子ちゃん、やるんだ、早く!』」
里子 「出来ない!」
キタロウ 「そう!出来ない、出来っこないです!」

後ろから人影。

立子 「出来るわ!」
里子 「お母さん?…」
ネム 「立子さん、いつの間に?」
立子 「ごめんなさい、里子。あなたに…いや、みんなにも黙っていた事がもう1つあるの。」
里子 「え?」
立子 「お母さんね…実は純粋な妖怪なの。」
里子 「え?」
全員 「えええええっ?」
ネム 「でもちっとも妖気を感じない。」
ドワスレ 「待てよ…1人だけいる。完全に妖気を消せる妖怪が。」
キタロウ 「『そうか!』」
キ・ド 「ザシキワラシ!!」
立子 「そうよ。だからあなたの妖怪の血は1/4じゃない。」
ネム 「1/4じゃないって事は…」
ツムジ 「私、分数の計算はちょっと…」
今井 「まず、分母をそろえるんだ!」
ドワスレ 「どうでもいいよ!」
キタロウ 「『とにかく、君の妖怪の血は、お父さんより濃いって事だ!』なんですって!『さあ、君なら出来る。』ちくしょう、冗談じゃありませんよ!『急いで!』ここから出しなさい!!『里子ちゃん!』」
里子 「キタロウさん!」
キタロウ 「『早く!』出せ!『僕もそろそろ限界だ!』出せぇ!!」
里子 「お父さん…お父さんの無念を私がはらします。」
キタロウ 「『さあ!』やめろぉ!!」

里子、キタロウに向かって剣を刺す。

里子 「やぁぁぁぁぁ!!」舞台写真
キタロウ 「ぐあぁぁぁぁっ!」
里子 「必ず殺すと書いて、必殺!」
キタロウ・大王 「こんな、こんなバカなぁ〜っ!!」

爆発音。閃光が走る。
しばらくして明かりが元に戻る。

(作:松本仁也/写真:広安正敬)

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