△ 「1/4 breed」シーン17


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アブラスマシを先頭に、ネム、里子が辺りの様子を見ながら入って来る。

アブラスマシ 「カラカサ。お〜い、カラカサ。おかしいな、留守かな。」舞台写真
ネム 「カラカサ、こんなとこ住んでんだ。」
アブラスマシ 「ええ、でも変ですね。いつもこの時間には居るのにな。カラカサ。」

三人、あちこち歩き続けるうちにアブラスマシと里子の姿が消える。

ネム 「ちょっとお、掃除くらいしなさいよカラカサ…あら?アブラスマシ…?どこ行っちゃったのかしら?…え?里子ちゃん?ちょっと、里子ちゃん?」

ネムの携帯が鳴る。

ネム 「はい。」
ドワスレ 「ネムか?」
ネム 「あぁ、ドワスレ様。」
ドワスレ 「今どこだ?」
ネム 「カラカサの家。」
ドワスレ 「カラカサ?みんなは無事か?」
ネム 「えぇ、でも今ちょっと…」
ドワスレ 「いいか、よく聞け。何かおかしいと思わなかったか?」
ネム 「え?何が?」
ドワスレ 「今朝お前に、昨日犠牲になった妖怪のリストを教えたよな。」
ネム 「えぇ。」
ドワスレ 「覚えてるか?」
ネム 「もちろん。確か、カッパとロクロとクチグルマの3人で…」
ドワスレ 「待て。本当に俺はそう言ったか?」
ネム 「えぇ。」
ドワスレ 「集中しろ。このワナは自分で思い出さなければ解けないんだ。」
ネム 「え?ワナって、どういう事?」
ドワスレ 「いいから集中しろ!思い出せるはずだ。殺された妖怪達の名前を。」
ネム 「えっ、だから、カッパと…ロクロと…クチ…え?…違う?…」
ドワスレ 「思い出せ!」
ネム 「カッパとロクロと…えっ…まさか…」

アブラスマシが現れる。

アブラスマシ 「僕だよ。」
ネム 「アブラスマシ…どうして?」
ドワスレ 「思い出したか!ヤツの正体はクチグルマだ!姿や言葉に惑わされるな。」
ネム 「あんた…」

アブラスマシ、現われるとクチグルマに変わっている。

クチグルマ 「ガソリンは僕の口にはあわねーよ」

ネムの後ろからクチサケが出てくる。気配に気付き、ネムが振り向いた瞬間クチサケに鏡を見せられる。ネム、気を失う。

ドワスレ 「ネム?おい、ネム。」
クチサケ 「ごめんなさい、ネムさん。」
ドワスレ 「ネム、聞こえるか?ネム…」

クチグルマが携帯を拾い切り。

クチグルマ 「四天王もたいした事ないな。連れてけ。大王様がお待ちだ。」舞台写真
クチサケ 「トドメの娘さんは?」
クチグルマ 「始末する。」
クチサケ 「我々にはその力はないわ。」
クチグルマ 「俺が始末するんじゃない。自ら死を選んでもらうのさ。」

クチグルマ、クチサケに携帯を渡しながら

クチグルマ 「食うなよ」
クチサケ 「…はい」

クチサケがネムを抱えてハケる。
反対側へクチグルマもハケる。

(作:松本仁也/写真:広安正敬)

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