△ バミューダ・トライアングルズ


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今回の遭難者/橋本健さん(劇団桃唄309)

 バミューダ・トライアングル。言わずとしれた北米沖の謎の海域である。この「不等辺さんかく」な海域に迷い込んだ船は、二度と戻らないという…。
 当コーナーはその恐怖の海域に名を借りた対談のコーナーです。作・演出の中澤が、客演の方をお招きし、お話を伺うという趣向。名前の通り、ゲストとホストが話の海のなかで、迷走し錯綜し、たまにワープしたりしながら遭難します。
 栄えある第1回目の遭難者は劇団桃唄309の橋本健さん。不等辺への客演は、前回公演の「A1-PANICS!」に続いて2回目となります。


中澤 「A1-PANICS!」のときは、本当にお世話になりました。いきなりブルマいっちょで踊らせたりして…あの、抵抗はなかったですか?
橋本 全くありませんでしたね。以前に、パンツだけって役をやったことありましたし。
中澤 じゃあ、本当に…
橋本 (きっぱりと)ブルマはパンツより布地、多いですからね。なんてことありません。
中澤 ちなみにパンツ脱いだことは?
橋本 残念ながらありません。
中澤 これから脱ぐ予定も…
橋本 ありませんね。
中澤 脱ぎたいな〜というお気持ちは…
橋本 ありません。なんでそうパンツにこだわるんですか。
中澤 失礼しました。話を変えましょう。今回、客演を快諾していただいたと伺っているんですが、それはまたなぜでしょう?
橋本 (再びきっぱりと)ヒマだったからです。
中澤 (しばし茫然として)…ヒマだった…
橋本 ええ。桃唄の次の公演は9月ですし。ちょうど体が空いてたのが一番の理由です。
中澤 …そうですか…ヒマだったんですね…
橋本 ヒマがあるって、生きていくうえで大切なことですよ。
中澤 適切なフォロー、ありがとうございます。ところで、橋本さんの桃唄での役割は、役者と?
橋本 小道具です。脚本も書きますけどね、プロデュース公演では。
中澤 (ちょっと得意げに)いかがですか同業者としてウチの小道具は?よく褒められるんですけどね、出来がいいって。
橋本 確かに凝ってますよね。最初見たときはびっくりしました。ただ同時に思ったのは…
中澤 思ったのは?
橋本 (みたびきっぱりと)余分な労力かけてんな、と。
中澤 (しばし茫然として)…余分な労力…
橋本 ええ。小道具の松本君は役者も兼任しているんでしょう?さぞや大変なことと思いますよ。

(遠くで松本が目に涙を溜め、大きくうなずくのが見える)

中澤 それはやっぱり、演出の私が無理を言うから…
橋本 その通りです。
中澤 …私、なんだか、してはいけない方と、対談をしているのではないかという気持ちに、だんだんなって参りました…
橋本 がんばりましょう。明けない夜はありません。
中澤 情けないですね、ゲストに励まされるホスト。思えばここまで世間話に終始して、肝心の「双月祭」についてなにも伺っていませんでした。客演が決まって、すぐ脚本をお送りしましたが、全部目を通しました?
橋本 もちろん。
中澤 どんな感想をお持ちになりましたか?
橋本 不等辺の芝居はずいぶん昔に何本か観てるんですが、それと比べても、今回はいい話だなと思いましたよ。
中澤 具体的に言うと…
橋本 そう…(しばし考え込み)…やさしくて、切ない…。そんな話、ですね。
中澤 (キラリ、と眼を光らせて)それは、作者の人柄そのままと言うことでしょうか。
橋本 え!? い、いや…。(気迫に押されて)…まあ、そういうことにして下さっても結構ですけど…
中澤 ありがとうございます。私、今初めて「この対談をやってヨカッタ」という気持ちになることができました。ところで桃唄309の今後のご予定は?
橋本 9月2日から6日まで下北沢のスズナリで「その奥」という芝居をやります。主宰・長谷基弘の新作です。僕も役者として出演予定です。
中澤 それでは最後の質問。不等辺さんかく劇団を動物に例えると?
橋本 動物、ですか…(考え込み)小さめのほ乳類…
中澤 小さめのほ乳類!いいですね〜かわいいイメージで。猫ですか?それとも子犬?
橋本 (よたびきっぱりと)ネズミの大きいやつ。
中澤 …本日はどうもありがとうございました。

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