△ バミューダ・トライアングルズ


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今回の遭難者/林成彦さん

 さ迷い込んだら二度とは戻れない魔の海域、バミューダトライアングル。当コラムはその海域の名を借りた、わたくし中澤日菜子と客演の方の対談コーナー。ホストもゲストもともにコトバの海に消えてゆくのです…。
 さて今回の遭難者はフリーの役者としてご活躍の林成彦さん。通称「なるなる」。不等辺への客演はこれが初めてとなります。


中澤 さあ、なるなる、対談しましょうか。
  えっ!(狼狽しつつ)中澤が、俺と退団…。
中澤 (何故そこまで狼狽しているのか不審に思いながら)そう、対談を一発、ガツンと。
  (ますます狼狽しつつ)一発…本当にいいのか、中澤。
中澤 いいも何も、そうしないとパンフに載せるものがなくなっちゃうんだよ。
  もしかしてそれは「退団」ではなく「対談」なのね。良かったよ、俺はまた「あたしと一緒に不等辺を捨てて!新しい劇団を旗揚げしよう!」という「退団」かと思ったよ。
中澤 …アンタなんでそういう思考回路してるかな。まあいいけど。ところでなるなるは、客演は久しぶりだけど、ずっと前にプロジェクト公演で一緒に芝居を作ってるんだよね。
  そう。8年前になるかな。
中澤 あの頃から比べると、芝居が随分変わったよね。あの頃は「そこで目を剥くななるなる、歯を剥くななるなる!」とみんなが心で叫んでいたものだよ。
  か、俺は。
中澤 やはり歳月が人を変えるのかね。
  それはね、8年も経てば…変わらない方がおかしいでしょう。
中澤 確かに…。(横目で伊東を見ながら)変わらない人もいるけども。
  歳月の負けか。
中澤 女は強いね。
  そういう問題じゃないだろう。
中澤 確かに…。ところでその8年の間で、一時期、行方不明になっていたでしょう。
  1年半くらいね。
中澤 不等辺でもいろいろ怪情報が乱れ飛んだよ。「井の頭線で見た」とか「グローブ座で会った」とか「登別クマ牧場で調教をしていた」とか…。
  最後の、作ってるだろう。
中澤 すみません。作りました。
  確かに北海道にもいたけどね。リュックサック1つ担いで日本全国を歩いていたんだよ。
中澤 野宿しながら?
  そう。良い経験をしましたよ、いろいろと。
中澤 その放浪の旅から帰ってきて、去年は変わった試みをしていたよね。
  毎月一回、朗読劇…というか一人芝居的な朗読をやっていました。
中澤 今はお休み中?
  そうです。
中澤 じゃ、今回不等辺に客演してくれたのは…。
  (きっぱりと)ヒマだったからです
中澤 (がっくりとうなだれて)…またいわれてしまった…。
  また?
中澤 去年、「双月祭」に客演してくれた桃唄309の橋本さん、通称ハシケンにも同じことを言われたんだよ。そうねそうねそうなのね、みんなヒマだから出てくれるだけなのね。
  (さも嬉しそうに)むふふふふ。
中澤 出てみて如何ですか、「ニライカナイ」の印象は。
  そうですね。ブラッドベリの短編みたいだな、と。
中澤 短編オムニバス、というのは不等辺でも初めてなんですよ。チーム分けして芝居を作ったのも。楽しかったよね、お互い競い合い…。
  意見を交わし合い。
中澤 足を引っ張り合い。
  最後の、イケナイことだろう。
中澤 すみません。イケナイことでした。それでは最後に恒例『不等辺を動物に例えると何でしょう!?』
  恒例なの?
中澤 2回目ですけども。
  そうね…(しばし黙考し)大きくて、
中澤 大きくて?
  …あんまり動かない動物…。
中澤 …。
  動物園でも、
中澤 動物園でも?
  …比較的、人気のない…
中澤 ……。
  ああ、でも動物園での話だから、あくまでも。別に劇団としてとかじゃなくて。うん。
中澤 …なるなる、ウチに、何か悪感情、持ってないか?
  持ってない持ってない。
中澤 ホント?
  ホントホント。とりあえず意識的には。
中澤 …。
  (さも嬉しそうに)むふふふふふふふ。

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