前述したNymanとLindhe(1979)の論文では、技術的な失敗を少なくするために以下の方法を提唱しています。
1. 支台歯からクラウンの維持喪失
クラウンの変形による維持の喪失 : 部分被覆冠ではなく、全部被覆冠を用いることで、側方からの変形力に耐ええるようにする。
ロングスパンのポンティックやフリーエンド : 支台歯の高さを最大に、テーパーを最小にする。
下顎の前方滑走による上顎臼歯への咬合-前方面に加わる脱離力 : 最後臼歯の遠心面、犬歯の近心(遠心)、切歯の唇側面(口蓋側面)の形成を平行にする。
2. ブリッジの破折
ロングスパンの中間ポンティックやカンチレバーポンティック : 負荷の加わる部位でクラウン、ポンティック、ロウ着部の高さを増す(できればプロビジョナルレストレーションでレジンが破折した部位にロウ着部を置かない)。
3. 支台歯の破折
カンチレバーブリッジの遠心支台にポストを用いたとき : 根管形成を広くし過ぎない。またポストにカラーを付与し、歯の周囲を取り囲むようにする。
また、Randowら(1986)の研究から、カンチレバーのユニット数は生活歯では2歯、失活歯では1歯を限度としたほうが良いといえます。
現代的な選択肢として、カンチレバーが必要な欠損部位に対する補綴処置の第一選択はインプラントになります。そのメリットとしては、
1. ロングスパンのポンティックが存在しなくなるので、不必要に支台歯形成する歯を増やさなくて済む。
2. カンチレバーの使用による技術的な失敗を避けることができる。
といったことが挙げられます。
最終更新2013.1.10