歯の欠損、歯周病、咬合高径(かみ合わせの高さ)の低下等により、歯の位置は移動することがあります。
歯周病の治療においては、歯の位置以上によって生じる外傷的な力を排除したり、補綴をしやすい環境にしたり、審美的な改善を目的として、矯正治療が行わ
れることがあります。
歯周-矯正は、歯周外科の前後に行われます。
歯周外科の前 : 歯肉形態や歯槽骨形態の改善が必要なとき。
歯槽骨や歯肉の位置は遺伝的に決まっており、一定以上に歯を移動しても、骨は一緒に移動しません。
すなわち、歯肉退縮がみられる歯を舌側に移動すると、特に手術はしなくても歯肉退縮が改善することがあります。
したがって、矯正治療後にも歯肉退縮がみられる場合のみ、歯周形成外科を選択するべきです。
歯周外科の後 : 歯周ポケットの除去が必要なとき。
歯周病の歯を移動すると、歯面に付着しているプラークや歯石も一緒に移動することになります。
したがって、移動する方向によっては歯周ポケットを人工的に形成することにもなりますので、歯周外科処置後の矯正を選択するべきです。
矯正移動の方向と歯周ポケットの関係を以下に示します。
最終更新2013.1.11