診査

プロービング時の出血

 プロービング時の出血(bleeding on probing; BOPと略します)とは、プロービング操作を行ったときに、歯周ポケット内から出血するかどうかを診査するものです。

 歯肉縁下プラークが存在していると、歯周ポケットの内壁に炎症がおき、プローブで擦過した程度でも毛細血管が破れて出血してきます。健康な部位からは出血してきません。すなわち、BOPが認められる部位には、歯肉縁下プラークが入り込んでいる証拠になります。

 出血が認められた部位に印をつけます。下の例では、BOPが認められた部位に対して、プロービングデプスの数値に丸印をつけています。

 歯肉縁下への処置は、BOPが認められた部位を対象とします。逆の言い方をするならば、BOPが認められない部位へは、歯肉縁下への処置をする必要はないということです。

 治療後にBOPが認められなくなった部位は、健康を回復したと判断します。例えば、プロービングデプスが4mmでもBOPが認められない部位は健康です。逆に、2mmや3mmであったとしても、BOPが認められる部位は病的です。

 歯周治療のゴールは、単にポケットを浅くすることではなく、BOPをなくすことを目標としています。

 

講義のメニューへ    ←前に戻る    次に進む→


最終更新2013.1.3