歯肉病変
前のページで説明したように、プラークが原因で歯肉に炎症がおきた状態です。
プラークのみで歯肉に炎症がおきているものをプラーク単独性歯肉炎と いいます。
プラーク以外に全身的な因子が関与することにより、炎症が強く出ている状態を全
身因子関連歯肉炎といいます。
全身因子関連歯肉炎の中には、妊娠関連歯肉炎や、白血病関連歯肉炎等があります。
妊娠関連歯肉炎は、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)のレベルが増加した結果、毛細血管が増えて広がり、歯肉が腫れやすくなるものです。出
産後に自然治癒することもあります。
白血病関連歯肉炎では歯肉からの自然出血や、歯肉の異常な腫れがみられます。
栄養障害関連歯肉炎はビタミンC等の欠乏により、歯肉から出 血しやすくなったものです。
これは、いわゆる歯周病とは異なるものです。分類には含まれているものの、非プラーク性歯肉病変に対する治療法は歯周病のテキストには記載されて
いません。プラーク性との鑑別に必要な疾患ととらえたほうが良いでしょう。
次のようなものがあります。
ウイルス感染 : ヘルペス性歯肉口内炎
真菌感染 : カンジダ症
粘膜疾患 : 扁平苔癬
アレルギー性歯肉病変 : 剥離性歯肉炎
歯肉炎は、歯肉の中にある毛細血管が増えて充血した結果、歯ぐきが腫れてみえるものです。
これに対して歯肉増殖は、歯肉の中にある線維成分が増えた結果、腫れてはいないけれども歯ぐきが膨れてみえるものです。
薬物性歯肉増殖症は薬の副作用により、歯肉が線維性に肥大化したも
のです。
次の薬で歯肉増殖が出やすいことが知られています。
フェニトイン : 抗痙攣(けいれん)薬
ニフェジピン : 降圧薬
シクロスポリンA : 免疫抑制剤
遺伝性歯肉線維腫症は突発性にみられるものです。
最終更新2012.12.28