デジカメで画像が白っぽくなってしまう理由は、露出オーバーになりやすいことのみならず、ホワイトバランス-被写体に当たっている光の種類(電球、蛍光灯、日光)により、実際とは違った色に撮影されてしまうのを正しい色に補正すること-にも関係があると思われます。歯は微妙に色が異なる白色が並んでいるため、オートホワイトバランスではそのうちの1歯を正しい白として認識してしまい、結果として白っぽくなってしまうのだと考えられます。
下の4枚の写真はホワイトバランスを変えて撮影しています。オートホワイトバランスは自動的にデジタル回路が色補正を行なうもの、ワンタッチホワイトバランスは撮影条件の光源下で白い紙を写してホワイトバランスを決めるもの(コピー用紙を使用しました)、下段のK(ケルビン)は色を絶対温度で表したものです(温度が低いと赤く、温度が高いと青くなります)。4500Kは昼白色蛍光灯下、5500Kは晴天下に相当します。どれが正しい色に近いと思いますか?
![]() オートホワイトバランス |
![]() ワンタッチホワイトバランス |
![]() 4500K |
![]() 5500K |
新人医局員に協力してもらい、実物と比較してみました。一番近いのは5500Kでした。
メラニン色素の沈着のない別の医局員にも協力してもらいました。5500Kが最適かどうか、その前後の色温度を撮影しました。
![]() 4500K |
![]() 6500K |
![]() 5500K |
実像と比較した場合、やはり5500Kが一番近かったため、ホワイトバランスは5500Kに固定して使用することにしました。
並べて比較するとわかりやすいのですが、1枚だけ出されると脳が記憶にある色に補正してしまい、35mmスライドと後から比較すると色が違う(白っぽい)、デジカメはフォトレタッチソフトで補正が必要だという結論に至ってしまいます。しかしながら、フォトレタッチソフトで補正し過ぎると画質が荒れてしまいますので、必要最小限の補正にとどめるためにも、デジカメの設定を可及的に追求する必要があると思われます。