前述のように、リングフラッシュをそのまま用いたのではハレーションを起こしてしまいます。そこで減光フィルターと組合わせて使用してみました。減光フィルターは基本的に色には影響を与えず、光の加減を調節する(露出を下げる)目的で使用されます。
ケンコー製の減光フィルターにはND-2、ND-4、ND-8、ND-400があります。ND-8は晴天時に絞りを開放するときに使われます。まずND-4を装着してみました。シャッタースピードと絞りを調節し(後述)、撮影してみました。しかしパンフォーカスに必要な絞った状態(最大でf11)では画像が暗く、また一眼レフではファインダー内の画像が暗くなってしまい、マニュアルではピントを合わせにくく感じました。絞りをf5.6にするときれいに撮影できましたが、正面観と側面観の大臼歯部、咬合面観の口蓋や口腔底部で画像がボケてしまいました。
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次にND-2を選択してみました。絞りを設定の最大値であるf11で撮影できました。また、ファインダー内の画像も暗さを感じさせず、マニュアルでもピントを合わせやすいといえます。したがって、ND-2のフィルターを採用することしました。
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模型と口腔内で設定を調整してみましたが、模型ではちょうど良い露出が得られても、口腔内では露出アンダーの暗い画像になってしまいます。模型は周囲に障害物がないのに対し、口腔内を撮影するときには口唇や顔の皮膚によって光が遮られるためであると考えられます。したがって、適切な撮影条件を模索するにあたり、口腔外での設定はある程度の目安とし、口腔内で細かく設定を変更していく必要があると感じられました。
E-10本体から順に、マクロエクステンションレンズ、クローズアップレンズ(MC No.3)、減光フィルター(ND-2)を装着した状態です。レンズにほこりや指紋がつくことがありますので、ブロワーやレンズクリーナーを用意しておくと安心です。
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減光フィルターの前面にリングフラッシュ用のアダプターリングを接続します。
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全て取り付けが完了した状態です。リングフラッシュの発光量は、フル発光、1/4発光、1/8発光、1/16発光から選択できます。源光フィルター使用下では、1/16発光か1/8発光が適切であると感じられました(後述)。
レンズやアダプターの購入リストを挙げます。
購入品 |
実売価格 |
サンパック アダプターリング72mm |
1,200円 |
ケンコー プロND-2 72mm |
3,000円 |
ケンコー プロND-4 72mm |
3,000円 |
ケンコー クローズアップレンズAC No.2 72mm |
7,200円 |
ケンコー クローズアップレンズMC No.3 72mm |
2,640円 |
合計(消費税込み) |
0円 |
合計が0円なのは、これらの器材をヨドバシカメラで購入したのですが、本体等購入時のポイントで全て購入できたためです。もし、私と同様の購入を検討しているならば、NDフィルターとクローズアップレンズは1種類ずつで良いかと思われます。