2025年2月のミステリ 戻る

恐怖を失った男 FEARLESS
2023年 M・W・クレイヴン著 山中朝晶訳 早川書房 688頁
あらすじ
<ワシントン・ポー>シリーズ(「ストーンサークルの殺人」)の作者による新しい作品
連邦保安官のベン・ケーニグはある事件から懸賞首となってしまい、自分を抹消しアメリカのあちらこちらを渡り歩いている。
6年がたったある日、ホテルのTVニュースで自分が「最重要指名手配犯」になったことを知る。昔の顔写真が流されていた。
感想
700頁弱と文庫本としてはとても丈は長いが『ビーキーパー』の様な命知らず男の話で思い悩むところはなくサクサク読める。
主人公のベン・ケーニングは過去の銃撃戦で直撃は免れたが、欠片で脳を損傷しウルバッハ・ビーテ病となり「恐怖を感じない」男となった。
「恐怖を感じない」のは戦う男としては冷静でひるまない良い面とリスク管理が少し足らないという悪い面があり、たまに自分で「ミスをした」言うへっぽこな所もある。
 
作者は軍隊出身なので米国のテキサス州大好き、銃も大好きと、それはあっぱれなの。
本作で一番大きく感銘を受けたというたらちょっと語弊があるねんけど、印象的なのは「接近戦で敵を制圧する=殺す」訓練とテクニックがこんなにあるとは。
敵の大男アンドリューズとの闘いなんて、「わたし元獣ですから」やね。びっくり
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