2022年6月の映画  戻る
サンライズ SUNRISE
第一回アカデミー芸術作品、撮影、主演女優賞
1927年 90分 米国 FOX
監督 F・W・ムルナウ
原作 ヘルマン・ズーデルマン
キャスト ジャネット・ゲイナー(妻)/ジョージ・オブライエン(夫)/マーガレット・リヴィングストン(都会からやって来た女)
メモ 2022.6.23(木)テアトル梅田
あらすじ
都会からやって来た美女に魅入られそそのかされ、妻子ある農夫は妻をなきものにしようとするが、、、はたせず。
男っぽく朴訥な夫は泣きながら逃げる妻を追いかけ、都会にたどりつく。この若妻がめちゃめちゃかわいい。
そこで若いふたりは初めて都会的なカフェに入り、おしゃれをし、写真館で写真を撮り、ダンスホールに紛れ込む。
初めての散財、初めての贅沢、そこにはめくるめく世界があった。このシーンの連続がすごい。
美容院のマネージャーが「プリティウーマン」のホテルの支配人ヘクター・エリゾンドみたいで。
どなたさまも大事なお客様でございますの精神があっぱれ
感想
「吸血鬼ノスフェラトゥ」のムルナウ監督が米国に招かれて撮ったサイレント作品だそうです。
生ピアノ演奏つき(即興演奏と言われていました)2000円
お話は3部構成になっていて、第一部は「陽の当たる場所」「チャップリンの殺人狂時代」はこの作品へのオマージュだったの!
と思う湖でのサスペンス
第二部は「今泣いたカラスがもうわろた」という展開の速いラブコメ
第三部は月明かりの中のロマンティックモードが嵐により暗転する
という贅沢な作り。映像の魅力が詰まっている。オールセットというのにも驚く。
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ニューオーダー
第77回ベネチア国際映画祭銀獅子賞(審査員グランプリ)
2020年 86分 メキシコ/仏
監督・脚本 ミシェル・フランコ(「父の秘密」)
メモ 2022.6.15(水)シネ・リーブル梅田
あらすじ
メヒコ(メキシコ)の富豪の豪邸では娘の豪華な結婚披露パーティが開かれている。続々と政財界の大物が家族を連れて集まっていた。
一方街では貧しい人たちのデモが暴徒化している。
感想
圧倒的な武力の前で、人はなんて無力なの。
こういう暴力は今までも数えきれないくらいあって、そして今もあるんやろね。
(感想を読まずに観られることをお薦めいたします)
 
 
ひとめぐりして戻ってくる脚本が巧みで最初と最後の構図は同じ。何も変わらない。
騒動は精査されることはなく、力ずくて制圧されていく。
好意がずたずたになっていき、人間の欲、醜さ、保身が噴出する諸悪の根源は(他にもいっぱいあるやろうけど)
最初の方で、花嫁のマリアンが客からのお祝いに対し言及した言葉「パパの賄賂の1%が戻ってきただけよ」なのだと感じる。
 
「そうなんや」と思ったのは、お金持ちでも女の人は現金を持っていないこと。お金は男の人から貰う。
(私は貰ったことがないので、つくづく外で稼いでいて良かったと思う)
為替では1ペソは6円くらいみたいなので、まあ10円として20万ペソは200万円くらいなのかな。大金やね。
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犬王
2021年 98分 日本
監督 湯浅政明
原作 古川日出男
キャラクター原案 松本大洋
音楽 大友良英
声 犬王(“女王蜂”アヴちゃん)/友魚(ともな:森山未來)/足利義満(柄本佑)/犬王の父(津田健次郎)/友魚の父(松重豊)
メモ 2022.6.9(木)TOHOシネマズ梅田
あらすじ
池澤夏樹さんの個人編集による日本文学全集第9巻、古川日出男さん現代語訳「平家物語」の内「犬王の巻」を「ケモノヅメ」の湯浅政明監督がアニメ化。
 
1185年4月の壇ノ浦の合戦から200年がたった南北朝時代の末期。室町幕府三代将軍足利義満の時代
滅亡した平家の物語「ぎおんしょうじゃのかねのこえ しょぎょうむじょうのひびきあり・・・」は琵琶法師により語りつがれていた。
安徳天皇と二位の尼とともに沈んだ三種の神器(やたのかがみ、あまのむらくものつるぎ、やさかにのまがたま)のうち「あまのむらくものつるぎ」(くさなぎのつるぎ)を父と共に引き上げた伊予の猟師、友魚(ともな)は平家の呪いで目をやられめしいとなる。
感想
よくわからへんけど、カメラで写しているような横移動のシーンがしょっぱなにあってびっくりした。
ほかに鯨シーンの縦移動とか、金閣寺?の奥へ奥へ移っていく所とか、カメラで取られているような映像がある。
アニメーションってこんなんやったっけ?
 
琵琶でのロックと打楽器、手拍子、ポップスがミックスしたミュージカル。ダンスは舞楽、ヒップホップ、バレエ、新体操がまじりあっている。
平家の呪っている霊を鎮めその魂を救うための鎮魂の舞やねん。
 
平家物語は読んでないけど、平氏の女の人たちが嘆願して源氏の子供たちは命拾いしたのに、成長したその子たちに追われ孫の安徳天皇とともに入水した二位の尼は、どんな思いやったろうね。
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トップガン マーヴェリック TOP GUN: MAVERICK
2022年 131分 米国
監督 ジョセフ・コシンスキー
キャスト トム・クルーズ(ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル)/マイルズ・テラー(ブラッドリー・“ルースター”・ブラッドショウ)/ジェニファー・コネリー(ペニー)/ヴァル・キルマー(トム・“アイスマン”・カザンスキー)
メモ 2022.6.5(日)なんばパークスシネマ
感想
手に汗握る。 かっこいい!  苦しさと爽快さ。高くて広い広い空もいい。マーヴェリックは自由だ。
 
「F-14 トムキャット」の時は二人乗り戦闘機やったと思うねんけど、今はひとりやねんね。
編隊の内、一機だけが二人乗りなのも面白い。ボートのコックスみたい。
「CSI:マイアミ」の曲が流れて驚く。UKロック ザ・フーの「無法の世界(Won't Get Fooled Again)」らしい。ギャオーって叫ぶ曲。
 
「フォードvsフェラーリ」の時も思ったんやけど、最初の方で何をするかの全体の流れがわかり易く ビジュアルに説明され、見ている方に理解させる手法がいい。そして訓練中になんどもおさらいする。
それで作戦中はほとんどコックピットしか映っていないのに、「ここはミサイルに察知されないように谷をくねくね低空飛行している」
火口の様な所から脱出するため「急上昇中のすごい重力に苦しんでいる」っていうのがわかる。