2020年7月の映画  戻る


台風家族 
2019年 108分 日本 キノフィルムズ
監督・脚本 市井昌秀
出演 草なぎ剛(鈴木家長男・小鉄)/新井浩文(次男・京介)/MEGUMI(長女・麗奈)/中村倫也(なかむらともや・三男・千尋)/小野真千子(長男の妻・美代子)/甲田まひる(長男の娘・ユズキ)/若葉竜也(長女の彼氏)/藤竜也(父・一鉄)/榊原るみ(母・光子)
メモ 2020.7.23(木)TOHOシネマズくずは
あらすじ
台風が近づく夏の日。鈴木家では父と母の葬儀が営まれていた。
4人兄弟の父母は、10年前に何をトチ狂ったのか信用金庫で2千万円を強奪し逃げていた。行方はようとして知れない。
7年で両親は失踪宣告され10年で強盗は時効となった。
容疑者の家族としてマスコミにたたかれ、世間の白い目にさらされた兄弟は10年ぶりに会す。
そこで長男がおもむろに持ち出したのは、実家を売り遺産を分割する話。しかし4分割ではなかった。
感想
おのがしでかした事やないのに、職を失ったり、離婚されたりひどいめにあった家族はどこか壊れている。
開き直っている。世間体なんてもうどーでもいいねん。
 
その中で、せっせとお昼ご飯にそうめんをゆでる長男の妻(小野真千子)が一番変。良妻のようないっちゃっているような。
   「あの人、面白いでしょ」(**) そ、そうかな
 
前半、目まぐるしく状況が変わり、三男のしでかした事態にびっくり。ところがそこからがぐだぐだ。
このしっちゃかめっちゃかになっていくところが「超台風」なんかもしれん。
自然の猛威(マスコミやら村社会やら)の前では人間(個人なのか家族なのか)の力って小さい。しかし台風一過なのだ
 
「箱入り息子の恋」の時にもおもてんけど、この監督さんってコメディがファンタジーになっていく。
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タイムリミット 見知らぬ影 
2018年 109分 ドイツ
監督 クリスティアン・アルヴァルト
キャスト ヴォータン・ヴィルケ・メーリング(カール)/ハンナー・ヘルツシュプルンク(爆弾処理班・ピア)
メモ 2020.7.9(木)十三・シアターセブン
あらすじ
建設コンサルタントのカールがふたりの子供を車で学校に送っていく途中、非通知の電話がかかってくる。
電話の声は「車のシートの下に爆弾をしかけた。降りようとすると爆発する」と告げる。
感想
回転の速い頭と饒舌な口で勝負し客を丸め込むのがコンサルの仕事。
というもんの、次から次に襲いかかる難題と身の不運で八方ふさがり。まず敵がわからない。
子供をふたり乗っけて走り回るお父さんはあきらめずに戦い続けられるのか?
 
直球勝負のストーリーと思いきや、くせだまも投げてきた。
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コリーニ事件 
2019年 123分 ドイツ
監督 マルコ・クロイツパイントナー
原作 フェルディナント・フォン・シーラッハ「コリーニ事件」
キャスト エリアス・ムバレク(弁護士カスパー・ライネン)/アレクサンドラ・マリア・ララ(ヨハナ・マイヤー)/フランコ・ネロ(ファブリツィオ・コリーニ)
メモ 2020.7.2(木)シネ・リーブル梅田
あらすじ
大富豪ハンス・マイヤーが撃たれ殺される。犯人は倒れたハンスの顔を靴で何度も踏みつけていた。
イタリア人の容疑者(フランコ・ネロ)は弁護士にも口を閉ざし何も語ろうとしない。
感想
きれいに終わって、なにやらもやもやする。
こういう結末でいいのか? 判決は? たぶんこの作品で結論を出さず(出せず)問題提起をしているんやろね。
 
原作は「犯罪」のフェルディナント・フォン・シーラッハの同名作品。
原作者はもともとは刑事事件の弁護士さんだそうです。
 
高校の時、日本史の最初の授業で教師が
「歴史学とは、自覚された現代の立場にたって過去の事を研究する学問」
と言われました。
(この先生はのちに母校の校長になられました。校長先生が全てえらいという訳ではありませんが。
言葉の記憶があやふやでしたが、探すと残してある日本史の教科書の冒頭にメモ書きしてありました)
聞いた時は「何をゆーてはんねやろ。真実はひとつやないの」???と思っていましたが、わかってきたような気がする。
過去の出来事の評価は時代によって変わるねん。
この映画は成熟した社会になり過去は見直され軌道修正しよりよい方向に向きますように。という話なんやと思う。
 
白状すると映画そっちのけで見ていたのはフランコ・ネロ。
目はふたつ、鼻と口はひとつ。みーんな変わりはないのに、どこをどうしたらこんな渋い男になるんやろと沈思黙考しておりました。
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