2020年6月の映画  戻る


ドクター・ドリトル DOLITTLE
2020年 101分 米国
監督 スティーヴン・ギャガン
キャスト ロバート・ダウニー・ジュニア(ドクター・ジョン・ドリトル)/ハリー・コレット(助手・トミー・スタビンズ)/アントニオ・バンデラス(海賊、リリーの父ラソーリ)/マイケル・シーン(ドクター・ブレア・マッドフライ「パッセンジャー」のバーテンダー・アーサー)/ジム・ブロードベント(バッジリー卿)
メモ 2020.6.27(土)なんばパークス・シネマ
あらすじ
ドリトル先生は愛する妻リリーが単独冒険の途中で嵐に遭遇し帰らぬ人となり、結果深く悲しみ引き籠る。
時をへて女王が死の床につき、王女の「女王が亡くなればこの楽園も維持できませんことよ」との脅しまがいの懇願から
特効薬の果実を求め朋友たち(オウム、ガチョウ、ゴリラ、シロクマ、キリン、ダチョウもろもろ)と冒険の旅に出る。
感想
エンディング・クレジットの「デジタル・アーティスト」の数の多いこと、多いこと。
アメリカのマネーと人、物量を世界に見せつけた作品。このCG、すごい。
幼少の頃、誕生日やクリスマスに岩波書店の「ドリトル先生」を親に買わせていたのでシリーズ10冊持っているんやけど
ストーリーは映画オリジナルと思う。
敵役がドクター・ドリトルに「(おまえなんか、おまえなんか)動物の、多頭飼い」と悪口言うシーンに笑った。
声優陣もすごい。神経病みのトラ(バリー)の声がレイフ・ファインズやったん。
 
映画を見終わって、桂枝雀師匠の落語「夏の医者」を読みたくなる。(唐突ですみません)
(食べ物の≪チシャ≫と医者≪イシャ≫をかけてあるお話ね)
ネットで検索すると枝雀寄席で、英語を教えてくれはった先生の故郷アメリカの田舎町に遊びに行った時に
英語落語を一席した話をしてはるのがヒット。
英語と日本語解説ごちゃまぜの「サマー・ドクター(夏の医者)」を視聴して夜中に大笑いしました。
 
ア、ロングタイムアゴー、
田舎のお外(アウト・イン・ザ カントリーサイド)で
野良仕事していたお百姓3人(スリーメン ワーキング インザ フィールド デューリング ハーベストタイム)の内、
おとうちゃん(パーパ)が炎天下に突然倒れる(サドンリー テル・ダウン)。
息子(サン)がおじちゃん(アンクルもさく)に父(パパ)を預けて山を越えて(アクロス マウンテン)医者(ドクター)を呼びに行く。
せんせいさま(ドクター)と息子(サン)が食あたりで倒れている父親(パパ)の元に駆けつける途中、
大うわばみ(ビッグ・スネーク)に飲み込まれてしまう。
どうやって大うわばみ(ビッグ・スネーク)の腹の中から脱出するのか?
ってお話。
まあ大うわばみ(ビッグ・スネーク)の「バック・ドア」からエスケープすんねんけど。
 
師匠は、このジーニアスは、
(師匠の出囃子を弾いてはる元「ジョウサンズ(浪曲漫才)」の奥さんに
かんしゃく起こしてたたいたり蹴ったりしたあかんDV男なとこもあったみたいやけど)
なんで自ら無くなってしまいはってんやろね。
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五人の軍隊 THE FIVE MAN ARMY
1969年 111分 米国
監督 ドン・テイラー
脚本 マーク・リチャーズ/ダリオ・アルジェント
キャスト ピーター・グレイヴス(リーダ・ダッチマン)/ジェームズ・デイリー(リーダの戦友・爆薬のプロ・オーガスタ)/バッド・スペンサー(怪力男・メシート)/ニーノ・カステルヌーヴォ(青二才・軽業師・ルイス・ドミンゲス)/丹波哲郎(サムライ)
メモ 2020.6.24(水)ザ・シネマ録画
あらすじ
革命(1910-1017)最中のメキシコで訳あり(3人が指名手配犯)その日暮らしの男たちが、リーダのダッチマンが誘う軍用列車(車輪のついた銀行)から砂金を強奪する計画に目がくらみ、不可能なミッション(任務/使命)にのる。
感想
わー面白かった。
 
丹波哲郎さんが、ミッションそっちのけでメキシコ娘とアイコンタクトしてんの。そのシーンで「昔、実家のTVで父と兄と見たな」と思い出す。
(兄は戦争映画とかで爆薬をしかけ導火線を引きずっているのが大大好きで「工兵がいい」とか言って母の目を三角にさせてた)
 
丹波哲郎さんは寡黙というかうんともすんとも言わない役で、バスター・キートン かのようにキリキリ動き草原を走る走る。
解説の町山智浩さんが「あの無精な丹波哲郎が走る!」と言われてました。
もうひとつ町山智浩さんが強調されていたのが「あの血みどろ変態映画の、殺人映画の、脚本ぐずぐずのダリオ・アルジェントがこの映画の脚本、最後は監督までしていた!」とのこと。
 
マカロニ(スパゲティ)ウェスタンでありザパタ物(メキシコ革命を題材にした映画とか)だそうです。
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タレンタイム TALENTIME
2009年 115分 マレーシア
監督・脚本 ヤスミン・アフマド
キャスト ピアノを弾くムルーの家(ムスリム)/ムルーをバイクで送迎するマヘシュの家(ヒンドゥー)/ギターを弾くハフィズの家(ムスリム)/二胡を弾くカーホウ(華僑)
メモ 2020.6.19(金)十三・第七芸術劇場
あらすじ
マレーシアの高校で歌や踊りを競うコンクール「タレンタイム」が開かれる。今回で7回目。開催は生徒たちの相互理解のためと思われる。
予選会のシーンが面白い。この堂々たる先生いい。
感想
今日は映画をじっくり見たい気がする。
という訳で「タレンタイム」が第七芸術劇場の復活企画「バック・トゥー・ザ・ナナゲイ」で上映するのを嗅ぎ付け駆け付ける。
2009年に亡くなったマレーシアのヤスミン・アフマド監督の最後の作品でかつ最高傑作と評判であり、いやあ、評判たがわず。
基本は英語で会話してはるみたいやけど、そこに多言語(中国語(中国のどこの言葉かはわかりません)、タミール語(だったと思う)、
マレー語)が入り乱れる。日本の「グローバル化グローバル化」の大音響の掛け声を「ふん」と鼻で笑ってしまうような多民族多宗教多言語の国、マレーシア。
(マレーシアとシンガポールは華僑の国と思ってたことをここに白状いたします。国旗に月と星があるってことは主はイスラムなんですね)
 
映画を見ている間ずっと「ここの家はムスリム、この家はヒンドゥー、この先生は中国系、この先生はムスリム」といちいち確認しながら見てました。
そのくらい見た目に違いがない。監督さんの意図なのか日本人からは見て区別がつかないのか私に判別がつかないのかはわかりません。
 
この作品では、ムスリムのムルーの家のお父さんが明るくひょうきんで娘3人にとっても好かれている。
英国からやってきたおばあちゃんも冗談が好きできさくな人柄というリベラルな一家。
監督さんが「イスラム教の原理主義者は一部に過ぎない。多くは平和主義者」と伝えてはるような気がする。
ムルー家のおばあちゃんが森で息子をからかう「エルマー・ファッド」はバッグス・バニーを狙うハンターだそうです(調べました)。
 
昨日、今日と「ええ映画やったなー」と余韻に浸っていたので、別々の知り合いふたりからたまたま「こんにちは」のLINEが来た時に
世間話のついでに「マレーシアのタレンタイムって映画みたー。よかった〜」と軽く送ったところ、
どちらもみごとに黙殺スルー。食いつきはおろか「どんな映画?」という愛想すらなし。
ふだんほとんど映画や本の話はしないのですが。話が長くなると思われたのでしょうか(涙)。。。
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デッド・ドント・ダイ THE DEAD DON'T DIE
2019年 104分 米国
監督・脚本 ジム・ジャームッシュ
キャスト ビル・マーレイ(チーフ保安官クリフ)/アダム・ドライヴァー(巡査ロニー)/クロエ・セヴィニー(巡査ミンディ)/ティルダ・スウィントン(葬儀屋)/スティーヴ・ブシェミ(フランク)/ダニー・グローヴァー(ハンク)/トム・ウェイツ(森の住人ボブ)
メモ 2020.6.17(水)ステーションシティシネマ
あらすじ
たぶんオハイオ州がケンタッキー州にある町センターヴィルが舞台でそこは、モーテルひとつ、ダイナーひとつ、ガソリンスタンドひとつ、葬儀社ひとつ、なぜか青少年の厚生施設ひとつ、そして警官3人の町。そんな田舎町のダイナーで野獣に襲われたかの様な死体がふたつ見つかる。内臓が食い荒らされていた。
感想
ゾンビ映画としては普通なのか、ジム・ジャームッシュ監督作品としては凡庸なのか評判は芳しくないみたい。が、ぼーっと映画を見たい気分やったので行く。
緊迫感のない、叫びもパニックもない異色のゾンビ映画。
 
ジム・ジャームッシュ監督の作品はあまり見ていない。気にはなるけどあまり惹かれへんねんね。
見たのは「ミステリー・トレイン」、「ナイト・オン・ザ・プラネット」、「デッドマン」、「ゴースト・ドッグ」、「ブロークン・フラワーズ」、「パターソン」かな。
この監督さんの映画はこう、どこかへ向かっているんやけど行き着いた先は違ってた・・・。
もともとどこへ向かってたんやっけ、目的地ってあったっけ・・・という曖昧モコとしたお話が多いように感じる。
ゾンビもどっかへ行きたがっているし。
アメリカの白人って新天地で一旗揚げよって祖先を持つ人が多くて、そのDNAからここではないどこかへ今も行きたい人がいるんちゃうかな。
車好きそうやし。
でも、もはや地球上には新天地はない。後は深海と宇宙だけ。おいそれと行かれへんし、行っても楽園とは思えん。
行くところがない。。ぐるぐるしている。という迷える人々を表わしているように感じる。
 
アダム・ドライヴァーがしゅっとダイナーに乗り入れてくる車は「スマート フォーツー」っていうのみたい。覚えとこ。
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15年後のラブソング JULIET, NAKED
2018年 97分 米国/英国
監督 ジェシー・ペレッツ
原作 ニック・ホーンビィ
キャスト ローズ・バーン(アニー・プラット)/イーサン・ホーク(タッカー・クロウ)/クリス・オダウド(ダンカン・トムソン)
メモ 2020.6.13(土)なんばパークスシネマ
感想
映画を見ている最中、「この世には、『この男の子供が欲しい』『この男の遺伝子を残したい』と多くの女が本能的に思う男がいるんやろなあ。
たとえばクリント・イーストウッドのような。(まあ、女好きってこともあるが) と思ってた。
加えて、この世に子供を出現させる、させないは女の選択な訳で。
(なにゆえ本筋とは関係ないところに妄想が逝っちゃうのか)
 
姿を消した歌手「タッカー・クロウ」に憑りつかれているダンカンが言う。
 「アートは、作者のものじゃない。 水も配管工のものじゃない」
・・・ウチもそう思う。世に放たれた時から作り手の手を離れるのじゃ。
そやから、映画の感想も本の感想もあさっての方向でもいいのだ。(居直りました)
 
映画に戻って、イーサン・ホークは「しあわせの絵の具」の学のない不器用な男の役といい、本作のさまよえるミュージシャンといい、うまいこと歳を重ねてはると思う。
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